2020年11月26日(木)午後、地方創生に関する特別委員会にて質疑しました。 | 『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ
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S45年生れ。衆議院議員候補(愛知12区岡崎・西尾)。元総務省職員。H16年新潟県中越地震で崖崩れ現場からの2歳男児救出に従事。22年愛知県知事選(次点)。H24年に初当選。H26年、H29年無所属で3選。

2020年11月26(木)午後、地方創生に関する特別委員会にて地方創生の総合的対策に関する件(大臣所信)について質疑しました。

 

○地方創生における一次産業の位置づけについて

 

 1.市町村・JA合併の影響

 

 2.災害・農産物輸入・消費者嗜好と、一次産業との関係

 

 

【議事録】

重徳委員 

  立憲民主党の重徳和彦です。

  まず初めに、コロナの関連で質問させていただきます。きのう、専門家が、上から二番目の深刻なステージ3に入っている地域としまして東京二十三区、大阪市、札幌市、さらに我が愛知県でいうと名古屋市に言及をされました。また、GoToキャンペーンの一時停止についても、これらの地域を念頭に、出発分も含めて検討する必要性を指摘されました。全国民が東京などのこうした大都市のニュースを見て戦々恐々とされているわけですけれども、論理的に考えますと、感染の少ない地方の方々が戦々恐々とするのは大都市から感染者が流入する可能性を懸念されているからであります。ですから、本来、感染者がゼロとか非常に少ない市町村があると思いますが、域内移動というのはさほどリスクが高くないと見てもいいんじゃないかと考えます。こうした近場の観光、旅行、飲食というのはマイクロツーリズムといいまして、星野リゾートの星野佳路さんが提唱されていることで有名になりましたけれども、遠方からのお客さんが来るよりも、域内であればリピート客も多くなるでしょうし、それから地元の魅力の再発見にもつながる、地域内での資金循環にもつながる、まさにコロナ禍を逆手にとった地方創生の決め手になるんじゃないか、こういう見方もこの際してみてはどうかというふうに思います。地方創生大臣として、坂本大臣、GoTo事業をマイクロツーリズム重視へとシフトさせるべきじゃないか、こういう意見を政府内でどんどん発信していかれたらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。

〔委員長退席、今村委員長代理着席〕

○坂本国務大臣 

  委員言われますように、身近な地域の魅力を再発見していただく機会としての、御指摘のマイクロツーリズムの活用、本当に有意義であるというふうに考えております。現在、各地方公共団体においても、そのような身近な旅行を促進する観点から、地方創生臨時交付金を活用して、県民や近隣都道府県の住民を対象にしました独自の旅行代金の割引の実施などをいただいております。例えば、愛知県におきましても、県民の県内旅行を促進するために、旅行商品の購入者に対しまして代金の二分の一相当を割り引くというような、こういうものも、マイクロツーリズムをアピールするといいますか、促進する対策になるんだろうというふうに思います。また、GoToトラベル事業におきましては、観光需要を効果的に喚起していくために、日帰り旅行も含め幅広く支援の対象とされ、利用実績を見ましても近隣都道府県からの旅行が多くを占めており、各地方公共団体が実施する独自の旅行代金の割引支援措置との併用が可能とされております。これは今データをとっておりますけれども、遠くに行くのではなくて、このコロナ禍の中で、隣の県に行くとか県同士で移動するとか、こういったものがやはりふえているというようなデータは出ております。地方創生を担当する大臣といたしましても、できるだけ多くの方々に旅行していただくことが地域経済を支援する上で重要であるというふうに考えておりますので、引き続き、国土交通大臣等、関係省庁や、各地方公共団体と連携しつつ、各種交付金等も活用いただきながら、感染拡大防止策を徹底しつつ、地域を活性化させるためのマイクロツーリズム、このことについてはしっかりアピールをしてまいりたいというふうに思っております。

〔今村委員長代理退席、委員長着席〕

重徳委員 

  ありがとうございます。GoTo地元みたいな感じで、ぜひよろしくお願いします。きょうは、地方創生という観点から、農業のあり方について議論させていただきたいと思います。農業が衰退すれば、地方から人はいなくなります。農業というものを、食料生産、商品生産というふうに捉えれば、それは輸入すればいいじゃないかというだけの話になるんですが、地方創生という観点からすると、第一次産業全般ですけれども、特に農業、非常に重要なところだと私は思っております。きょうは二つ視点を提起したいと思うんですが、一つは、市町村合併、JA合併の影響についてです。市町村合併については、これは平成十二年、つまり平成の合併が始まる前の時点に当たると思いますが、にさかのぼりますと、国勢調査では、市部と町村部との間で、第一次産業就業者の比率を見ますと、市では二・八%、郡部、町村部では一三・三%、全然違うんです。これが合併して、いわゆる周辺部として一つの市になったときに、その周辺部の郡部が農業を中心に廃れていっちゃうんじゃないか、こういう問題提起です。合併しますと、周辺部は支所が置かれることが多いわけですけれども、そういうところに置かれる職員は、当然、農林水産担当の職員は減ります。これは、数字を見ますと、合併をした市町村は、平成十一年から二十七年の十六年間で見ますと、三八・八%、農林担当職員が減っています。合併しなかったところは、減っていますけれども三〇・五%。つまり、合併したところの方が減っているわけなんですよ。このことは、もう農林水産委員会なんかでも指摘はされているというふうに亀井亜紀子委員から教わりましたけれども。それで、こうした地方の隅々まで、第一次産業を持続させ、コミュニティーと人口を維持するというのが自治体の重要な役割だと思うんですけれども、市町村合併で農林水産部門の職員が大きく減少する中で、自治体がその役割を十分果たせるのか。どのようにお考えでしょうか。

○阿部政府参考人 

  お答えいたします。

  今御指摘ございましたように、平成十一年度から二十七年度までということでの職員数の変化でございます。合併市町村において三八・八%、非合併市町村においては三〇・五%の減少でございます。本年四月に、この平成十一年度から平成二十七年度にかけましての農林水産部門職員の増減数でありますとか増減率が多い合併市町村、非合併市町村を抽出しまして、その増減要因の調査を行ったところでございます。その調査結果によりますと、農林水産部門職員の減少要因のうち、合併市町村、非合併市町村に共通のもので申し上げますと、組織機構の見直しに伴う職員の適正配置による減少、土地改良等の公共事業の減少、民間事業者等への地籍調査や研究試験等の外部委託による減少が挙げられております。他方、合併市町村におきまして、これらに加えまして、旧市町村間で重複していました補助金等の申請、交付事務等の効率化による事務の削減が挙げられておりまして、こうした要因によりまして、非合併市町村に比べて職員数の減少率が大きくなったのではないかと考えております。また、合併市町村におきましては、専門職員である農林水産技師の配置率及び平均配置人数は増加しております。合併しなければ、単独では専門性を有する農林水産技師を確保し、配置することができなかった、そういうことが合併ではできたということもあろうかと思っております。いずれにしましても、合併の有無にかかわらず、市町村におきましては、地域の実情を踏まえつつ、行政需要の変化に対応した人員配置を行っているものと認識しております。

重徳委員 

  総務委員会でもこの点指摘させていただいたんですが、補助金等の申請、交付事務というのはデスクワークと考えればそれは理解されるところですけれども、やはり、中山間地の直接支払い、こういった補助金、助成制度に関しては、やはり職員が現場に出向いて農業者とともに考えていく、こういう側面も非常に重要なところでありますので、こういったところに支障が出かねない、あるいは出ているのではないか、こういうことを指摘をさせていただきたいと思います。もう一つのJA、農協の合併についてなんですが、これも調べますと、一九七〇年、つまり五十年前、単位協同組合は六千百八十五組合あったんですね。これが二十五年後の一九九五年は二千六百三十五と半減以下です。そして今、二〇二〇年は六百二十七ですから、この五十年間で十分の一に減ったと。五県においては一県一農協体制になっているという状況です。職員数については、同じく一九七〇年は二十四万七千人いたのが、その後ちょっとふえまして、九五年には二十九万八千人。ここがピークだったんですね。そこからの二十五年間で、今は十九万六千人ということで、ここ二十五年で十万人職員が減っているという数字でございます。こういったJA合併によって協同組合は本来の役割を果たせているのでしょうか。お答えください。

○大島政府参考人 

  お答えいたします。

  近年、農協の事業環境が厳しさを増す中で、経営の安定化や効率化を図るための経営判断として、一部の農協で合併に踏み切っており、直近五年で見ますと、全国の農協数は九・三%、農協職員数は五・六%減となっているところでございます。合併に伴う事業所等の統廃合により、農協との距離が離れるのではないか、組合員サービスが低下するのではないか等といった組合員の皆さんのさまざまな御不安があることは承知をしております。農林水産省としましては、合併の進展と、それに伴う事業運営体制の見直しに当たっては、合併によるメリットに加え、組合員の不安や懸念を払拭するために講じる施策の方向性等を明らかにしつつ、組合員の理解と納得の上に推進することが必要と考えております。合併に伴い支所やサービス拠点等を統廃合するケースにあっても、組合員との対話を踏まえて、農協の役職員が農協の組合員を訪れてニーズを聞き取るような、出向く営農活動、あるいは、金融店舗を廃止した地域への移動金融店舗の導入など、組合員の利便性を維持向上する取組を行っている事例も多くあると承知をしているところでございます。今後合併を予定する組合にあっても、これらの先行事例等も参考にしていただきつつ、農業者のためのサービス事業体としての本来の役割が十全に発揮できるよう、今後の事業運営体制のあり方について、組合員と十分に対話を重ねていただきながら検討していただきたいと考えているところでございます。

重徳委員 

  御答弁としてはそういうことになるんでしょうけれども、しかし、やはりJA、農協というのは農村に根づいているものでありまして、農村というのはやはり共同体から始まった地域でありますから、経済活動、経済合理性よりも、人と人とのつながり、これを支えるのが協同組合の重要な役割であって、このあたりが、先ほどの市町村も合併し、JAも合併し、そういった機能がかなり衰えているんじゃないかと見るべきであって、これは地方創生という観点からすると極めて深刻な状況に向かっているんじゃないかと思うんですが、坂本大臣、どのようにお考えですか。

○坂本国務大臣 

  委員御指摘のとおり、市町村の行政機能、それからJA機能、これは地方創生にとって本当に大事であるというふうに思います。ただ、合併につきましては、おのおのの状況を踏まえた政策判断や経営判断によって行われるものでありまして、一概に合併そのものがよくないというようなことは言えないんだろうというふうに思います。とりわけ、農業につきましては、家族農業も大切でありますけれども、規模拡大の農業というのも数多くなってまいりました。それから、スマート農業というものも進展させていかなければなりません。そういう意味では、やはり、人材を持つ農協というもの、JAというのも必要でありますし、農協全体のパワーというのもやはりなければいけないというふうに思います。それぞれの地域におきまして、市町村やJAがしっかりと機能することが地方創生としては一番大事であるというふうに認識をしておりますので、意欲的な取組を行う市町村あるいはJA、そういったところをしっかりと今後も支援をしてまいりたいと思っております。

重徳委員 

  大臣、図らずも、一概によくないとは言えないと。ですから、よくない面ももちろんあるということをお認めになっていると思うんですね。それから、規模の拡大とかスマート農業というのは、もちろん、そういう方向性も重要ですが、それで面的に地方を守ることができるかというと、これは難しいと思います。野党の会派で、実は、この九月、安倍農政検証ワーキングチームというものの報告書をまとめましたので、また大臣にお届けしたいと思いますけれども、やはり、農政思想というものを転換しなきゃいけないだろうというふうに思うわけであります。折しも二〇一五年には農協法が改正されて、農協というのは農業所得を増大させることがメーンの機能なんだというような方向性にかじが切られました。これは非常に問題があるというふうに思っておりまして、私どもとしては、農協法を改めて見直すべきじゃないかというふうに考えております。さて、もう一つきょうは観点をお伝えしますと、農業、第一次産業が果たす災害防止とか、まず災害防止ですね、この観点について指摘をさせていただきたいと思いますが、ちょっと細かい字に縮小して恐縮ですが、皆さんにデータをお配りしております。ここに農業あるいは森林の多面的機能について解説されているんですけれども、特に災害抑止の点について、政府の方からちょっと解説していただけますか。

○山口政府参考人 

  お答えいたします。

  我が国の農業、農村、森林は、農産物や林産物の供給だけでなく、洪水防止機能、土壌侵食防止機能など、防災、減災の面においても多面的な機能を有しており、日本国民にとって重要な財産だと考えております。こうした農業及び森林の多面的な機能について、平成十二年に農林水産省から日本学術会議に諮問をし、物理的機能を中心に、一部の機能について貨幣評価を行っていただいております。このうち、防災、減災の機能につきましては、農業においては年間約四兆円、森林においては年間約四十三兆円と評価されているところでございます。

重徳委員 

  簡単に説明いただきましたけれども、今、このアンダーラインがされているところで、農業や林業、合わせて四十数兆円の、貨幣的な、貨幣に換算するとそれだけの役割を果たしている、こういう一応の資料なんです。これはこれで多としたいと思いますが。実はこれは、よく見ますと、代替法といいまして、例えば、ダムをつくるなら幾ら、そういうものに置きかえると幾らと、こういう話なんですが、実は、ダムに幾らかかるけれども、それによって、さらなる、災害防止によって経済を守る、地域を守るということがあるわけですから、実際の森林とか農業の価値というのは、そういった災害抑止の機能を考えると四十兆円どころじゃないと思うんですよね。こういった試算、計算というのは、第一次産業を振興していく、そして、ひいては地方創生していくに当たって極めて重要な、国民に対してもわかりやすい、アピールする数字だと思うんです。そこで、大臣、こういう数字も、しかも大分前の数字ですけれども、調査、分析というものを、単に公共事業に置きかえると幾らというんじゃなくて、農業、林業というものはこれだけの国民の経済を守っているんだ、こういう数字をもっと積極的に調査して公表し、アピールするべきじゃないかと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○坂本国務大臣 

  委員御指摘のような、災害抑止におきます一次産業の評価につきましては、極めて専門的な分析を要するものであり、必要な科学的知見を有する各省において検討することが適切であるというふうに考えておりますけれども、農業、農村、森林の重要性、これはもう数字でもさっき出てまいりましたけれども、大変重要なものであるというふうに私も認識をいたしております。第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略におきましても、農業、農村、森林の多面的機能の維持、発揮を図り、地域資源を生かした個性あふれる地の形成を図ることということを明記しているところであります。このため、今後、いろいろな省庁にまたがる部分がございますので、関係各省庁と連携をいたしまして、総合戦略の実現に取り組んでまいりたいというふうに思っております。

重徳委員 

  若干ぼやかしされましたけれども、最後。こういう、本当に各省庁にまたがるし、それぞれ専門性もあるというのはわかります。調査、分析、本当に必要だと思いますので、ぜひ引き続き御検討いただきたいと思います。農業、第一次産業というのは、ほかの切り口でいうと、累次の自由貿易の進展によりまして、もちろん、製造業がメリットを受けたりしているわけですが、それによって安価な農産物が輸入がふえて、それで一次産業が必ず、間違いなくこれは影響しています。その数字のデータというのは、ちょっと時間がないので質問しませんが、事前に聞いた内容では、どのぐらい影響を受けたかというのはいろいろ試算はあるけれども、しかし、それをカバーするべく頑張ります、こういうことしか農水省は言っていないんですよね。それから、法律上も、法制上も、何かそこに歯どめをかける手だてが現にあるかというと、これもないんです。ですから、国会における、主に農林水産委員会の決議などで、政府は農業を守れということを言っているだけであって、これは法律上の歯どめがありません。スイスなんかでは憲法で食料安全保障が明記されている、こういうこともございます。それから、カロリーベースで見ても、これは消費者の嗜好の変化ということと輸入品でたくさん安いものが入ってくるということと相まってなんですけれども、実は、戦後間もない一九六五年から、昨年、二〇一九年まで、約半世紀ですね、半世紀の間で、一日の間に国民がとるカロリーベースで見ると、米は半世紀前は四四%、米で四四%のカロリーをとっていた。今は二一%、半分以下です。そのかわり、肉は、当時二%だったのが今八%。乳とか乳製品は三%が七%にふえています。それから油脂、油、いろいろな油があるんでしょうけれども、六%が一五%になっている。こうやって今の日本人はカロリーを摂取している。大幅に変わってきています。これが食料自給率とどういう関係にあるかということも、明確な分析はないと聞いております。最後に大臣にお聞きしたいんですけれども、こういった経済成長、豊かな食生活、これはもう非常に、我々実際享受してきていると思いますが、一方で農村が衰退してきたわけです。これが地方創生においての私は最大の課題だというふうに思っています。こういった農業生産とか食料自給率、それから、今私が申し上げましたような自由貿易とか安いものが入ってくるとか、そして国民の食生活の変化、嗜好の変化、こういったものの分析、これもまた調査、分析が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。それからもう一つ、政治家坂本大臣にお聞きしたいのは、こういった国土、食の安全保障というのを私は憲法に明記すべきだと思うんですけれども、国民議論に付して。いかがお考えでしょうか。

○坂本国務大臣 

  大変根本的な、重要な御指摘だと思います。国内農業生産や食料自給へ影響を与える要素の分析につきましては、これは農林水産省、食料問題に関しての専門的な知見を有する農林水産省におきまして検討されていくことが適切であると思います。また、私といたしましては、食料安全保障については本当に重要な考えであるというふうに認識をいたしております。ただ、憲法に規定するかどうか、そのことにつ きましては、今お答えする立場にありませんので、御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

重徳委員 

  国会でよく議論していきたいと私も思っております。どうぞまたよろしくお願いします。ありがとうございました。