長門湯本温泉の再生に星野リゾート 界 長門が期待さるているが、公衆浴場の恩湯とその周辺のリニューアルもまた、大いに期待されている。
従来の恩湯の建物は古風な伝統建築であったが、新装開店した恩湯はスマートな現代的和風建築となってる。懐古趣味の私にとっては、従来の建物の雰囲気をもっと大切にして欲しかった。
参考
長門湯本温泉「恩湯」山口の名湯がリニューアルオープン!その全貌は?
LINEトラベル.jp 旅行ガイド(2020.3.19、参考)
権丈 俊宏
長門湯本温泉「恩湯」は山口県屈指の名湯。休業中でしたが、2020年3月18日にリニューアルオープン。旧施設から温泉ファンから人気の高い温泉ですが、新施設でも源泉かけ流しが継承。更には何と!足元湧出温泉まで実現しました。
また「恩湯食」といわれる飲食棟を新設、そぞろ歩きや食べ歩きできる様に温泉街をリノベーション。日本の新しい温泉文化を発信する!新生「恩湯」の全貌をご紹介します。
生まれ変わった長門湯本温泉「恩湯」
写真:権丈 俊宏
長門湯本温泉(山口県長門市)は、約600年の歴史を持つ県内最古の名湯。「恩湯」(読み方:おんとう)は温泉街の中心部に位置し、多くの観光客や地元民に愛された公衆浴場でした。しかし老朽化や利用者の減少により、惜しまれつつも2017年5月に閉館。
しかしこの地のシンボルである恩湯を守り続け、次世代に受け継ぐために地域・民間・公共が連携し、公衆浴場「恩湯」再建プロジェクトが発足。そして2020年3月18日に新生「恩湯」が全面リニューアルオープンしました。
※上の写真は建替え前の恩湯です。
写真:権丈 俊宏
新生「恩湯」は、名建築として知られる仏生山温泉(香川県高松市)を手掛けた岡昇平氏がデザイン。日本伝統を継承する木造平屋造りと、木のぬくもりを大切にした素朴かつモダンな佇まいに変貌しました。
また長門湯本温泉は、外湯である恩湯を中心に温泉街をリノベーション(機能を刷新・新しい価値を生み出す改修)。様々なニーズの観光客が楽しめるよう、かつてない日本の新しい温泉文化が形成されつつあります。
写真:権丈 俊宏
上の写真は「恩湯」内にある休憩室。壁の大部分がガラス張りで温泉街の全貌が見渡せ、入浴客がゆったり寛げるように配慮されています。
足元湧出温泉!まさに日本屈指の名湯
旧「恩湯」はぬるめの美人湯として知られ、以前から人気の施設でした。温泉街のリノベーションにあたり、もう一つの外湯であった「礼湯」が閉館すると、恩湯の源泉湧出量が増加。源泉かけ流しは継続して守られています。
新生「恩湯」で大きく変わったことは、岩盤から源泉が自然湧出している様子が入浴しながら見学できる点。そして浴槽の真下から源泉が湧く足元湧出温泉を実現した点にあります。
浴槽で利用されている源泉は2か所。浴槽のすぐ奥から自然湧出する温泉の引湯、そして男女仕切り壁の真下付近から湧出する温泉。後者は浴槽底の網目の蓋から湧き出しています。これは足元湧出温泉と言われ、温泉大国日本の中でも非常に貴重な事例です。
このように一段とパワーアップした新生「恩湯」。山口、いや日本屈指の名湯の一つと言えるに違いありません。
食事処「恩湯食」がオープン!
写真:権丈 俊宏
また恩湯の真向かいには、「恩湯食」と呼ばれる飲食棟が今回新たに建設されました。こちらも窓が広く取られた木造平屋建て。和の情緒を感じながらも、まるでオープンカフェのような解放感も兼ね備えています。
写真:権丈 俊宏
ここでは、地元の食材をふんだんに使った創作料理がメイン。長門名産の長州鶏や生搾り豆腐を中心に、季節の野菜を使用したヘルシーな料理を楽しめます。なお、ベジタリアン対応も可能です。
写真:権丈 俊宏
営業時間は、ランチタイム(11~14時)・ティータイム(14~17時)・ディナータイム(17~22時、ラストオーダー21時)。今後は、温泉街をそぞろ歩きする際に持ち歩きできるメニューも増やす予定です。
進化する温泉街!そぞろ歩きが楽しい
写真:権丈 俊宏
また長門湯本温泉では、6つの要素である「風呂(外湯)」「食べ歩き」「文化体験」「そぞろ歩き(回遊性)」「絵になる場所」「休む・佇む空間」をテーマに、温泉街のリノベーションが進められています。
温泉街中心部を流れる川(音信川)横の小道は、以前は通常のアスファルト舗装でした。しかし情緒ある街並みを保つために、タイルや土色のカラーアスファルトに再整備されています。
写真:権丈 俊宏
音信川のほとりには、新たに川床テラスが設置。温泉入浴で火照った体を冷やすのにピッタリです。
写真:権丈 俊宏
また旧「礼湯」があった坂道は、立派な石畳が設置され、その両脇には竹が植林されました。坂の最上部からは、長門湯本温泉街が見下ろせます。
恩湯を中心として食べ歩きが楽しめる!
長門湯本温泉のリノベーションでは、食べ歩きにも力を注いでいます。恩湯に面する音信川のほとりでは、焼き鳥が販売。青空のもとで爽やかな風に吹かれながら食べる焼き鳥も、また格別です。
写真:権丈 俊宏
食べ歩きと言えば、スイーツとソフトドリンクは欠かせません。写真はシューケットとベリージュース。シューの甘味とベリーの果実の酸味が絶妙にマッチします!
写真:権丈 俊宏
またドリップコーヒーやチョコレートなども販売されており、多種多様なグルメが楽しめます。※食べ歩きのメニューは、季節などによって変更する場合があります。
このように長門湯本温泉では、恩湯を中心とした新しい温泉街で、そぞろ歩きする楽しみを具現化。離れ客室や家族湯など、プライバシー重視に人気が高まる近年としては、とても貴重な傾向です。日本の新しい温泉文化を発信する長門湯本温泉「恩湯」。今こそ注目すべき温泉と言えるでしょう!
長門湯本温泉「恩湯」の基本情報
住所:山口県長門市深川湯本2265番地電話番号:0837-25-4100
アクセス:
【車】中国自動車道 美祢ICから約30分
【電車】JR美祢線 長門湯本駅から徒歩約8分
営業時間:10時~22時
定休日:毎月第三火曜日(祝日の場合は変更あり)入浴料金:
大人 平日700円、土日祝日800円 、特定日900円子ども 400円(4~12才) ※3才以下無料
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。