先ほどの続きです。
(注・実在の方。郡山城主毛利元就の筆頭家老様に特別にお出まし願いました、お墓が同じ集落内に有ります)
数日経ったある日、共を連れた武将が夕暮れの道を急ぐともなし
あちら、こちらの民の住いを眺めながら馬を進めておりました。
この方「志道村の殿・第 2 代志道広良様」・・・村人から殿さま・殿さまと
大変人望のある方です。
「市助」
「へぇ~」
「あの岩が光って見えたが、何じゃ」
市助は薄暗いなか目を凝らして見ていたが
「あ・ぁ・あります、櫛のようです?」
「なんと・・誰かの忘れものかの~とって来てくれぬか」
「へ~すぐに・・」
市助は薄暗い川に入って行きました。
何か青白く光って見えました・・その時です
「ザッザッザバ~ン」・・出たのです・今度は櫛をおとりにして・・
「わ~~っ助けて~・殿さま~」
「市助~頑張れ」・殿は馬から飛び降り・・川の中へ・・
「コヤツ・・巷の噂は真であったか・広良が生け捕りにくれん」
「ググググ・・・」唸り声をあげ飛び掛かって来た。
「こやつめ~」えんこうも強いが、殿さまも強い。
組んずほずれず・・大格闘・・殿さまが強かった。
とうとう えんこうを陸に引き上げた・
「こやつ、散々村人を難受さしたであろう」
えんこうは水分が無くなると、力が無くなるのだと、
殿さまは持っていた汗拭きで、えんこうの頭の皿にある、水滴をきれいに拭き取った。
すると、どうだろう今迄暴れていたのが、ふにゃふにゃになってしまった。
つづきます。