こんにちは、みなさんお元気ですか?

さて、既に終わってしまったイベントのことで恐縮ですが・・・
5月7日まで開催されていた、板谷波山記念館企画展「ギフトの達人 板谷波山」に行ってきたのでご紹介します↓

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板谷波山記念館は、茨城県筑西市出身の陶芸家・板谷波山先生(陶芸家として初の文化勲章受章者、茨城県名誉県民、筑西市名誉市民)の功績を顕彰する施設。
茨城県指定文化財(史跡)である波山先生の生家東京田端の工房から移築した、展示室などがあります。

今回の企画展は、市民グループ「下館・時の会」(一木努会長)主催のイベント「波山の夕べ」と連携し、波山先生が親しい人や故郷下館(旧真壁郡下館町、下館市)の人などに贈った贈り物(ギフト)にスポットを当てたもの。
こちらが展示室です↓

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それでは、展示品を簡単に紹介しましょう↓

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【上右】板谷嘉七(波山)の名が記された関熊太郎の香典帳。熊太郎は波山の竹馬の友で、関彰商事株式会社創業者である関彰の実兄です。
【上左】板谷家の家紋が入った、石川県工業学校製の「色絵桐紋徳利 一対」
【中】波山所有土地・建物移管書類。現在の板谷波山記念館の土地が財団法人波山先生記念会へ寄付された日として、波山の命日が登記簿謄本に記載されています。
【下右】「マジョリカ写 色絵蕪文皿」(マジョリカ陶器は、明治末期から大正初期に贈答用として妻・玉蘭の印を押して作られました)
【下左】奨学金証書第一号。波山が拠出した500万円をもとに始まった財団法人波山先生記念会の奨学金制度。昭和42年から現在まで130人余りに育英資金が交付されています。

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最中にもなって、今や波山の郷里下館の名物として有名な鳩杖。下館に住む義兄の80歳のお祝いに作られたのが最初で、町中の80歳となる人全員に、波山自身が80歳となるまで贈り続けられました。その数約260本、市外の知人に贈った分まで含めると310本余りといわれています。
【中右】80歳前で杖が必要になった人に贈られた仙桃杖(金属製)
【中左】80歳前に杖が必要になった人に贈られた延壽杖(金属製)
【下右】鳩杖(白磁製)
【下左】鳩杖(金属性)

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【上右】東京美術学校(現東京芸術大学)時代に描かれ、下館の小学校時代の友人に贈られた絵。
【上左】茶入と茶杓。下館に疎開中、波山は洞下(つくば市)にある古宇田正雄邸の窯を借りて作陶を続けましたが、その間に多くの茶杓が作られました。
【中右】洞下窯の初窯で作られた白磁寿文香炉
【中左】白磁寿文香炉洞下窯製の箱書き
【下右】昭和34年、自身の米寿祝賀会の会場となった下館二高を訪れた際に、同校に寄贈された古今和歌集
【下左】結婚報告に訪れた新婦に贈った四葉のクローバー。波山自身が庭で摘んだものです。

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【上右】引っ越しの手伝いなどをした職人に贈った、下館の土で作った鉄釉杯
【上左】父の往診についていった少年に、その場で作り贈ったコヨリの犬
【中】孫に贈った手描きカルタ。使用済みのハガキが使われています。
【下右】孫の啓造(菊男の長男)にあてたハガキ
【下左】孫に贈った手書き絵本

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【上右】孫のために作ったお食い初めセット(採磁桃文)
【上左】田端の波山邸の隣に住んでいた医師・吉澤亀蔵が住宅を新築する際、親友のステンドグラス作家・小川三知に製作を依頼してプレゼントしたステンドグラス(写真展示)
【中】波山が贈った吉澤邸のステンドグラスの実物(小川三知作)。波山の五男・梅樹も小川三知の工房でステンドグラス製作に携わっていた時期がありました。
【下右】帯(延寿文)。波山は、知人の娘などの婚礼に際し、度々手描きの帯を贈りました。孫の村田あき子さんの帯は、波山90歳の時に贈られています。
【下左】帯(松竹梅文)。疎開中の波山の窯場となった、洞下の古宇田家の奥様に贈られたものです。

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【上】女性に優しかった波山。彩磁クローバー文帯留、彩磁クローバー文かんざし、氷華磁瑞芝帯留など、一工夫凝らした贈り物を女性たちへ贈っていました。
【中右】文化勲章受章時などに記念品として配られた梅香合
【中左】親友である間々田元吉の死に際し、徹夜で描き贈られた観音図100枚のうちの1枚
【下右】夫に先立たれ、残された妻と病気の娘に対し贈られた青磁香炉(実物は所在不明のため類似作品を展示)。あわせて聖観音像掛軸と、波山が東京中を探し求めて手に入れた最新治療法の本が贈られたそうです。
【下左】観音聖像(火除け観音像)。波山は関東大震災の際、支援者たちに火除け観音像を贈りました。

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【上右】日中戦争による郷里の戦没者遺族に贈られた白磁香炉「忠勇義烈」。波山は自ら遺族の家へ焼香に訪れ、直接言葉をかけてこの香炉を贈ったそうです。
【上左】その後も日中戦争は拡大を続けたために香炉の製作が追いつかなくなり、観音像がつくられるようになりました。香炉と観音像が贈られた戸数は、あわせて281戸に及びます。
【下右】百合図。34歳の若さで亡くなった長女・百合子のために描き、親類や知人に配りました。
【下左】記念館前にある波山胸像の原型。胸像は、波山が下館町名誉町民に推挙されたのを記念して彫刻家・吉田三郎に依頼し製作されました。吉田は石川県工業学校時代の波山の弟子で、波山を慕い田端に住んでいました。なお吉田作の波山胸像は、田端文士村記念館にも展示されています。

以上、申し訳ありませんが、全ての展示品は紹介できませんでした。
企画展は終了しましたが、波山記念館では様々な波山先生ゆかりの品を展示していますので、ぜひご来場ください。


というわけで、板谷波山記念館企画展「ギフトの達人 板谷波山」のご紹介でした。


■板谷波山記念館企画展「ギフトの達人 板谷波山」
期日:平成29年3月1日(水)~5月7日(日)
時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週月曜日(3月20日は開館、3月21日は休館)
入館料:200円・団体150円(10名以上)高校生以下無料  
主催:一般財団法人波山先生記念会
協賛:関彰商事株式会社
協力:下館・時の会
問い合わせ :板谷波山記念館  茨城県筑西市甲866-1(田町)TEL0296-25-3830