古代中国語の漢字の発音を解明すると、漢字の訓読みも中国から渡って来たことになる | 日本の歴史と日本人のルーツ

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中国に近代言語学が導入され、古代中国語の発音が分かるようになったとか!

これによると、以下の例示にあるように、漢字の訓読み、すなわち大和言葉が古代中国語からの借用語であると言う。もちろん、呉音や漢音の音読みが付属しているにも関わらずである。例えば、生活に密着した漢字の例として、墓(はか)、時(とき)、夜(よる)、腋(わき)をあげている。

そんなバカな!オリジナルの日本語に「はか」、「とき」、「よる」、「わき」などの基本的な言葉が無かったとは考えられない。それに、中国語の読みである音読みと全然違う発音になっている!

やはり、ここで言う古代中国語からの借用語とは、殷王朝が発明した甲骨文字を起源とする漢字の訓読みのことであり、古代中国の殷人は日本列島の縄文人と同族で同じ日本語を喋って、漢字に訓読みを付加していたと考えるべきである。

殷王朝で新しい漢字を作るときに、物の形を基にした象形文字から作ったほか、概念的な事柄については、訓読みの発音がよく似たものの間で同じ声符を共有させて漢字にしたと考えられる。


参考

① 日本語千夜一夜(小林明美より、参考)


漢字は発音が変わっても同じ文字を使うから古代の発音を復元することはむずかしい。しかし、隋唐の時代の発音は『切韻』(601年編纂)と呼ばれる韻書などがあってかなり正確に知ることができる。杜甫や李白の詩の韻を正しく読むことは科挙の試験においても必須科目であったので、隋唐の時代の正音の研究はかなり進んだ。しかし、隋唐の時代以前の発音が解明されるようになったのは、近代言語学が中国に導入されてからのことである。

これによると、

「墓」は「莫」とは声符が同じであり、「墓」の古代中国語では墓[mak]であった。日本語の墓「はか」は古代中国語に対応している。

「時」と「特」とは声符が同じであり、時の古代中国語は 時[dək]であった。時「とき」は弥生時代から古墳時代にかけての中国語からの借用語であり、時「ジ」は隋唐の時代以降の借用語である。

古代中国語では「夜」は夜/jya/ではなくて「液」と同じ で夜[jyak]であった。日本語の夜「よる」、腋「わき」などは古代中国語からの借用語である。


② 漢字の読み(漢字ウィクショナリーより)

②-1 墓
音読み
    呉音: モ(表外)
    漢音: ボ
訓読み
    常用漢字表内: はか

②-2 時
音読み
    呉音: ジ
    漢音: シ
訓読み
    とき

②-3 夜
音読み
    呉音 漢音: ヤ
訓読み
    よ、よる

②-4 腋
音読み
    呉音: ヤク
    漢音: エキ
訓読み
    わき


③ 殷王朝の甲骨文字には音読みと訓読みがあった(参考)


④ 日本語の起源(参考)

春秋戦国時代末期においては、秦、斉、宋など殷の末裔の国々では日本語が喋られていた。