みなさん、こんにちは。 しまばら薬局スタッフの森崎です
今回のブログは番外編です
宮崎県で発行されている新聞、『日本講演新聞』から、私が感動した話、面白かった話、ためになった話をひとつ選んでご紹介したいと思います。
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相手本位の生き方~その店長は他店に電話して探してくれた~
㈱S・Yワークス代表取締役 佐藤芳直
これからは「知性の時代」だと私は思っています。「知性」とは頭がいいという意味ではありません。常に相手本位で振る舞うことができるという意味です。
これは、あるケーキ屋さんでのエピソードです。
その男性は、閉店時間が夕方6時30分なのに6時45分に来店されてこう言いました。「バースデーケーキはないですか?」と。
30代の女性店長は「すみません。もう閉店でバースデーケーキは売り切れてしまいました」と答えました。
男性は「そうですか。今日は娘の誕生日で、俺がケーキを買って帰る役目だったんだけど、仕事が遅くなって、急いで来たんだけどね」と残念そうに言われました。
それを聞いて店長は本店に電話をしました。でも本店にもありませんでした。工場にも電話しましたが、すでに終わっていました。
「すみません。どうしてもバースデーケーキはありません」と言ったら、男性は「そうですか」と言って店を出ていこうとされました。
その時、店長は「ちょっとそこに座って待っててください」と言ったか思うと、電話帳を持ってきて近所のケーキ屋さんに電話をし始めました。
何軒目かでバースデーケーキが残っている店を見つけました。
その男性に「このお店ならうちに勝るとも劣らない味です。どうですか?」と聞きました。
男性は喜びました。すると店長はネームプレートに書く娘さんの名前をそのお店に伝えました。
電話を切ると、男性が「ありがとうございました」と言って出ていこうとしたので、そこを店長は呼び止めました。
「あと7、8分お待ちいただけませんか。そのお店、私の帰り道の途中にあるので、私の車でお店までお送りします」と言って、その男性をお店まで連れていったのです。
これは、その男性が奥さんに話して、奥さんから教えてもらって分かったことです。
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たとえば、バースデーケーキがない。本店に電話した。工場にも電話した。それでもない。だから「申し訳ございません。もう売り切れて在庫がありません」と言って、お客様を出口まで見送り、「ありがとうございました」と言ったとしても、その対応は100点満点です。それ以上の行動は普通ありません。
私でも、よそのケーキ屋さんに電話をしてまで探してあげようとは思いません。ましてやそのお客様を帰り道だということで、自分の車に乗せてお連れしようなんて思いません。
だけど、その店長には「理想」がありました。それは「すべてのお客様に喜んでいただきたい」というものです。この理想を持っていたからその店長は「知的な対応」ができたのです。
人間は、理想をいつも頭の中に置いておくと、咄嗟の時に「知的な対応」ができるんです。
「知的な対応」はどこから生まれてくるのかというと、「すべてのお客様に喜んでいただきたいという理想を叶えようとする意欲」からです。もちろん理性も大切です。「理性的な対応」とはマニュアル通りの対応です。
だけど、マニュアルをこなすことは最善ではありません。マニュアルというのは平均的に誰にでもできることが書かれてあるものです。そのマニュアルからは感動は生まれません。
お客様に感動を与える対応というのは、「理想」を持っていないとできないということです。