2021年5月21日(金)、内閣委員会にて質疑に立ちました。 | 『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ

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S45年生れ。衆議院議員候補(愛知12区岡崎・西尾)。元総務省職員。H16年新潟県中越地震で崖崩れ現場からの2歳男児救出に従事。22年愛知県知事選(次点)。H24年に初当選。H26年、H29年無所属で3選。

2021年5月21日(金)午前、内閣委員会にて重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律案(内閣提出第62号)について質疑しました。

 

 

重要土地法案等調査法案

 

1.      農地や水源地に関する安全保障上の問題意識

2.      報道等の事実関係

3.      既存法令での対応

4.      地方の取組みとの関係

 

答弁者:小此木 八郎 国務大臣、

      中尾 睦 内閣官房 領土・主権対策企画調整室 土地調査検討室長

      小坂 善太郎 林野庁森林整備部長

      土谷 晃浩 大臣官房審議官

      若林 伸幸 水管理・国土保全局 水資源部長

 

 

【議事速報】

重徳委員 

  立憲民主党の重徳和彦です。大迫力の本多委員の後で、少し切り口の違う質問をさせていただきたいと思います。私、実は、二年前の二月十五日の本会議におきまして、こんな質問をしました。我が国の国境離島や北海道の過疎地、山林、農地、水源地などが外国資本に買収されていることについて、国防上はもちろん、食料や水資源といった日本人の生存にも関わる安全保障上の致命的な問題になりかねないという指摘をさせていただきました。当時の安倍総理が、必要な施策について検討を行っていく考えだという答弁をされまして、それから二年。今回の法案の提出は、安全保障の観点から、外国資本による土地買収の問題意識、これを政府との間で共有できたという点については評価をさせていただきたいと思っておりますが、問題は中身です。もちろん、やはり法律のたてつけ上、外国資本とか外国人と、日本資本、日本人、そういう区別ができないというたてつけになってしまっているものですから、日本人に対してもいろいろな規制や調査がかかるんじゃないかといった疑念が生まれる、こういう問題ももちろん一つあるんだと思いますので、そういうところに広く罰則をかけるのが本当にいいのかどうかといった議論も我が党の中では行われているところです。一方で、私が指摘をしたいのは、当初から指摘をしておりました森林とか農地がこの法案の対象外になっているということであります。小此木大臣には何遍もこれまで委員会でも質問させていただきましたので、基本的にどんな答弁が返ってくるかということは一応理解をした上で、少し深めてみたいというふうに思います。まず、少し、大きな総論として、この法案の基本的な、これは立法事実というか、あるいは法目的というかなんですけれども、確認をしてみたいと思います。安全保障という言葉がありますね。第一条の終わりのところですが、「我が国の領海等の保全及び安全保障に寄与することを目的とする。」こういう法案になっております。この安全保障というのが、多分この法案の中では、防衛施設を守るとか、国境を守る、原発を守る、こういったことが基本的に想定されているんですが、安全保障というのはそれだけじゃないんじゃないかという問題提起でございます。国家というのは領土と国民と主権から成り立つものでありますが、安全保障というのは、俗に言われるのは軍事面の話が多いんですけれども、やはり主権を持つ我々国家国民が我が国領土を維持すること、これはもう基本的な安全保障だと思います。ですから、今、経済安全保障とか食料安全保障とか、いろいろな安全保障の言葉があふれているという状況でございます。今回の法案における安全保障、この言葉の定義を大臣から聞かせていただきたいと思います。
○小此木国務大臣 

  二〇一三年の十二月に閣議決定された国家安全保障戦略というのがございまして、この国家安全保障戦略は、守るべき国益を、「我が国自身の主権・独立を維持し、領域を保全し、我が国国民の生命・身体・財産の安全を確保すること」としております。我が国の防衛関係施設等の周辺や国境離島等で外国資本が土地の買収を行っていることは、安全保障の観点から長年問題視されてきた課題であり、国会や地方議会でも議論されてきたのは、今日の議論の中でもございました。全国各地の地方公共団体からは、安全保障の観点から、土地の管理を行うための法整備を求める意見書が提出されていることも、これまでの議論のとおりであります。こうした状況を踏まえ、政府としては、土地等の利用に関する安全保障上のリスクに対応するため、本法案を取りまとめたところであります。
重徳委員 

  余り、安全保障の定義というお答えじゃなかったようにも聞こえますが、ちょっと次の質問に入りたいと思います。私の問題意識は、やはり、日本の国土の三分の二は森林、山であるということなんです。山が荒れてしまうと、昨今、雨もよく降りますので、大きな災害で、平野に住む都市住民の生活あるいは命に関わることになるということであります。ですから、水源地であります森林、そしてその森林をいかに管理をきちんとするかということによって、豊かな平野、そして豊穣の海というものが維持されるということだと考えています。その意味で、なりわいとしての林業とか中山間地域における農業を守るということは、非常に、国土の安全保障という意味で、広い意味での安全保障につながるんじゃないか、こういう考え方でございます。ちょっとここでお聞きしたいんですが、要するに、最近、山とかあるいは農業地域が、過疎化が進んでもう人が住まなくなってくる、あるいは高齢化で後を継ぐ人たちがいなくなってきている、こういう全国的な問題があるんですが、究極的には、山間地においてもう集落が消滅をしてしまっている。私も、広島県、中国山地の山の中に、その集落がここにあったんだという石碑を見たことがあります。石碑の裏側には、元々誰々さんが住んでいたんだということがその地図と一緒に刻まれている。こういう石碑が中国山地にあるのを一度見たことがあります。過去、何年と取るか分かりませんが、集落で消滅してしまったものが全国にどれほどあるかというのをどのように政府は把握をされていますか。
○中尾政府参考人 

  お答えいたします。所管外ではございましたので、総務省と国土交通省に問合せを行い、過疎地域を始めとした条件不利地域に対する集落の状況に関する調査により、確認できる限りで最も過去の調査起点である昭和三十五年から平成三十一年四月一日現在までの間に消滅した集落数を確認したところ、二千三百五十であると承知いたしております。
重徳委員 

  二千三百五十もの集落が消滅をしているということであります。消滅まで至らなくても、要するに、その地域の森林というのは基本的に二束三文、そして耕作放棄地となっている農地もいわばお荷物というような状況になってしまって、そこを外国人だろうと何だろうと買ってくれるという人が出てきたら、それは、跡取りもいないし、売りましょうかねということになる誘因はあるというふうに思います。ただ、気をつけなきゃいけないのは、一方で、今年に入ってから特に顕著になっておりますが、ウッドショックという状況が始まりました。オイルショックならぬウッドショック。すなわち、木材の需給が逼迫をし、アメリカやヨーロッパでコロナに伴って住宅建設需要が高まって、そこに外国産の木材は流れていってしまって、日本国内における住宅などの木材需要に対して外材が入ってこなくなってきた、そして全体に値段も上がってきた。物が入らないわけですから、今まで、高いからということで、もはやサプライチェーンの中にも入っていなかったような国産材にも注目が集まるようになってきた、こんな状況が始まっています。いつまで続くか分かりませんが、一つの契機として、もしかしたら、日本のもう見捨てられたような山々、しかし、もう数十年前に植林していますから樹木は十分育っております、こういった樹木が、国産材が改めて見直され、価値が上がってくるかもしれない。そういう意味では、山という、山林の土地も見捨てたものではないわけでありまして、逆に、今度は逆の心配も出てくるわけですね。それがもう日本人の、分かっている人の所有物でなくなったときに、その木材という資源も失ってしまうかもしれないということでございます。ウッドショックの現状、そして今後の様々な影響についてどのように見ておられるかについて、御答弁ください。
○小坂政府参考人 

  お答えいたします。議員御指摘のとおり、今、ウッドショックという言葉が業界の中で飛び交っているところでございますけれども、我が国の製材品需要の約五割を占める輸入木材につきまして、米国や中国の木材需要の増大等を背景に、原産国における産地価格の高騰、輸入量の減少などによりまして、今、建築事業者等によって不足感が生じるとともに、入手しづらい状況が生じ、また、価格も上昇しております。こういった中、輸入材の代替として国産材の製品の引き合いも強くなっておりまして、国内の加工工場も既に稼働率を上げて対応しておりますが、生産がすぐには間に合わない、そんな品目もございます。全体として製品価格が上昇するなどの状況となっております。こうした中におきまして、まずはやはり正確な情報を把握し、需給の変動に適切に対応することが重要だと考えておりまして、川上から川下までの関係団体による意見交換を実施し、情報共有を図るとともに、業界全体、業界に対して、需要に基づいた適切な発注等、そういう取組を行う要請を行ったところでありますし、こういった取組を地域ごとにやっていくということが重要だと思っていますので、今後、地域ごとにこういう取組を進めることにしております。さらに、輸入材から国産材転換も含めた需要拡大に向けて、更なる国産材の安定供給体制を構築することも重要と考えておりまして、川上から川下までの信頼関係の下、効率的な国産材のサプライチェーン、こういったものの構築を推進していきたいと考えているところでございます。
重徳委員 

  おっしゃるとおりで、川上から川下であります。川上がなくなったら川下もありません。今のようなウッドショックの状況でございます。そういうことも含めて、利用目的が不明のまま外国資本、外国人への森林の売買というものは、これはやはりしっかりと、広い意味での安全保障上の観点から、利用状況を調査するとか利用の規制を行う、こういうことが必要だと考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○小此木国務大臣 

  重徳委員とは、今年の初めの、多分、予算委員会か何かで同じような議論をさせていただきました。改めて、森林については、現行の森林法において、国土の保全、森林生産力の増進等を目的として、土地取得の際の届出、大規模な開発行為に係る許可制度等の措置が講じられております。これは有識者会議の提言においても、既存の措置があることを踏まえて、森林を対象とすることについては、慎重に検討していくべきと提言がありました。また、防衛関係施設の周辺や国境離島の土地は、まず最優先で制度的枠組みの対象とすべきという提言もございました。このため、本法案に基づく調査等の対象には、重要施設の周辺や国境離島等に所在するもの以外の森林は含めないこととしています。
重徳委員 

  既存法令での対応という話がありました。そこで、既存法令での対応について、ちょっと検証してみたいと思います。ちょっと質問通告は飛ぶかもしれませんが、財務省、外為法に基づく集計というのがあるんですね。農水省からは後で聞きますけれども、財務省の外為法で、二〇一一年時点で三千七百ヘクタールが外国資本に渡されているという数字でしょうか。ちょっと、これ、外為法に基づく調査というのは今どんなふうになっているかということを、そもそも教えていただけますか。そして、中止勧告などもできるというふうに聞いておりますが、そういった事例はあるのでしょうか。
○土谷政府参考人 

  お答え申し上げます。委員御指摘の三千七百ヘクタールという数字は、二〇〇七年度から二〇一〇年度の四年間の数字を足し上げたものでございます。まず、外為法におきましては、非居住者が本邦にある不動産を取得した場合には、居住用である場合等を除きまして報告書の提出が義務づけられております。この報告書に基づきまして、直近の四年間の数字を調べてまいりましたが、二〇一七年度から二〇二〇年度の非居住者による土地取得を集計しますと、その合計は面積ベースで千六百ヘクタールとなっているところでございます。現在の外為法におきましては、経済制裁あるいは国際収支危機等の経済有事に該当する場合を除き、非居住者による土地取得を制限するような規定はございません。
重徳委員 

  つまり、一定の非居住者の把握はしているけれども、特段それ以上のことはできる規定には基本的にはなっていないということでございます。それでは、農水省にお聞きしてみたいと思います。今度は山林そして農地なんですけれども、私が聞いているところでは、直近の数字で、山林は四百六十五件、七千五百六十ヘクタール、これは山手線内の十二倍ぐらいの広さだというふうに理解できます。そして、農地は、ちょっとこれは調査が少ないんですけれども、累計、三件で四十七ヘクタール、こういう数字なんでしょうか。
○小坂政府参考人 

  お答えいたします。農林水産省におきましては、新聞報道等、各方面で外国資本による森林買収について取り上げるなど、外国資本による土地取得への懸念が高まっていることから、森林や農地について、外国資本による買収に関する調査を行っております。まず、森林につきましては、平成二十二年から行っているところでありまして、初回調査の対象とした平成十八年から令和元年まで、この累計で、居住地が海外にある外国法人又は外国人と思われる者による森林買収の事例として、二百六十四件、二千三百五ヘクタール、国内の外資系企業と思われる者による森林買収の事例として、二百一件、五千二百五十五ヘクタール、合わせて、議員御指摘の四百六十五件、七千五百六十ヘクタールの森林買収、これは平成十八年から令和元年までの累計の数字として把握し、公表しているところでございます。一方、森林法におきましては、森林の保全を図るため、保安林や林地開発許可、そういう制度がございます。これらの外国資本による森林買収については、無許可の開発とか、こういう法律に違反するような問題があるとか、そういうことは現時点で起きていないというような報告を受けているところでございます。また、外国法人から出資を受けた法人の農地の取得状況についての調査は、平成二十九年から行っているところでございます。調査を開始した平成二十九年一月から令和元年十二月までの三年間の累計では、外国法人から出資を受けた農地所有適格法人は二社であり、この二社の農地取得面積は合計で四十六・七ヘクタールとなっているところでございます。
重徳委員 

  今の調査は任意の調査なんですよね。法律に基づくものではありません。ですから、そういう意味でも、任意調査ですから、どこまで正確に把握できているかという法的担保というものは必ずしもないわけでございます。それから、事前に資料もちょっといただいたんですけれども、居住地が海外にある外国法人又は外国人と思われる者による森林買収の事例という一覧を見ますと、その利用目的のほとんどは、資産保有というふうに書いてあります。それはそうですよね。資産を保有している事例を調べているわけですから、その目的が資産保有では、これは何も答えていない。そして、あとは不明とか未定が非常に多いです。ですから、何のためにとか何に使うのかということも把握はできていない。もしかしたら任意調査の限界なのかもしれません。こういったことについてどう考えるかが大事なところでありますが、先ほど、ちょっと小此木大臣、これは通告はしていないけれどもお答えいただきたいんですけれども、有識者の報告書でも、まずは防衛施設周辺とか離島からだよ、こういう、まずはということを、大臣からの御答弁、先ほどありましたけれども。ということは、続いての検討として、こうした森林や農地についても、ここは十分にある、あるいは、今回の法案の、まあ全面的な修正というわけにいくかどうか分かりませんが、例えば、検討条項として、速やかにこうしたものも対象に含める検討を行うとか、何かしらそういった余地はあるようにも聞こえますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○小此木国務大臣 

  安全保障の環境がこの数年で随分変わってきたという危機感を持った言い方がございまして、政府もそういう認識でおります。今の重徳委員のお話に直接答えることにならないかもしれませんけれども、この法案をまずはしっかりと、これまで議論があった、地方議会から、あるいは私たちが持っている不安、あるいはそういったものについての調査を進めていくということであって、お訴えの森林法あるいは農地法の議論もいたしましたけれども、これは年初ですね、当初いただきましたけれども、そのとき、私、この法案とは別のことでありますけれども、大きな意味で国としてそれを補っているというようなことを言いましたけれども、そういったことについては、まず進めてみるという現在での答えとなります。
重徳委員 

  大きな意味でというあれもちょっと面白い答弁だなとは思っていましたけれども、気持ちは分かる御答弁でございます。もう少し申し上げますと、やはりこれは、どちらかというと国の問題であるんですけれども、根本的には国の問題でありますが、むしろ、地方自治体とか地方議会における取組とか発信というものが、結構、今回の法案の基になっている、実際そういう説明も受けております。重ねての質問になりますけれども、地方議会からの要望の多くには、水源地とか農地が買収されることに対する不安も指摘をされているわけです。そして、安全保障の観点からとなると、これはもう地方の手に負えないよということで国に求めている、こういう意見書がたくさん出ているわけでありますので。重ねてお聞きしますが、こういった地方からの声についてどう応えていくのか、単に有識者がどうとかいうことではなくて。重ねてお聞きしますが、いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 

  本法案ですが、安全保障等の観点から、防衛関係施設等の重要施設や国境離島等の機能を阻害する土地等の利用を防止するため、国として必要な調査や利用規制等を行うものであります、申すまでもないことでありますけれども。今おっしゃったように、地方あるいは地方議会からの声がございました。この委員会でも申し上げたとおり、議員皆様の地域はそれぞれありますけれども、そういったところでもそのようなことを、不安ですかね、こういったことをお聞きになったというふうに思います。もちろん、有識者会議の提言でも、先ほど申し上げたとおり、森林、農地についての既存の措置があることを踏まえて慎重に検討していくべきだとされたところでありますが、国としても、安全保障の観点から、これは前に進めていかなきゃいけない、不安を解消するために前に進めていかなきゃいけないという思いを込めて立法、提出させていただいたところでございます。
重徳委員 

  ちょっともう一回、一旦ちょっと別の質問を挟んで、もう一回お尋ねします。水源地については、自治体独自の条例も、結構多くの自治体において、上乗せの規制を定める条例が制定されております。これも、建前はどう書かれているか分かりませんが、やはり外資による水源地の買収への懸念を払拭する目的が含まれているのではないかと思いますが、そういった目的、そして条例制定によります効果あるいは実績といったものについて、国としてどう把握されているかをお答えください。農水省かな。
○若林政府参考人 

  お答え申し上げます。地方公共団体におきましては、水源地域の保全を目的として、水源地域の適切な土地利用に支障が生じるような土地取引を抑制する条例が制定されておりまして、十八の道府県におきまして、事前の届出や、無届けの場合の勧告、不適切な土地利用を是正するための助言等の仕組みを設けていると承知をしております。なお、これらの条例につきましては、外国資本による土地取引であることを明記して届出させるものでないと承知しております。その運用状況についてでございますが、例えば北海道におきましては、令和二年度末までに二百六十五件の事前届出が行われておりますが、水源地域の適正な土地利用に支障が生じるとして届出者に対する具体的な助言等に至ったケースはないというふうにお聞きしておりまして、地方公共団体からの助言制度の背景といたしまして、そのような土地取引が、あるいは土地取得が抑制されているのではないかというふうに考えております。国土交通省といたしましては、引き続き、地下水関係条例の制定状況、あるいは土地取得の事前届出に関する運用状況につきまして、地方公共団体の御協力もいただきながら把握するとともに、必要に応じて関係省庁と共有してまいりたいと考えております。
重徳委員 

  今、助言するようなケースに至ったケースはないという話がございました。これは、勝手に抑制されているんじゃないかと。国からすれば、地方が勝手にやってくれているんじゃないか、そういう答弁に聞こえるんですが、これは地方の仕事じゃないと思うんですよ、本質的に。地方が懸念して、条例まで定めているということであります。この段階で、こんな、すかすかとかいろいろ言われていますが、一応法案を提出して、国としても取り組もうという姿勢を示しているのであれば、せめて、こういった声に応えて、検討する条項を追加するといったことを私は是非提案をさせていただきたいと思います。大臣、これは本当に、安全保障の役割を地方に委ねるとか、それから、地方で何かうまくやってくれているんじゃないかなとか、うまくいっている分にはいいんですけれども、本当にそうかだって分かりません。だから、国が踏み込んでいく必要があるんだというふうに思います。一遍にいろいろな、あれもこれもやるのは大変だということかもしれませんが、こういった地方の問題意識は、むしろ都会に住んでいる人には分からないような問題意識や危惧、不安というものがあるんだというふうに理解いたします。とりわけ安全保障ということについては、国はその役割を放棄することなくしっかりと進めていくべきではないかと思うんですが、今、この法案の修正の提案についてはどのように受け止められますか。
○小此木国務大臣 

  言われることの可能性についてですけれども、この附則ですけれども、成立させていただいた後に、施行された後に、五年後に見直しを行うということも書かれております。その前提として、先ほど来申し上げているように、必要な調査をしっかりと行っていくということを申し上げております。
重徳委員 

  まあ、直接なお答えにはなっていないと思いますが。じゃ、最後、あと二分ぐらい時間がありますので、ちょっと、今飛ばした質問を、事務方で結構ですので、お聞きしたいと思います。先ほど、産経新聞が誤報だとかというような話がありましたけれども、実際、じゃ、政府として把握をしている、例えば、農地、水源地にこだわりません、太陽光、風力発電の用地として購入したんだとか、リゾート地だとか雑種地とか、あるいは原野でも構いません、そういったものの買収事例の中で外資の分がどれぐらいあるかということを把握しているか。そして、これは把握するのは難しいのかもしれませんが、しかし、推測も含めて、見立ても含めて、ダミー法人のような、そういったものが果たして存在しているのかどうかといったようなケースについて、どのように把握し、また見立てをしておられるかということについて、お答えください。
○中尾政府参考人 

  お答えいたします。御質問ございました、太陽光、風力発電の用地、リゾート地、雑種地、原野等につきまして、買収事例の統計があるとは承知しておらないところでございます。また、そのような統計もございませんので、御質問ございました、日本法人のダミー等についての計数も承知しておりませんし、推測することも難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。
重徳委員 

  お聞きのように、極めて心もとない状況だということを最後、聞けてかえってよかったというふうに思います。この問題意識については、是非、この会場にいらっしゃる皆様方にも共有していただきたいというふうに思います。引き続き、我が党内での検討、対応を考えていきたいと思います。以上です。ありがとうございました。