エルサレムを奪還すると期待されたプレスター・ジョンは南無阿弥陀仏を唱えていた! | 日本の歴史と日本人のルーツ

日本の歴史と日本人のルーツ

日本の歴史と日本人のルーツを解明します。

基本的に山口県下関市を視座にして、正しい歴史を探求します。

ご質問などはコメント欄にお書きください。

学術研究の立場にあります。具体的なご質問、ご指摘をお願いいたします。

中世ヨーロッパに、東方のキリスト教徒の王、プレスター・ジョンが中東のイスラム教徒からエルサレムを奪還してくれると言う伝説が生まれた。

このプレスター・ジョンとは西遼の王の耶律大石のことだろうとされているが、彼は仏教徒であり、キリスト教徒では無かった。しかし、兵士達が当時、東アジアにも進出していたネストリウス派キリスト教徒(景教徒)では?との説もある。

耶律大石は唐で発達した仏教を信仰していたが、平安時代末期の日本で流行した末法思想と浄土信仰の教えを同様に受け入れていたとすると、阿弥陀如来を唯一の仏とする浄土教であったことになる。

南無阿弥陀仏を唱えて阿弥陀如来を唯一の仏と信仰する浄土教はまるでキリスト教のようでもある。ガンダーラで大乗仏教が生まれたが、さらに西方のキリスト教がヒントになって阿弥陀如来が生まれたとする学説がある。


雑談1

引接寺(いんじょうじ)と言う浄土宗のお寺は隠れキリシタンの教会を兼ねているとの噂が今でもある(参考)。


雑談2

浄土真宗のお寺では、お坊さんは人生の苦楽など日常生活を例えとして、阿弥陀如来の有り難さを教えている。キリスト教の聖書もキリストを中心とした日常生活の中での有り難い奇跡を描いており、よく似ていると言えなくもない。


雑談3

ネストリウス派キリスト教(景教)は聖母マリアを神とは見做さずキリストの母親と定義し、ローマカトリック教会からは異端とされている。

これに対し、浄土教の唯一の仏、阿弥陀如来は神としての聖母マリアがヒントになっており、ローマ教皇から見れば丸でキリスト教に思えたのかも知れない。


雑談4

現在、日本文化とユダヤ 文化に共通する所があるとの指摘があり日ユ同祖論と呼ばれている。

西遼の前の契丹人が縄文人の同族の殷人の末裔で、平安時代の日本に唐から渡来した人々と全く良く似た文化を持っていたはずである。

ローマ教皇から見れば、ユダヤ人とよく似た文化の人々が東からエルサレムを奪還しにやって来ると見えても不思議では無い。


参考

① 唐が滅亡した後の時代、殷人の最後の末裔が建国した契丹の国、遼があった。その遼が西に移動して西遼となる(参考)。

西遼の皇帝の耶律大石が西方に進出し、イスラム諸民族の軍を散々に打ち破った情報が西欧まで流れた。

時の西欧人は大石を「プレスター・ジョン」と思い込んだ模様であった。プレスター・ジョンとは伝説である。曰く、遥か東方にもキリスト教の国があって、ジョンとは、その国の王であり司祭である。ジョンの軍は勇猛精悍で、やがては我々西欧のキリスト教国を悩ましている中東のイスラム系諸国を散々に打ち破ってくれるだろう・・・という願望が伝説化したものである。


② 西遼とプレスタージョン伝説(wikiより)


西遼の支配層である契丹人の時代に仏教徒に改宗しており、12世紀初頭に耶律大石に率いられて中央アジアに移住した一団も仏教信仰を保持していたが、ヨーロッパに誤ってキリスト教徒と伝えられたと考えられている。しかし、耶律大石自身は仏教を信仰していたが、彼の軍内にはネストリウス派の信者が含まれていた可能性も指摘されている。


③ プレスタージョンでんせつ【プレスター・ジョン伝説】(コトバンクより)

プレスター・ジョンPrester John(ラテン語ではプレスビュテル・ヨハネスPresbyter Johannes)というキリスト教徒が,東方に王国を建てたという中世ヨーロッパに流布した伝説。12世紀にフライジングオットーが著した年代記の1145年の条に,シリアのひとりの主教の報告に基づいて,ネストリウス派キリスト教徒でペルシャ,アルメニア以東に大領土をもつこの王が,聖地エルサレム奪回のため西進し,エクバタナ(ハマダーン)を占領したが,目標を達することなく帰還したとあるのが,この伝説の初見である。


④ 隋・唐の時代に仏教が東アジア全域に広がった

東大仏教青年会(参考)

六世紀末、隋が中国を統一した。そして短命に終わった隋に次いで七~一〇世紀に東アジア全体に勢力を拡大したのが唐であった。この時代は様々な宗派が相次いで誕生し、それらの論争も華々しく繰り広げられ、中国仏教史の絶頂の時代であった。

隋を継いだ唐の仏教は、東アジア全域に伝播し、渤海・朝鮮・日本・ベトナムを包括する東アジア仏教圏を形成した。

曇鸞(四七六?~五四二?年)によって開かれた中国浄土教は道綽(五六二~六四五年)、善導(六一三~六八一年)によって宗派として 確立した。とくに、善導の浄土教は日本の浄土教、なかでも法然(浄土宗)に大きな影響を与えた。

注: 浄土教もしくは浄土宗は阿弥陀如来を唯一の仏と信仰し、南無阿弥陀仏を唱える。


⑤ 大乗仏教の仏、阿弥陀如来は聖母マリアの信仰がヒントになっている