Eye on Juliet/きみへの距離、1万キロ | 不健康ランドの小乱闘

不健康ランドの小乱闘

かなり無理。でも負けない。

デトロイトで、ゴードン(ジョー・コール)が

ある女性に手痛くふられるところから、

物語は始まる。

 

ゴードンの仕事は、石油資本のセキュリティ。

北アフリカのパイプラインを監視する夜勤。

ふだんは、ほぼ何事も起こらない。

 

だから、道に迷った盲人の老人の

道案内をしたりもする。

 

どうやって案内するかって?

遠隔操作のロボットを使うんである。

まるで攻殻機動隊のタチコマ(のミニチュア)のような

6本脚のロボットで。

(下図参照)

 

 

遠隔操作できるのは、

空軍のドローンだけではないんである。


このタチコマもどき、

タチコマと違ってAIはないけど、

パイプラインの監視と守備が任務だから、

そのカメラも集音機能も優れてるし、

遠隔操作で狙いをつけて発砲さえできる。

 

そしてタチコマ同様、

動き(と音)が可愛い。

 

そこでゴードンは、

運命の彼女を見つけてしまう。

 

その彼女には、秘密の彼氏がいるんだけれど、

旧態依然の文化の中で、

親が勝手に決めた相手(しかも若くない)に嫁げと強要される。

 

つい最近「ダンガル」(インド)でも見たし、

それから一昨年「裸足の季節」(トルコ)でも見たけど、

ああまたここでも。

 

二人は逃げようとするんだが、

船で欧州へ逃げるには

最低でも4000米ドルかかり、

そんな金は二人にはない。

 

――という場面をゴードンは

タチコマもどきを通じてのぞき見しちゃって、

彼女に同情するあまり密かに

9900ドルを送金するんだが、

 

金策に困った彼氏はそんなことを知る由もなく、

石油泥棒の甘言にのってしまい…

 

さあ、どうなる…

 

というハラハラドキドキワクワクの展開なんだけど、

ジュリエットっていうからには、
最後ああなるかと思ったら、
それ以降の推移がちょいと安易で、

ああはならずにこうなって、

ちと食い足りない感。

 

でもまあ総じて

いい映画ではありました。