スヒ チニ ツヌ クヒ イモ イク クヒ
オホ トノヂ イモ オホ トノベ
オモ ダル イモ アヤ カシ コネ
イサ ナミ イサ ナギ トヨ カブ シヌ
ウキ フヌ マカ ハコ クニ
混沌とした世界のなかで、それまで渾然一体であったものが、やがて天と地の二つに分かれました。この天と地の開け始めのことを天地開闢(てんちかいびゃく)といいます。カタカムナウタヒ第1首から第12首までは、宇宙を創造した神から、別天津神(ことあまつかみ)という五柱の神々まで、次々と神が現れるようすが語られていますが、第13首では、別天津神(ことあまつかみ)の次に現れる十二柱・七代の神々について語られています。これらの神々は神世七代(かみのよななよ)ともよばれ、最初の二代は独神(ひとりがみ)という一柱で一代、その後は双神(たぐへるかみ)という二柱で一代と数えて七代とします。
この世界にはじめて「男女の神」として現れるのは、神世七代のうち、第三代からです。
第三代は、宇比地邇神(ウヒヂニノカミ)と須比智邇神(スヒヂニノカミ)で、この二柱は男女の対偶神です。この神々は、砂と泥土の神で、土地を鎮める役割を果たしました。
次に現れた第四代は、角杙神(ツヌグイノカミ)と活杙神(イクグイノカミ)で、この二柱は男女の対偶神です。この神々は、宇比地邇神(ウヒヂニノカミ)と須比智邇神(スヒヂニノカミ)による大地のお祓いを受けたあと、その大地に杙(クイ)を打ち、目印をつけ、そこに靈力を与えました。
次に現れた第五代は、意富斗能地神(オオトノヂノカミ)と大斗乃弁神(オオトノベノカミ)で、この二柱は男女の対偶神です。この神々は、角杙神(ツヌグイノカミ)と活杙神(イクグイノカミ)が大地につけた目印のところに、内と外を分けるための戸を設置しました。戸(「ト」)とは、カタカムナで「ヒフミヨイムナヤコト」という数字の「十」や「完成」を意味します。
次に現れた第六代は、淤母陀琉神(オモダルノカミ)と阿夜訶志古泥神(アヤカシコネノカミ)で、この二柱は男女の対偶神です。この神々は、整えられた人体をもつ神々です。第五代の意富斗能地神(オオトノヂノカミ)と大斗乃弁神(オオトノベノカミ)によって完成した場所に、完成した人体を持つ神々が現れました。
最後の第七代は伊耶那岐神(イザナギノカミ)と伊耶那美神(イザナミノカミ)で、この二柱は男女の対偶神です。伊耶那岐神(イザナギノカミ)と伊耶那美神(イザナミノカミ)は、高天原の神々に命じられ、海に漂っていた油のような国土を固めるべく、天浮橋から天沼矛(アメノヌボコ)で海をかき回し、出来上がった淤能碁呂島にて国土を形づくる多数の子を産みました。
カタカムナにおけるこれらの神々の物語は、原子が誕生するプロセスを暗に込めたものです。声に出して唱えることで、身体の細胞が活性化します。
◎言霊(神名)神代七代
・スヒチニ:須比智邇神
・ツヌクヒ:角杙神
・イククヒ:活杙神(イモイククヒ:妹活杙神)
・オホトノヂ:意富斗能地神
・オホトノベ:大斗乃弁神(イモオホトノベ:妹大斗乃弁神)
・オモダル:淤母陀琉神
・アヤカシコネ:阿夜訶志古泥神(イモアヤカシコネ:妹阿夜訶志古泥神)
・イザナミ:伊邪那美神
・イザナギ:伊邪那岐神