ミカヒシキシマ ハヤヒタケフツ
カタカムナ
オホワクムスビ ヤタシマ
宇宙にこの世界があらわれ、天に対して地ができ、そこから森羅万象のさまざまなものが生み出されたあと、いまの日本列島の原型となるシマができました。天と地から森羅万象が生み出されたように、地上で生命をもった人たちは肉体をまとい、生命活動を営みはじめました。このように、この世界にあるもので形のあるものは、形のないものの分身です。
カタカムナウタヒ第28首では火之炫毘古神(ヒノカガヒコ)という火の神が出てきました。ヒノカガヒコは、母であるイザナミの産道を通る際に火傷を負わせ、これがもとでイザナミは死んでしまいます。第29首では、瀕死のイザナギの尿からワクムスビ(和久産巣日神)という男性神が生まれたことを歌っています。ワクムスビは後に、トヨウケヒメ(豊受比売神)を生み出します。
◎言霊(神名)
・ワクムスビ:和久産巣日神
⇒トヨウケヒメ(豊受比売神)を生み出す
これに似たものとして、古事記にオオゲツヒメの神話があります。スサノオのために食事の準備をするオオゲツヒメをのぞき見ると、彼女は鼻や口、尻から様々な食材を取り出し、調理していた。その様子が汚らしいと激怒したスサノオは、オオゲツヒメを斬り殺した。すると、その頭から蚕が、 目から稲が、耳から粟が、鼻から小豆が、陰部から麦が、尻から大豆が生じた、というものです。
死体や排泄物から食べ物が出てくるという神話は日本だけでなく、東アジアにあるいくつかの地域で伝承されているようです。このような食物を起源とする神話は「ハイヌウェレ神話」と呼ばれています。