こんにちは
発達支援専門保育士 清水 之(ゆき)です。
約30年間
障害乳幼児の支援センターや療育施設、
放課後等デイサービス、学童保育などで、
800人以上の0~18歳の子ども達と
そのご家族をサポートしてきました。
子育て・保育・療育・教育現場に、
お役に立てればと思っております。
ウイズコロナから3年が経ちました。
『例年通り・・』とはいかず
『発想の転換』を求められた3年になりました。
「PDCAからOODAへ」 という言葉を耳にするようになりました。 |
※目標達成のために使われるメソッドが PDCAです。 PDCAとは ・Plan(計画) ・Do(実行) ・Check(検証) ・Action(改善) |
長年、療育の現場で |
「PDCA」の考え方を子どもの 「児童支援i計画」に活用していました。 |
そして、最近、知った「OODA」の考え方を無自覚に、 |
『子どもの不適応行動への対応』に活用していることに気づき、 |
まとめてみました。 |
OODA(ウーダ)とは? |
①Observe(観察・みる) ②Orient(状況判断・方向づけ) ➂Decide(意思決定・きめる) ④Act(行動・うごく) |
PDCAとOODAの違いとは? |
簡単にお伝えします。 |
PDCAでは、 計画がスタート プロセスが重要視されます。 |
目標を設定した後、 計画通りにいかない モチベーションの低下に つながることもあります。 |
OODAは、 観察や状況判断が重視。 柔軟な判断や迅速な実行が最優先となります。 柔軟な発想、臨機応変の実効性という点で、 PDCAとはまったく異なるアプローチです。 |
OODAを『発達支援』に取り入れてみると |
①Observe(観察) |
子どもの様子をよく観察します。 思い込みや感情を外し、現象にフォーカスします。 |
②Orient(実態把握と方向性) |
子どもの様子を観察した後、 |
柔軟な視点、客観的に子どもを捉えます。 (子どもの感覚の使い方、体の動き等) |
子どもの発達段階を見極めて、成長する方向性を考えます。 |
③Decide(きめる) |
具体的な方針や対応を決めます。 |
適切な観察、実態把握をベースにした 対応策なので、実効性が増します。 |
④Act(行動) |
いよいよ実際の行動となります。 またAct の結果を受けて、更に、 次なるOODAのステージに移行します。 |
こうして何度もOODAを繰り返すことで、 より高いレベルの目的に達成します。 |
具体例を挙げると |
問題行動として、 友達をつねる子どもA君がいたとします。 |
①Observe(観察) |
・4歳発達障害のA君 自由な空間で、おもちゃ遊びの時間に 特定の友達B君の顔をつねる行動を繰り返す。 |
・日常生活では、極端に手先が不器用で、 靴下や上履きなどを履けずに投げる様子が見られます。 |
・つねる行動をした後、大人の反応を見て、 快表情になります。 |
②Orient(実態把握と方向性) |
・A君は、発語が未熟なために、 B君におもちゃを触られ、 つねるのではないか |
・大人の反応を見て 楽しんでいるのではないか |
・手先が不器用。手の運動の調整ができない |
『洗濯ばさみ』や『ビーズ通し』が苦手 目と手の協応動作が困難で、落ち着きもない 多動なタイプと判断できる |
③Decide(きめる) |
・『つねる』という問題行動が 起こることを防ぐ |
・A君の発達段階を伸ばすことで、 問題行動を無くす |
④Act(行動) |
・自由場面で、A君のそばに職員がいて つねる行動が起こる前に、大人が淡々と止める |
・1対1で手先の課題に取り組む時間を毎日作る |
・出来たことを褒める。 |
対応の一部を簡単に紹介しましたが 毎日、観察しながら対応していく中で 思いつく対策を柔軟に試みると 数ヶ月後に、友達をつねる行動がなくなりました。 |
毎日、クラスの担当職員が「OODA」式で、 振り返りをやりながら、対応を工夫してきました。 |
多動で衝動性が強いということで あきらめてしまったら、 A君は『問題児』のままだったかもしれません。 |
このように、発達につまずきのある子ども達の 長期的な対応には「PDCA」 短期的な対応には「OODA」を 是非、取り入れてみてください。 |
どのように成長させたいかという 【未来の姿】をイメージしながら、 |
目の前の「問題行動」に対しては、 冷静に、かつ、臨機応変に対応していく |
療育や保育に関わる 大人自身の成長メソッドとして 是非、活用してくださいね。 |
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