1.このシリーズのこれまでの記事
(1) 「非監護親の『寄る辺のない孤立感』と監護親の面会交流義務の『感情労働』性」(渡辺義弘)
(2)面会交流~紛争の泥沼化,高葛藤事案の背景事情~渡辺義弘弁護士論文(2)
(3)面会交流高葛藤事案の「紛争の実質」~渡辺義弘弁護士論文(3)
2.
これまで渡辺義弘弁護士論文のシリーズは,
『子ども中心の面会交流―子どものこころの発達臨床・法律実務・研究領域から原則実施を考える』
の「第9章 心理学的知見の教条化を排した実務運用はどうあるべきか─子ども中心の面会交流の背景を踏まえて─」を紹介してきました。
上記『子ども中心の面会交流』はとても考えさせられる本で,例えば,
第8章 臨床心理士,面会交流援助者からみた面会交流原則実施論
… 山口惠美子(公益社団法人家庭問題情報センター常務理事/臨床心理士)
も,是非,ご一読いただきたい論文です。
FPICの面会交流支援の現場からの論文です。
3.
さて,上記書籍に収められている渡辺義弘弁護士論文にはオリジナル論文があります。
「面会交流原則的実施方針に対する疑問ー心理学的知見の教条化を排した実務運用はどうあるべきか」(青森法政論叢15号(2014年)・34頁)です。
この論文は,青森法政論叢がネットで公開しており,ダウンロード可能です。
「渡辺義弘 面会交流原則的実施方針に対する疑問」で検索すれば出てきます。
『子ども中心の面会交流』に収められた論文は,上記オリジナル論文を簡略化し,表現を改め,『子ども中心の面会交流』に収める上での論考を少し簡略化して表現を微修正したもので,論旨展開はほぼ同じです。
読みやすさからすると,『子ども中心の面会交流』所収論文の方が,断然,読みやすいです。
他方,オリジナル論文の方は読み応えがあります。ただ,かなり専門的な話が多くなっており,難しいと言えば難しいです。
4.
本シリーズでは,これまでどおり,『子ども中心の面会交流』所収論文を見ていきます。ときおり,オリジナル論文も参照するかと思います。
本記事では,すぐには上記書籍を入手できないという人のために,ネットでダウンロードできるオリジナル論文を紹介することとしました。