「葛根(かっこん)」と聞いてイメージするのは、やはり漢方の風邪薬「葛根湯」ではないでしょうか?
「葛根湯」はその名前の通り「葛根」が主薬となり、解熱や鎮痙(痙れんを抑える)として効果を発揮します。
風邪の引きはじめだけでなく、頭痛、肩こり、筋肉痛などにも有効なんですよ(^^)
葛根の基原は「クズの周皮を除いた根」と規定されています。
マメ科クズ属のつる性木本で、根からとれるデンプンをクズデンプンといい、滋養薬や良質の錠剤賦形薬(錠剤・カプセル・顆粒などのカサ増しや形状を保つ目的で製品に添加される)として使用されています。
万葉集では「ま葛延ふ」や「延ふ葛の」と詠われ、激しい恋心をつるが繁茂し伸びる様子に例えているんですね。
家畜飼料や土壌流出防止を目的にアメリカなどに導入されましたが、増えすぎて手がつけられなくなり、現在は外来種として野生化しちょっと迷惑がられているようです…(^^;)
しかし、日本では古くからその薬効が認知されていました。
葛粉をお湯で溶いた葛湯は民間療法として初期の風邪に使われ、また花は二日酔いに効くとされ、クズは昔の人たちにとってとても身近な薬用植物であったことがわかります。
葛根は頭痛、首の後ろから背中部分の痛みを治す作用に優れ、発汗作用、止瀉作用を持つ辛涼解表薬です。
「葛根」を配合した処方は、葛根湯以外にも葛根湯加川芎辛夷、参蘇飲、升麻葛根湯、葛根湯加朮附湯、桂枝加葛根湯など様々あります。
季節の変わり目は体調を崩しやすくなります。
頭痛、鼻炎、感冒、筋の緊張など、症状に合わせて葛根湯配合処方をご活用ください。
※症状は当てはまっていても体質などにより処方は変わってきますので、まずはご相談くださいね(^^)