2021年5月21日(金)、安全保障委員会にて質疑に立ちました。 | 『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ

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S45年生れ。衆議院議員候補(愛知12区岡崎・西尾)。元総務省職員。H16年新潟県中越地震で崖崩れ現場からの2歳男児救出に従事。22年愛知県知事選(次点)。H24年に初当選。H26年、H29年無所属で3選。

2021年5月21日(金)午前、安全保障委員会にて国の安全保障に関する件について質疑しました。

 

 

1.      自衛隊の大規模接種における予約システムについて

2.      イージス代替案について

 

答弁者:岸 信夫 防衛大臣、椎葉 茂樹 大臣官房衛生監、土本 英樹 整備計画局長

 

【議事速報】

重徳委員 

立憲民主党の重徳和彦です。
先ほど、自民党の原田委員から、自衛隊にどこまで本来業務外のことまでやらせるんだというようなテーマで御質問が行われました。似たような観点から、私は自衛隊の大規模接種について質問をしたいと思います。アエラと毎日新聞の記者が予約システムに架空のコードを入力して予約を取って記事を書いたという件があります。防衛省からは抗議文を出されたということでありますが、これがまたマスコミへの圧力なんじゃないかとか、本当にどんどん尽きない話なのであります。こういうのはやはり透明性が必要だと思います。ちょっと、通告していませんが、事実関係ですので。抗議文を、我が党として、どういうものを出したのかということについて提出を求めていると思いますが、これは提出されたんでしょうかね。昨日から求めていますが。○椎葉政府参考人 官房長名で発出しておるところでございます。(重徳委員「いや、提出を」と呼ぶ)提出……(重徳委員「委員会じゃなくて、我が党の。要するに、公表していないのかと」と呼ぶ)公表はしておりません。(重徳委員「公表してくださいということを言っているんですが」と呼ぶ)要検討させていただきます。
重徳委員 

  この抗議文は大臣まで決裁を取ったものだと思います。大臣としても、公表についてはどうお考えですか。公表していただけないでしょうか。
○岸国務大臣 

  これは官房長名で、私も決裁いたしましたけれども、官房長名でそれぞれの会社宛てに抗議文を出させていただきました。これを公表するかどうかについては、今答弁ありましたけれども、今後検討いたしたいと考えます。
重徳委員 

  検討していただきたいと思います。このシステムについては、元々、サイトをパンクさせないため、予約サイトですね、パンクさせないというような考えもあって軽いシステムにしてきたということでありますが、今回の件も踏まえて、実在する市町村コードしか入力できないような改修を行うというふうに聞いております。しかし、接種券番号と生年月日を自治体のシステムとひもづけをしなければ、引き続き架空の番号で予約をできてしまうということでございます。これは、法律上、行政機関の個人情報の保護に関する法律に照らしても、恐らく個人情報の取扱いを含めて、防衛省・自衛隊のシステムにひもづけすることは法律上はできると思うんですけれども、ひもづけしないんですか。
○椎葉政府参考人 

  お答えさせていただきます。
全市町村が管理します接種券番号を含む個人情報をあらかじめ防衛省の方が把握し、入力される予約情報と照合する必要がございますが、こういったシステムを短期間で実現するには、国民の皆様に迅速にワクチン接種を受けていただけるようにする観点から極めて困難でございまして、そして何より、接種対象となる全国民の個人情報を防衛省が把握することは適切ではないと考え、採用しないこととしたところでございます。
重徳委員 

  お聞きのとおり、把握することが適切でない組織が個人情報も含めて取り扱わなきゃいけない、そういう状況に今置かれてしまっているということだと思います。それで、ひもづけがないと、結局、もし間違いがあったときに、入力ミスなのか、あるいは意図的な虚偽の予約なのか、分かりませんね。接種会場の現場で、もちろん判断できません。記事でも指摘されておりますけれども、東京の会場でいえば、四都県以外の方が来たり、あるいは接種券番号が全然違う人が来ても、ここまで来たんだからと言われちゃうと、現場で絶対拒否するということが果たしてできるのかと。あるいは、最悪のケースですけれども、架空の予約で会場がいっぱいになってしまう、予約がいっぱいになってしまうということもあり得なくはないということであります。今、昨今の、国民の皆さんがみんな早期のワクチン接種を求め、一刻も早い予約を求めている、こういう状況の中で、やはり公平性、公正性というのが重視されます。したがって、現場判断が、いや、それは柔軟にやるべきだという考え方も一つですよ、現場は。だけれども、今度はまた、現場の判断が緩いと緩いでまた別の問題、安全性も含めて、別の問題が広がってくると思います。そう考えると、結局、現場では厳しく厳格に対応せざるを得ないと思うんですけれども、その辺のお考えはいかがでしょうか。
○椎葉政府参考人 

  自衛隊大規模接種センターにおきましては、予約専用ウェブサイトによる予約、それからLINEによる予約の二種類により受付を行うこととしておりまして、当日予約は受けないこととしております。また、当日までに予約を行わずに来場した方につきましては、基本的には接種できませんので、必ず事前に予約を行った上で来訪するよう、ホームページなどによりまして周知しているところでございます。その上で、接種センターに来場された際には、議員御指摘のように、接種者の、予約者の予約情報と持参された接種券及び本人確認書類を照合するなど、接種予約者の掌握を厳格に実施することとしているところでございます。新型コロナウイルスワクチンを確実に接種していただくためにも、必ず事前の予約を行っていただくとともに、接種センターでの接種券及び身分の確認については御理解いただきたいと思います。

重徳委員 

  現場において、本当にミスで違う番号を予約してしまった、本当にミスで間違えちゃった、こういう方もいると思いますが、しかし、それはシステム上はじけないんですよね。だから、現場で、あなた、違うんじゃないんですかと言っても、いや、私はこれこれこういう者でという中で判断せざるを得ないと。そのミスが意図的なものなのかどうかということも判断をできませんよね。そういうことも含めて、現場で判断できるんでしょうか。対応できるんでしょうか。
○椎葉政府参考人 

  恐らく、意図的に来た方は市町村から配付されました接種券を持っておられないということで、接種券というのは大事で、それと本人確認の書類を照合するなど、接種予約者の掌握を厳格に実施することとして対応したいと思います。
重徳委員 

現場判断、大変だと思います、これ。私、ちょっと更問いですけれども、自治体であれば、日頃から住民とも接しているし、個人情報も、今回のワクチン接種に関する個人情報、取り扱うべき立場だと思います。だけれども、自衛隊・防衛省といった組織、あるいは現場の医官、看護官の皆さんは、本来の業務なのかと言われると、やはりこれは相当の負荷が、負担がかかってしまうことだと思います。また、限られた人、予算、時間の中で、防衛省や自衛隊が、そもそも、自治体とは別の大規模接種会場をつくってですよ、予約システムまで一からつくって、その上でワクチン接種をすることになっているわけです、今。ちょっと考えたんですが、自治体が人手が足りない、接種する打ち手が足りない、そういう自治体もあるじゃないですか、そういうところに応援に行くとか、そういうことであれば、そんな、システムがどうとかいうトラブルに巻き込まれないと思うんですよね。そういうことの方が、本来、自衛隊、自衛隊病院で働いている皆さんが行く先、あるいは、そういう人材の活用方法としてはよりいいんじゃないかと思うんですが、そういう検討はされたことはあるんですか。
○椎葉政府参考人 

  この大規模センターでございますけれども、四月二十七日に総理の方から御指示が出て、その中で、特に東京都、埼玉、千葉、神奈川県は全国の高齢者の四分の一に当たる九百万人が居住しているということと、それから、大阪府にも人口が集中し感染拡大が顕著であるということで、これらの地域において感染拡大が継続した場合に他の地域への影響が極めて大きいということで、こういう大都市について、きちんと、そういう医官や看護官を、組織的な活動が可能な唯一の国の組織である防衛省・自衛隊が大規模接種センターを東京と大阪に設置し運営してほしいということでやったものでございまして、そういうばらばらにやりますと力が分散して、やはり集中が大事だということでございます。
重徳委員 

  これからいよいよ接種が始まりますので、いよいよ、現場の皆様方の負担感も含めて、本当にふだんの仕事と随分違うことまでやらなきゃいけない状態ですから、ましてや自衛隊の本来の業務というものがありますので、そこは十分に御配慮いただきたいと思うんです。そして、このオペレーションがきちっと最後までやり遂げることができるのかどうか、この辺については大臣が責任を持って行って、おかしいところがあったら適切に正す。そして、更に言えば、これから自治体は自治体で大規模接種会場を別途またつくろうという動きもあります。三十か所ぐらいでつくる意向があるというふうに聞いておりますが、そういうところに対しても、いわば先行事例ですから、そういったところに、今回、自衛隊の事例がどういうところがよかったか、どういうところは改めなきゃいけないのか、そういったことも含めて伝えていくべきだと思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○岸国務大臣 

  今回の大規模接種センター、総理の指示に従いまして、五月二十四日から接種をスタートする、そのための予約を十七日からスタートしたわけでございますが、安心して接種をしていただけるような、そういう体制の構築に向けて、自治体と緊密に連携しながら、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。全体の枠組みについては今衛生監からも答弁があったとおりでございますけれども、まず、ワクチン接種の主体はやはり市区町村でありまして、我々の役割というのは、一日でも早く多くの方に接種を受けていただく、その後押しをするというのが我々の役割だというふうに思っております。システムが自治体とつながっていないということ、これは当初から協議をしたんですけれども、さっきの理由でもって、なかなかつなげられない。その上で、じゃ、どうやっていくかということで、一番心配されたのは二重予約です。そうしたことについては、二重予約はしないでくれということを周知徹底するように、対策本部、本部長、副大臣の方からも機会のたびに申させていただいたところなんですけれども。いずれにいたしましても、接種券とそれから本人の確認、これが非常に重要であります。これがないとなかなか、ファイザーに、モデルナというものが増えていく、更にほかのも増えていくような状況の中で、確実な医療行為を実施するということにおいては、そういったことが必要になるんだというふうに思います。こうした形で、自衛隊挙げてしっかり取り組んでまいりたい、こういうふうに思っているわけですけれども、まず、運営に当たっては安全をしっかり確保していかなければいけないと思いますし、それから、ただいま委員からもお話があられましたけれども、ここで保有する能力やこれまで得られた知見、経験というものを十分生かしていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。これからまた調整を加速してまいらねばならないというふうに思います。最後のとりでとしての自衛隊という位置づけでこの大規模接種センターを設置をいたしました。個々の国民の皆さんに可及的速やかにこのワクチンをお届けできるようにしっかり進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
重徳委員 

  ちょっと時間の都合もありますので、次の質問に参ります。私、今、通常国会で安全保障委員会をもっと何度でも開催していただきたいというふうに、常々、委員長や与党筆頭にもお願いをさせていただいております。しかし、そうはいっても、今国会もあと一か月を切りました。そして、夏には予算概算要求というタイミングになります。非常に大きな、防衛装備品、買物の検討が今進んでいます。それは、イージス・アショア、陸上イージスの代替策でございます。そういう意味で、概算要求の前の大事なときに、今日はその代替策について、検討状況はどうなっているかという質問をさせていただく予定で通告もさせていただいておりましたところ、たまたま、今日の朝、朝日新聞に、「代替イージス 二隻九千億円」という大きな見出しの一面記事、「防衛省試算 総経費 陸上の二倍」という大きな記事が載っておりました。私は、昨日事務方の皆さんと打合せをさせていただいたときに、現在、イージスの代替策についての検討、とりわけ予算規模はどのぐらいまで数字として出されているのかということについて改めて確認をしたんですが、昨年十一月に出された参考の数字、今日、資料の二として配らせていただいておりますが、いろいろなプラン、AからDまでのプランの中の、今、一応、基本的にはプランAの方向で検討が進んでいると聞いております。そこを見ますと、導入コストで二千四百から二千五百億円。二隻ですから四千八百億円から五千億円といったところだと思います。それ以外の、それ以上の数字は、何ら公表というか検討もしておりませんというようなレクをいただきました。ところが、今日の朝日新聞によりますと、昨年の十一月時点で、総コストの試算を、代替案検討状況の整理と題する内部文書でまとめていたと。そして、その金額は、維持整備コストとして、二隻で三千七百九十二億円から三千八百四十二億円プラスアルファという記事になっております。これを足し合わせると、つまり導入コストと足し合わせると、二隻で九千億円近い、こういう報道なんです。まず、この昨年十一月の内部文書、タイトルが代替案検討状況の整理という文書、これが存在するんでしょうか。これ、お答えいただけますか。
○土本政府参考人 

  お答え申し上げます。今委員御指摘の点につきまして、防衛省として、報道内容の逐一についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと考えております。
重徳委員 

  差し控える理由は何でしょうか。この予算審議というものは、国会における最も重要なシビリアンコントロールだと思います。財政民主主義の観点からも、国会は、国民の代表として、予算の審議、納税者の立場からの予算の審議というのは最も重要なところであります。内部文書とありますし、一億円単位の数字まで報道には出ておりますけれども、しかし、一億円単位のところまで数字を出す必要まではないかもしれません、もしかしたら。しかし、その金額たるや、維持整備コストだけで二隻で三千七百九十二億円から三千八百四十二億円。つまり、三千数百億とか四千億近いとか、こういった規模感も示さずに、そして、この報道によりますと昨年十一月時点の数字ですから、その後十二月に政府は、陸上イージスをやめて海に、船に転じるという閣議決定をされているわけです。こういう意味でも、果たしてどういうことを根拠に、つまり、これだけのコストがかかるにもかかわらず、閣議決定をしたのかどうかという判断は政府部内で勝手に行われたんだとすると、国会への報告を余りに怠り過ぎじゃないかと私は思いますが、どういう理由で差し控えるんでしょうか。
○土本政府参考人 

  今委員の御指摘の点でございますが、ちょっとお時間いただいて、考え方を少し説明させていただきたいのでございますが。まず、イージスシステム搭載艦につきましては、これも委員御案内と思いますが、運用構想の詳細、搭載機能、艦の設計等について検討を進めていく中で、その総経費を精緻化していくため、現時点で、例えばイージス・アショアの総経費と比較をすることは困難であるということは、従来から御説明しているとおりでございます。ただ、今後、その総経費の精緻化に当たりましては、厳しい財政事情等も踏まえて、しっかり精査してまいりたいと考えております。その上で、先ほどちょっと委員の方からも御指摘ございました、あと、本日の配付資料にもつけさせていただいております十一月の中間報告の概要でございますが、大きく、導入コストと維持整備コスト、この二つのパーツがあるかと思います。総経費の考え方といたしまして、まず、導入コストにつきましては、昨年十一月の中間報告等を踏まえて示しました洋上プラットホームの各プランの導入コストが参考になりますが、これらは、その時点で、米側、米国政府及びロッキード・マーチン社でございますが、これらや国内事業者から入手可能な情報を基に、仮の要求性能を設定して、検討結果に基づいて試算した数字ということで、例えばプランAであれば二千四百から二千五
百億円以上といった、ある意味、あくまで経費の規模感というものを示させていただいたものでございます。これはあくまで経費の規模感であり、また、それらをそのまま事業化するものではないということは、累次、国会の場でも御説明してきたところでございます。もう一つの、維持整備費でございますが、これにつきましては、海上自衛隊のイージス艦の維持整備の実績とか、米国から提供された情報など、一定の情報は有しておりますが、搭載する装備品の細部仕様とか運用の形態、これらによりまして、様々な要因によって、この維持整備機器等については、経費は変動するという性格のものでございます。そういう性格に鑑みまして、当然のことながら、昨年の十一月の時点では、維持整備費については、具体的な、先ほど言いました導入コストでは規模感というものはお示しさせていただいたところでございますが、維持整備費については数字を表すことは困難だということでございまして、先ほど申しましたように、今後、それらはこれから精緻化していくということでございます。先ほど申しましたように、いろいろ、海自、イージス艦の維持整備の実績とか、米側から提供された情報など、いろいろな一定の情報というものはありまして、我々も内部では検討はさせていただいているところでございますが、防衛省の検討の細部、内部に関わることについて具体的に御答弁することは差し控えたい、そういうことでございます。
重徳委員 

  お答えになっていないと思います。いろいろな変動要因があるのは当然のことでありますが、規模感を示すということすらできないという理由にはならないと思います。そして、ここから先は事務方の御答弁は要りません。岸大臣にお答えいただきたいと思います。この朝日新聞の記事であります。三千数百億円、四千億円近い維持整備コストの規模感について、省内で報告を大臣はちゃんと受けておられましたか。この数字かどうかは別として、維持整備コストについての規模感は、大臣の耳には入っていましたでしょうか。
○岸国務大臣 

  委員のお尋ねの件でございますが、報道を前提とした件にはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、様々なイージス代替艦の課題につきましては、逐次報告を受けているところでございます。
重徳委員 

  昨年、河野前大臣が、ブースターが落下するというリスク、そしてそれを改修するには二千億円程度かかるというふうに、なぜ二千億円という数字が出てくるのかもよく分かりませんが、そういう数字を根拠として陸上イージスを断念するというふうにおっしゃって、断念をするという判断をされました。そのときの一つの根拠として、二千億円という数字がありました。金額で全て決めるものではないと思いますが、このイージス代替策における維持整備コストが二千億円よりも大きいか小さいかとか、大幅に、この報道のように、大きいという規模感なのか、そういったことについて情報を、報告を得た上で、大臣は、昨年の十二月の閣議決定、そしてその後のイージスシステム搭載艦の検討を今進めておられるんでしょうか。
○岸国務大臣 

  イージス・アショアについて、計画を断念したきっかけとなったブースターの落下でございますが、これは、当初想定していたソフトウェアの改修のみではそれができない、そして、ハードウェアを含むシステム全体の大幅な改修が必要で、相当のコストと期間を要することが判明をしたということでございました。そして、それをかけても、よりいいシステムができるというわけではないわけですよね、というのは、能力的に。そういうようなことにお金をかけるということではなくて、イージスの代替案を模索するということになった経緯だと思います。
重徳委員 

  今大臣、余計なことをおっしゃったと思いますよ。陸上のイージスと今進めておられるイージスシステム搭載艦、この機能を比べて、どっちがいいかという判断をしなきゃいけないと思うんです。ブースターを改修することで陸上イージスがよりよくなるなら、それはまあ、それにこしたことはないですけれども。仮に、陸上イージスの元々の機能を維持するためだけだとして、その機能水準は、船のイージスと比べて、例えば、運用する期間、年間、二十四時間三百六十五日運用できるのが陸上イージスであって、船にすると、やはりいろいろなことがあって、試算によっては年間の三分の一ぐらいしか稼働しないという試算もあるわけであります。それから、陸上自衛隊と海上自衛隊、運用する側の問題も、負担、負荷という問題もあります。そういうことを含めて、どちらがいいか、価値のある二千億円なのかどうかということが問題なんだと思います。質問は、ブースターを改修するために、仮に二千億円としましょう、それよりも多いのか少ないのかとか、大幅に多いのかとか、そういった規模感を情報として得た上で、今のイージスシステム搭載艦の検討を進めているのかどうかということです。お答えください。
○岸国務大臣 

  失礼しました。先ほど申しましたのは、お金のかけ方としてそれが正しいのかどうかということだったんですけれども、済みません、そういう意味では適切にお答えしていなかったかもしれません。その後の代替案の検討状況について、これは今委員が御指摘の点等、総合的に勘案して進めてきたものであります。もちろん、様々な状況というのはございます。代替の地理的な場所等も検討もいたしていましたけれども、地上で進めるのは非常に難しいという状況も一方でございました。そうした中で、代替案としての、イージスシステムの搭載艦二隻を保有するということに総合的に判断をしたものでございます。
重徳委員 

  総合的にという言葉しか答弁にないような御答弁ですけれども、やはり、我々国会議員としては、唯一ではありませんが、何よりも重要なことの一つとして、予算の使い方、税金の使い方であります。その規模感も含めて総合的に判断されたんだとすれば、その規模感もお聞きになっていたのでしょうと思いますよ。その規模感を全く示すことなく今検討が進められていることが問題なんだと思うんです。今からでも構いませんが、維持整備コストの規模感というものを直ちにお示しいただけないでしょうか。これは大臣の御判断でお願いします。
○岸国務大臣 

  今後、必要な検討を進めて、適切にお示ししていきたいと考えております。
重徳委員 

  そうはいっても、私、これは報道ですから、これに基づいての答弁というのはないとは思いますけれども、ないというか、適切ではないとおっしゃるのかもしれませんが、少なくとも四千億円近いというこの維持整備コストを前提に考えると、私はそもそも、今、船に載せようとしているプランそのものをこのまま続けることに対して大きな疑問がありますし、この配付している資料は、本当はもうちょっとたくさん添付資料がついているんですが、先日、自民党の、公明党もですかね、与党の部会に提出をされたものでございまして、そこにも去年十一月の数字以外何ら示されていないんですよ。こういう状況の中で、大臣が総合的に判断したからということのみをもって、ひたすら船の上に載せることという方向に突き進むというのは、余りに私はリスクがある、引き返しがつかない、取り返しがつかないことになり得ると思います。その意味で、私は、今度の概算要求も含めて、陸上イージスに立ち返るということもゼロではない、船しかあり得ないということではないんだということを、少しでも含みを持たせるような方向にできないものかということをお尋ねしたいと思います。もう引き返しのつかない段階に来ているとは、私は思いません。税金の使い方として、数千億円、一兆円近い、あるいは超えるかもしれないというお金を、こんな、総合的に判断して、国会議員には全く示されない、すなわち国民には全く知らされないままもうひた走るというこの姿勢は、今ならまだ改めることはできると思いますが、大臣、全部今の段階で引き返せと言っているわけじゃないです、船の検討をチャラにせよと言っているわけじゃないです、しかし、引き返す余地も全くないのかどうかということについてお尋ねしたいと思います。
○若宮委員長 

  申合せの時間が経過いたしていますので、答弁は御簡潔にお願いいたします。(重徳委員「大丈夫です。会派内の融通をしていますから」と呼ぶ)分かりました。
○岸国務大臣 

  イージス・アショアの代替案としての、ブースターを海に落下させるという観点から、レーダーと指揮通信システムを陸上に、迎撃ミサイル垂直発射装置、いわゆるVLSを洋上に配備するという陸上案も検討を行ってまいりました。しかし、この陸上案については、昨年六月の、イージス・アショアの配備に適している代替地を見つけることが困難な見通しであるという旨を発表いたしまして、それ以降、更に省内において調査を継続しましたけれども、適切な代替地がなかった、こういうことであります。また、陸上にレーダーを配置して、洋上にVLSを搭載して配備する案についても検討を進めました。迎撃の成否は、イージスウェポンシステムそれからVLSの間の通信に左右されるという課題があります。また、配備地によって、このVLS側に追加で装置が必要となってまいります。結果、全体の経費が増加する可能性があるということ。加えて、洋上にVLSを配備する場合に、常時持続的な防護体制は定期整備や気象、海象の影響を受けることとなって、海上案と同様の問題を包含するといった論点が存在するということを確認したところでございます。このため、陸上案は困難性が高いというふうに考えられ、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットホームに搭載するという方向で検討を行い、その結果、昨年の十二月に閣議決定において、陸上型のイージスシステムに代えて、イージスシステム搭載艦二隻を配備するということとなったものであります。いずれにしましても、我々として、イージスシステム搭載艦について、可能な限り早く運用開始に至れるように努めてまいりたいと考えております。鋭意検討を進めてまいりたいと考えます。
重徳委員 

  経緯はもう分かっているというか、役人答弁みたいなものですから、必要ありません。鋭意検討を進めるという中に、全くもう陸上イージスはゼロなのかどうかという、そこだけお聞かせいただけないでしょうか。維持整備コストの規模感すら、我々は示されていないんです。大臣が把握されているというのであれば、それも含めた判断だということでいいのかどうか。そして、それならば、その規模感は我々にきちっと示して、我々を説得できるような判断なんだ、陸上イージスはあり得ないということをはっきり言うべきだと思いますし、陸上イージスはあるのかないのか、これだけお答えください。
○岸国務大臣

  陸上イージスについては、今、検討の対象とはしておりません。
重徳委員 

  そこは、昨年六月に判断されたのは河野大臣でありまして、そのときにおける責任者は河野大臣ですが、今、その御判断を、検討の対象外だというふうにおっしゃった岸大臣がその責任を全てしょわれるということでよろしいでしょうか。
○岸国務大臣 

  このイージスシステム搭載艦の計画を進めるに当たり、私がそういった旨を判断したところでございますので、私の責任の下で、今、防衛省全体として進めていることでございます。
重徳委員 

  次の屋良委員の時間に食い込んでしまいましたので、最後に一つだけ確認です。先ほどの答弁で規模感を示すということを言われましたが、いつ頃ということを教えてください。そして、委員会に提出をしていただきたいと思います。
○岸国務大臣 

  今、先ほどもお話ししましたけれども、詳細の検討を進めているところでございます。それが済み次第、できるだけ早いタイミングでお示ししていきたいと考えます。
重徳委員 

  委員長にもそのようにお取り計らい願いたいと思います。
○若宮委員長 後刻、理事会で協議させていただきます。
重徳委員 

  じゃ、以上で質問を終わります。ありがとうございました。