オホ コト オシヲ
イハ ツチ ヒコ イハス ヒメ
オホ トヒ ワケ アメノ フキヲ
オホ ヤ ヒコ カサ ケツ ワケノ オシヲ
オホ ワタ ツミ
ハヤ アキツ ヒコ イモ ハヤ アキツ ヒメ
混沌とした世界のなかで、それまで渾然一体であったものが、やがて天と地の二つに分かれました。この天と地の開け始めのことを天地開闢(てんちかいびゃく)といいます。カタカムナウタヒ第1首から第12首までは、宇宙を創造した神から、別天津神(ことあまつかみ)という五柱の神々まで、次々と神が現れるようすが語られていますが、第13首では、別天津神(ことあまつかみ)の次に現れる十二柱・七代の神々について語られています。これらの神々は神世七代(かみのよななよ)ともよばれ、最初の二代は独神(ひとりがみ)という一柱で一代、その後は双神(たぐへるかみ)という二柱で一代と数えて七代とします。
第七代目は伊耶那岐神(イザナギノカミ)と伊耶那美神(イザナミノカミ)で、この二柱は男女の対偶神です。伊耶那岐神と伊耶那美神は、高天原の神々に命じられ、海に漂っていた油のような国土を固めるべく、天浮橋から天沼矛(アメノヌボコ)で海をかき回し、出来上がった淤能碁呂島(オノコロジマ)にて国土を形づくる多数の子を産みました。これを国生み(くにうみ)といいます。大八洲国(オオヤシマ)やその他の小さな島々を産んだ伊邪那岐神と伊邪那美神は、次に神々を産みました。ここで産まれた神々は、住居に関する神々、自然に関する神々の十柱です。これを神生み(かみうみ)といいます。第14首では、伊耶那岐と伊耶那美の神生みによって生まれた十柱の神々について語られています。
◎言霊(神名)神生みの神々
・オホコトオシヲ:大事忍男神
伊耶那岐と伊耶那美が国産みを終えて、神産みの最初に産んだ神。
・イハツチヒコ:石土毘古神
家宅六神:住居を造るための、岩と土の神
・イハスヒメ:石巣比売神
家宅六神:住居を造るための、岩と砂の神
・オホトヒワケ:大戸比別神
家宅六神:居を造るための、門や扉の神
・アメノフキヲ:天之吹男神
家宅六神:住居を造るための、屋根の神
・オホヤヒコ:大屋毘古神
家宅六神:完成した住居の神
・カサケツワケノオシヲ:風木津別之忍男神
家宅六神:風やさまざまな自然災害から住居を守る神
・オホワタツミ:大綿津見神
海の神
・ハヤアキツヒコ:速秋津日子神
水戸(ミナト)となる、港または河口を司る水門の神
・ハヤアキツヒメ:速秋津比売神(イモハヤアキツヒメ:妹速秋津比売神)
水戸(ミナト)となる、港または河口を司る水門の神