参考
江戸のかんがい技術なお現役=和歌山県〔地域〕
紀の川支流をまたぐ龍之渡井=和歌山県紀の川市、かつらぎ町
和歌山県北部、3市1町にまたがる「小田井用水」は、延長約30キロのかんがい用水路。1707年の着工以降、改修を経ながら、300年にわたって紀の川流域を潤し続けている。
紀州藩の庄屋役だった大畑才蔵が、徳川吉宗の命を受け開削。当時「月夜にやける」(月夜でも乾く)と言われた河岸段丘の乾燥地を、県内有数の米所へと変貌させた。現在はイチジクや柿など果物の栽培も盛んだ。
紀の川傍流上に架かる水道橋「龍之渡井」は、当時18メートルの川幅を、支柱を使うことなくまたぐ木造樋。1919年にレンガ造へと改修後、2006年に登録有形文化財に指定された。
小田井用水は、管轄の小田井土地改良区が10月の世界かんがい施設遺産登録を目指している。