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わたしには頭がない!
20世紀のイギリスの哲学者ダグラス・ハーディングは、
そう主張しました。
ハーディングは、別に頭のおかしい人ではありません。
断頭台で打ち首になって、頭がなくなったわけでもありません。
いったいどういうことでしょうか?
前回のブログの続きです。
さて、この頭がないという主張は、要するに
わたしに頭があるということを、わたし自身が主観的に確認することはできない
ということです。
ちょっと想像してみてください。
もし、生まれてから一度も、自分以外の人間を見たことがない人がいたとします。
さらにその人は、生まれてから一度も鏡を見たことがなかったとします。
その人は、自分に頭や顔があることをわかっているでしょうか?
少なくともその人は、自分の顔を知らないでしょう。
自分の頭や顔が、外から見てどんなものなのか、自分で確認することはできませんし、知ることもできません。
なので、自分に頭や顔があることを、わかっていないと言えます。
なにか屁理屈を言っているように聞こえるかもしれませんね。
しかし、このことにはとても重要な意味があります。
私達は、
自分には頭があって、その頭にはこんな顔がついている
ということを、当たり前のように知っています。
しかし、知っているだけなのです。
実際に見るという体験は、一度もしていないのです。
自分で直接、自分の頭や顔を見ることはできないからです。
じゃあなぜ知っているのかと言うと、
鏡という光る板を見て、そこに見えるのが自分の頭であり、自分の顔だ
ということを、理屈で理解しているからです。
鏡は左右逆転しているので、実際の顔とは違いますが……。
もしくは、
自分の周りにいる人たちがみんな、頭と顔をもっているので、自分も同じように持っているはずだ
と思っているからです。
つまり、知識として「自分に頭や顔があることを知っている」ということです。
例えるならば、「地球は丸い」と知っているようなものです。
地球が丸いということは誰でも知っていますが、実際に自分の目でそれを確認した人は、ほとんどいません。
宇宙飛行士ぐらいです。
他の人達は、知識として知っているだけです。
自分の頭や顔も同じです。
実際に自分の目で、自分の頭や顔を確認した人は、歴史上一人もいません。
手や足だったら、実際に確認できますね。
自分の目で、直接見ることができますね。
しかし、頭や顔は見ることができないんです。
見ることができないということは、
究極に主観的になって、
一切の記憶や知識を捨てて、
自分の今の実体験以外は、一切信用しないぞ!
と決意すれば、
わたしには頭がない
ということになるんです。
自分に頭や顔があることを、知識としては知っていますよ。
私は、シロナガスクジラを実際に見たことはないですが、写真や映像を見たことがあるので、シロナガスクジラがいることは知っています。
それと同じです。
自分の頭や顔を実際に見たことはないけれど、写真や鏡で見たことがあるから、あることは知っています。
まだ屁理屈に聞こえるかもしれませんね。
それに、
だからなんなんだ?
と思うかもしれません。
実際に自分の頭や顔を見ることができない
そのことにどんな哲学的な意味があるの?
と思うかもしれません。
あるんですよ!
深い哲学的な意味が!
その意味とは、
私達は常に、朝から晩まで、一日も欠かさず
実際に見てもいないのに、
自分は外から見たらこう見えるはずだ、
自分はこんな顔をしているんだ、
というイメージを、頭の中で作り続けている。
そして、そのイメージに合うようにふるまい、
そのイメージを元に行動し、
そのイメージに極めて強力に縛られて、生きている。
ということです。
さらに続きます!
つづき↓