つづきです。
前二つはこちらから。
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えんこうを連れ帰り大きな石臼にくくりつけた。
「市助・いいか絶対に水を与えたらいかんぞ」
「へい」
「わしは、これから家臣と話合いがある、」
「ご苦労様でございます。」
えんこうは水欲しさに・「ぐぐぐぐ~う・ぐぐ~う」と唸っています。
市助は昼間の疲れが出て眠ってしまいました。
しばらく眠って居ましたが・・えんこうが逃げた夢でも見ましたか
飛び起きました、えんこうは縛ったまま・一安心
「ふ~」大きな溜息をつき、手酌でえんこうを横目で見ながら がぶがぶ飲んだ。
えんこうは・・・
水の匂いしたのか高い唸り声を発した「ぐ~え・ぐ~え~」
市助は,よせばいいのに からかいはじめました。
川に引きずりこまれそうになった恨み出たのでしょう
だんだんといじめがひどくなりました。
「ほーら飲みたいか、そらそら」
「このくそたれ奴(め)が 「これでもくらえ~」
手桶の柄が折れるほど頭を叩きつけました。
しかし・手桶の中に水気が残ってました。えんこうの頭の皿に1・2滴入ったのす。
さ~大変・・
えんこうは凄い形相になり、体中に力がみなぎり・・
石臼をのまま立ち上がり市助の襟首を咥えた。
「うわ~殿さま~殿さま~助けて~」
えんこうは石臼に縛られたまま・口には市助を咥え、栄堂川の滝壺にと消えて行きました。
もし、川の近くの方が居られましたら、石臼に縛られた、えんこうが現われるかも知れません。
くれぐれも ご用心・・・
注 私らの子ども時代夏休みの楽しみは、川遊びでした。
水難事故はありました。
親が 「あの淵に行くな、えんこうが引っ張り込むんじゃ」と話していたらしいです。
田舎の川でも深さ1.500㎝ありましたから子供は溺れます。
その為怖い昔話が生まれたのではと思います。
今は・淵も無ければ、魚層も無く寂しいものです。
又困った事に 「鵜」 が来て小魚を食べてしまう、困ったものです。