ヨーロッパで作られた世界地図でメルカトル図法で描かれたものと、その地図の東アジア(中国、朝鮮半島と日本列島)の部分を拡大したものを上にして並べた。地中海の中央、北緯34度14分を東に伸ばした緯線は日本列島にぶち当たり、沖ノ島と神津島を通過するが、ここではこれを赤線で図示した。
ここに掲載した地図はほぼ正しく北緯34度14分を考慮して作図されており、朝鮮半島を記載し忘れた一例を除き、この緯線は朝鮮半島の最南端を通過して日本列島に到達していた。
世界地図として海岸線は正しく描かれているとは言い難いが、地中海と同緯度の日本列島付近の東アジアは正しい位置関係にあったと言える。
参考
ところで、参考として中国大陸と朝鮮半島に着目して地図を紹介する。緯度を東西に直線で引くメルカトル図法とそうで無い地図が混在するが、緯線が記入してあるので慎重に見て欲しい。
やはり日本列島の緯度はほぼ地中海の真東にあるが、中国大陸と朝鮮半島は大まかであり、特に朝鮮半島は大幅に南下してズレていたりする。また半島自体が無い場合もある。
さらに、朝鮮で作成した世界地図「混一疆理歴代国都之図」は緯度の概念が無いだけで無く、でたらめに近い代物であった。
② 混一疆理歴代国都之図(参考)
この図、150cm×163cmの絹地に朝鮮や中国を中心に、東は日本列島から西は中東、ヨーロッパ、アフリカまで描かれており、 モンゴル帝国で作られた地図を基に十五世紀に朝鮮(李朝)で製作されたと考えられ、最古級の世界地図らしい。面白いことに、 日本は朝鮮半島の真下に九州を上にして縦向きで描かれている。