前半では、
どうして実名で所属も身分も明かして
自分の考えをオープンにできるの?
という問いに対して、多くの人には
実名で所属も身分も明かして
自分の考えをオープンすることは
ハードルが高い
と考えられているのではないか、という前提に立ち、このハードルの高さについての仮説として、
リスクの評価が大きい
と
お得感の評価が小さい
という2つの側面があるのではないかということと、
このうち
リスクの評価
について私なりの考えをお伝えしました。
本日のこの“後編”では、
お得感の評価
について、私なりの考えをお伝えしたいと思います。
前半の最後で、
“リスクを適切に評価し、コントロールできたとして、そういったことをしてまで実名で発信する“果実”は、さほどに大きなものなのか、という疑問が残りますね”
前編でも紹介しましたが、実はこの問いに対する回答に近いことは、かつてブログの記事で書いたことがあります。
万人に共通するものではありませんが、私が感じている実名で発信することの果実、つまりはメリットとして以下の3つを挙げたいと思います。
情報を発信することで情報が集まる
リアルな関係づくりに繋がる
“自分”のブランディングに繋がる
では、一つずつご説明します。
情報を発信することで情報が集まる
私は日頃、公務員のパラレルキャリアであったり、キャリアデザインについて、自らの考えや新しく仕入れた知見などを発信しています。
発信しているのは関心があるから。だから、アンテナも高くなっていて、目の前を流れる情報の濁流の中から、他の情報よりもそういった情報を掬い上げられている気がします。
でも、実は本当に「おお~!」と思う情報、特に1次情報にあたるようなものは、自分で探して見つかるものよりも、ブログを読んでいる方からいただくことが多いのです。
「私、以前職場で経験したことですが……」
「人事課に相談しようか迷ってるのですが……」
「今度うちの職場では新しく……」
まさに、実名で情報を発信しているからこそ、島田がこういうことに関心があることを認知してもらえているということ。
もちろん、匿名でブログを書いていても、その手の情報を提供いただけることはあるかもしれません。
でも、私の場合、そういった情報は実名で使っているFacebookで届いたり、リアルな人間関係で「あ、そういえば島田さん」ってな感じで届いたり、時にはご相談をメールでいただくこともあり、これらは匿名でしか情報発信をしていなかったら届かない情報です。
リアルな関係づくりに繋がる
私の場合、ブログでの情報発信とSNS(Facebook/twitter)での拡散とを組み合わせて使っています。
そうすると、自分が発信している情報に関心を持つ人とSNSを介して繋がることができます。
こうして繋がった人とはネット上だけではなく、リアルな世界で関係をつくることができます。
中には、他の用事に絡めて四国や関西から会いに来てくれる人もいますし、逆に私から会いに行くことも。
九州に“押しかけ”旅行に行ったときの様子はこちら
加えて、次のブランディングの話とも繋がりますが、勉強会や研修の講師として呼んでいただけることもあるので、それはまさに実名で発信していることが、リアルな関係に繋がる代表的な例ですね。
雑誌での記事の執筆依頼やインタビューの依頼なども同様です。
リアルにご依頼いただいている実績はこちら
“自分”のブランディングに繋がる
こうして自分で情報を発信することは、自分が何に関心を持ち、社会のどんなことに問題意識を持っているのかを、対外的に示すことになります。
そのときに、 で書いたこととも関連するのですが、匿名のある地方公務員の考えとして発信していたら、島田正樹がそのように考えている人間だということは認知されません。
「あ~、こういう考えの公務員もいるんだな」
「島田という公務員はこんな風に考えるんだな」
この2つには大きな差があるのではないでしょうか。
少しわき道にそれますが、発信されるメッセージ自体も、匿名であるより実名で立場も明かして発信されるものの方が信頼され、影響力も高いように感じます。それに発信する側としても、内容に対する責任感が高まるので、より精査して書く動機付けになります。
ブランディングなんて地方公務員に要る?
って思われるかもしれませんが、自身のブランディングは
自分が何者かを知り
それが対外的に認知され
そのことによる他者との接触により
自分が何者かをより深く知る
その一連のサイクルだと思っています。
このサイクルは組織の歯車として生きるだけなら必要ありませんが、もし組織の歯車としてではない生き方をするのであれば、とても大切なサイクルだと、私は考えています。
商品のブランディングは
顧客が期待する価値と
商品が発揮する価値とが
一致すること
だと言われます。
これを私のような個人に当てはめれば
他者から期待される価値と
自分が発揮できる価値とが
一致すること
すなわち、他者が“自分”に対して、「あなたはこういう考えを持っていて、こういうことができる人なんでしょ」と期待してもらうことが前提で、その上で、実際に自分自身がそれを発揮できるかどうかが問われるということ。
役所の中で他の人でも替えが利く仕事をしているだけなら、自分に何が出来るかを組織内外に知ってもらう意味は薄いですが、今後、もし誰でも替えが利く仕事は役所の中で担う必要が無くなったり、AIやRPAに替えられる日が来るとしたらどうでしょうか。
そんな日が来るかどうかは分かりませんが、たとえそのような日が来なくても、組織内外で「こういうことは、島田に相談してみよう」と思ってもらえることは、組織に頼らずに社会に価値をもたらせるという意味で、自分の人生においても大きな価値になると、私は考えています。
さて、ここまで
どうして実名で所属も身分も明かして
自分の考えをオープンにできるの?
という問いに対して、多くの人には
実名で所属も身分も明かして
自分の考えをオープンすることは
ハードルが高い
と考えられているのではないか、という前提に立ち、このハードルの高さについての仮説として、
リスクの評価が大きい
と
お得感の評価が小さい
という2つの側面があるのではないかということと、それらに対する私なりの考えをお伝えしてきました。
このうち
リスクの評価
については、私の結論は
私の考えていることなんて、
ほとんど誰も気にしてない
です。
そして、
お得感の評価
についての私の結論は、
私の考えが認知されることが、
現実の世界までも変える
です。
こんな風に書くと、「やっぱり特別なことなんじゃないの~?」と思われるかもしれませんが、全然特別なことではありません。
恐らく、“実名”で“立場も明かして”書くということよりも、細々とでも書き続けるという行為の方が特別なこと。
じゃあ、どうすれば書き続けられるのか、“実名”で“立場も明かして”書くときに何に気を付けるとリスクを低減し、受け取る価値を大きくできるのか、ということも気になりますよね。
それらについては、また別途、記事を書かせていただこうと思います。
どうして実名で書けるの?(イベント出演時にいただいた問いへの答え・前編)
どうして実名で書けるの?(イベント出演時にいただいた問いへの答え・後編)
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