2020年11月27日(金)午後、安全保障委員会にて質疑しました。 | 『現場に飛び込み、声なき声を聴く!』 しげとく和彦のブログ

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S45年生れ。衆議院議員候補(愛知12区岡崎・西尾)。元総務省職員。H16年新潟県中越地震で崖崩れ現場からの2歳男児救出に従事。22年愛知県知事選(次点)。H24年に初当選。H26年、H29年無所属で3選。

2020年11月27日(金)午後、安全保障委員会にて国の安全保障に関する件について質疑しました。

 

(1)  イージスアショアについて

 

(2)弾道ミサイルへの迎撃について

 

 

【議事録】

重徳委員 

  冒頭、野党の筆頭理事といたしまして、先ほど本多委員、篠原委員から求めのありました、敵基地攻撃能力に関する、他に手段がない場合の解釈について、これは会期中に文書で提出をいただく方向で委員長にもお取り計らいをいただきたいと思います。

○若宮委員長 

  後刻、理事会で協議させていただきます。

重徳委員 

  よろしくお願いします。

  それでは質問に入りますけれども、前回、私の質疑で、イージス・アショア配備断念について、岸大臣の答弁の中で、河野大臣の当時の判断は、その断念の判断は私は正しいものであったと考えているという御答弁がございました。でも、九月四日に防衛省が公表しましたイージ

ス・アショアに係る経緯に関する資料があるんですけれども、その中で、地元への説明の評価としてこう記してあります。「イージス・アショアがSM―3を発射する事態は、弾道ミサイルが我が国に向けて発射されているような状況であり、このような極限の状況を想定していることに理解を得つつ、当初から住民避難等の国民保護措置を含めて安全対策に万全を期すとの考えに立って、丁寧な説明を実施することも検討されるべきであった。」と。すなわち、我が国に弾道ミサイルが飛来するという極限のリスク状況とブースター落下のリスクとを比較して、やはり何らかの形で住民の理解を得たかった、そういう防衛省としての思いがにじみ出ているというふうに受けとめられます。関連する話として、六月二十六日の記者会見で、河野前大臣の発言なんですが、市ヶ谷の防衛省敷地内のPAC3がミサイル弾頭をターミナル段階で迎撃したら、破片の落下で周辺の家屋に被害が出る可能性がある、そう知りながら配備しているのは、ミサイルの被害と破片の被害を比較して展開しているんだ、こういう説明があったわけであります。これは矛盾する話だと思うんですよね。時の防衛大臣というのはもう退任しちゃって、しちゃっても、防衛省という組織は引き続きこうした矛盾を抱えながら防衛政策を遂行しなきゃいけない、こういう立場でありますから、後々のことまでちゃんと責任を持った判断を行うのが大臣の務めなのであろうというふうに思います。決して政治のおもちゃにしてはならないということで

ございます。改めて、河野大臣の判断をもう一回覆して、イージス・アショアの代替地を調査して、地元説明して、配備する、こういうところにもう少しこだわってみてはどうかと思うんですが、そのあたり、どのようにお考えでしょうか。

○岸国務大臣 

  これは、配備までのプロセスの段階で、地元に対する説明が、防衛省からは、ブースターを演習地内に落とすことが確実にできる、こういう御説明をしてまいりました。秋田においては、洋上に落とすことができる、こういうことだったと思いますが、特に山口県萩の方については、演習場内に落とすということが可能である、こういうことで説明をしてきたわけですけれども、その後、その範囲内に落とすための改修のコスト、それから期間、こういうことを考えますととても合理的なものではない、こういうふうに判断をして、そうしますと、地元に対する説明が根本的に

間違っていた、こういうことに残念ながらなるわけでございます。そういうようなことをしてきたということについて、まず振出しに戻らねばならない、こういうふうに考えたところでプロセスを停止をした、こういうことであると思います。市ケ谷のPAC3配備については、国会でもその破片の議論はたしか行われたことがあったというふうに思います。確かに、ミサイル自体が着弾することと比較すれば、破片になって落ちてくることのリスクと比較すれば、どちらがいいかというのは明らかなんだと思いますが、このSM3の場合は、萩に来るミサイルを必ずしも落とすとい

うようなことではないということだというふうに思います。いずれにいたしましても、地元に対する説明が根本から間違っていたような状況において、プロセスを停止せざるを得なかった、こういう判断だったと思います。

重徳委員 

  今申し上げました矛盾というものをずっと抱えながら防衛省はやっていかなくちゃいけないというのは、私は変わりないというふうに思っております。まず、配備断念をしたときの大臣は河野前大臣でありましたが、その判断を変えないという判断をされるわけですから、今や、もうこれは政治判断で決めていくしかない事柄だと思いますが、今やこれは岸大臣の判断だということを明言していただきたいと思います。

○岸国務大臣 

  確かに、この停止の判断をしたのは河野大臣でございました。その後、この代替案について検討を行い、そして、この代替案というものを最初にお示しした九月の段階では、私が大臣に就任してから間もなかったときだと思いますけれども、そのときまでには私も事務方から説明を受け、そういう判断を下す、こういうことでございました。そういう意味において、この防衛政策、大切な防衛政策でございますけれども、私の責任のもとで行っている、こういう御理解で結構でございます。

重徳委員 

  じゃ、その責任ある御判断をされた上での話を進めていきますが、先ほど本多委員からもちょっと御紹介がありましたけれども、イージス・アショアの代替案に関する中間報告書等の概要という資料が二十五日付で公表された。これは報道の話も含めて申し上げますと、民間委託した調査そのものにおいては、導入、維持整備のコストは示されなかった、導入時期とか所要人員数も示されなかったということでございました。この中間報告書等の概要について、今の点も含めて御説明いただけますか、簡単に。

○土本政府参考人 

  お答え申し上げます。

  イージス・アショアの代替案につきましては、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットホームに搭載する方向で米政府や日米の民間事業者を交え検討を行ってきたところ、今般、十一月十三日でございますが、民間事業者から検討のために必要となる情報につきまして中間報告を受けまして、防衛省におきまして、その報告内容や米側から得た情報を踏まえて、分析、整理作業を実施したところでございます。委員御指摘の、今回の調査研究ということにつきましては、洋上プラットホームを、まず形態の観点、形の観点ということでございますが、すなわち、これは船舶とリグ、この二つのパターンと、あと機能の観点。機能につきましては、すなわち、BMD及び自己防護の最低限の機能、これが一つのパターンでございますが、それと、ある意味その対極的なものとして、BMDに対空、対水上、対潜も加えた最大限の機能としたように、このように便宜的に四種類のプランに場合分けし、前提条件を設定した上で、アショアの構成品の洋上プラットホームへの搭載に係る技術的実現性の有無、そして各プランの分析を実施したところでございます。まず、今回の中間報告等を通じまして申し上げたいことは、いずれのプランにおきましても、イージス・アショアの構成品の洋上プラットホームへの搭載に係る技術的実現性を確認することができたというところはまず冒頭申し上げたいところでございます。その上で、今委員から御指摘のあったコスト、建造工期、所要人員、自己防護のための装備品の搭載、船体構造の防御性能、そして稼働率といった観点から検討したところでございますが、まず導入コストにつきましては、これはイージスシステムとかSPY7レーダー、プラットホーム建造費、VLS取得費及び先ほど申しました洋上仕様への転換費用等も含むものでございますが、これにつきましては、あくまで現時点で入手可能な情報をもとに、具体的な、ある程度の、一定の規模感というもの、経費の規模感をお示しして、把握することができたというところでございます。他方、三十年間の維持整備費等につきましては、搭載する装備品の細部仕様とか運用の形態等、さまざまな要素を検討する必要があるため、今般、具体的にお示しすることは差し控えさせていただいたところでございますが、一定の情報と傾向というのはわかったところでございます。例えば、リグにつきましては、いかりを張るための大型支援船が必要になる等といったような、それのための維持整備費が必要になる、こういうことが新たに判明したところでございます。建造工期につきましては、全体のスケジュールは整理する必要があるものの、プラットホームの建造は五年以内との見積りが得られたところでございます。所要人員でございますが、これにつきましては、さまざまな検討を行った結果、洋上プラットホームの形態、任務、大きさ、兵装等を決定していく中で、省人化の検討や、例えばクルー制の導入の有無とか、その場合の程度とかいった検討等をする必要があるため、現時点では具体的な数字を算

出できないとの結論に至ったところでございます。いずれにいたしましても、今般、技術的実現性が確認されたことや、各プランに関する一定の情報を得られたことを踏まえまして、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットホームに搭載する方向で、引き続き鋭意検討を進める所存でございます。

重徳委員 

  お聞きのとおりでありまして、非常に生煮えな状況、情報だと、報告書だというふうに私は思います。コストについても、規模感と言いますけれども、プランが幾つかありますけれども、中には、二千三百から二千八百億円と、五百億円も違うんですよね。だから、やはりこの規模感というところにも相当な開きがありますし、それから、先ほど本多委員も指摘されていましたけれども、これから三十年間の維持整備費についても、従来の「まや」型のイージス艦では七千億円という情報は一応のオープン情報だけれども、明らかにそれよりも上回る規模のコストがかかるであろうと。人繰りについても検討が進んでいないということで、非常に生煮えな段階だと、現時点、その段階だというふうに思います。先日進水式も行われました新型の護衛艦「くまの」、FFMですね、コンパクトで多機能な護衛艦ですけれども、これも、排水量も小さいですし、省人化、九十人という定員だと。日本は、一方でこうした省人化、小規模で、海上自衛隊の人員の人繰りというものについても配慮した、その上で船の数もふやしていく、こういう方針がある一方で、今回のイージス艦を、場合によっては二隻導入するかもしれない。非常に巨大ですね、一隻三百人必要とされます。この方針というのは非常に矛盾するんじゃないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○岸国務大臣 

  このFFMですけれども、これは従来から護衛艦が担っているような警戒監視等の任務に加えて、機雷の処理なども可能になる、多様な任務への対応能力を向上させた護衛艦でございます。海上自衛隊においては、このFFMを二十二隻含みます護衛艦の五十四隻体制への増勢を今進めているところでございますが、これは我が国を取り巻く安全保障の環境が一層厳しさを増す中で、警戒監視等の各種任務の増加に的確に対応するための必要なものでございます。イージス・アショアの代替案については、今イージス艦というお話ですけれども、まだ移動式の洋上プラットホームの、具体的に何にするかということは決まっていることではございませんけれども、中間報告等を踏まえて、イージス・アショアの構成品の移動式洋上プラットホームに搭載する方向で引き続き鋭意検討を行っているところでございます。その上で申し上げますと、今後、洋上プラットホームの所要人数の検討に当たっては、洋上プラットホームの形態や任務、大きさ、兵装等を決定していく中で、更に省人化の検討、クルー制の導入の有無、程度等も含めて検討していく必要がございます。また、このイージス・アショアの代替案に関しては、現時点でその運用主体、そして人員面についても確定していないところでございます。いずれにいたしましても、自衛官の人材確保については、現在、少子化等による採用対象人口の減少などもある状況、厳しい状況が続いていることも踏まえて、今後、これまで以上に、人材の確

保、流出防止、有効活用に関する総合的な取組を推進していく必要があると考えております。

重徳委員 

  お聞きのとおりで、現時点でははっきり言って何も決まっていないんですね。何も決まっていないから、新型護衛艦導入の計画と矛盾しているかどうかもわからない、こういう状況だと私は思います。それから、今回の中間報告書の中で、これまでのイージス・アショアの構成品、これは洋上でも問題なく作動することが確認できたということなんですけれども、このハードウエア、ソフトウエア、イージスウエポンシステムのハードウエア、ソフトウエア、それからSPY7、レーダーシステムについても、何かこれもありきでここの部分だけ進んでいるように見えるんですけれども、違約金なんかが多額に取られるということは想定されているんでしょうか。過去の例も含めて、何かわかる情報があればお願いします。違約金についてわかる情報があればお願いします。

○武田政府参考人 

  お答えいたします。

  防衛省といたしましては、可能な限り速やかに代替装備の運用を開始する必要性を踏まえると、イージス・アショアの構成品については既に契約を行い、一定程度プロセスが進展しているため、これを代替装備に利活用することを考えております。現時点では、代替案を決定し、具体的内容を固めるに至っていないことから、契約解除を前提とした違約金についてお答えすることは困難でございます。また、一般論といたしまして、防衛装備品等の調達においては、契約上、国の解除権が認められており、国側の都合により契約を解除した場合には損害を賠償する必要があります。違約金という言い方ではなくて、損害の賠償という言い方でございます。これまで国側の都合により契約を解除し、損害を賠償した事例はございません。

重徳委員 

  例がないだけに、どうなるかわからない、これも不確定要素だとは思いますけれども。何しろ自縄自縛で、イージス・アショアをやめて洋上プラットホームに移行する、だけれども、中身が決まっていないけれども、年末までに決定して予算要求、予算編成していくというようなことなんでしょうけれども。とにかく、現時点では検討中、検討中という答えで、とりあえず今国会も終わってしまうと思うんですよ。年末にかけて、例えば事項要求が正式な要求になった段階でちゃんと国会に報告するとか、こういったことについて、大臣、約束をしてください。ちょっとこれだけ確認させてください。

○岸国務大臣

  今、このイージス・アショア、もともと弾道ミサイルからの防衛ということですけれども、現在の周辺の安全保障状況、環境を見ますと、大変厳しさが増しているような状況でございます。その中で、イージス・アショアの代替案と抑止力の強化については、菅総理が所信表明演説でも述べておられる九月十一日の総理談話を踏まえてしっかり議論を進めて、あるべき方策を取りまとめていくということでございます。その上で、イージス・アショアの代替案については、今回の中間報告を踏まえて、イージス・アショアの構成品を移動式の洋上プラットホームに搭載する方向で、あるべき方策を示せるように、拙速にならないように、引き続き、私の責任のもとでしっかり検討を進めてまいりたい、こういう

ふうに考えておるところでございます。(重徳委員「国会に」と呼ぶ)報告ができるようになれば、なった段階で、そういうことも検討してまいりた

いというふうに思います。

重徳委員 

  この点、委員長にも、この場を設けていただけるよう、お取り計らいをお願いします。

○若宮委員長 

  理事会で協議させていただきます。

重徳委員 

  以上です。ありがとうございました。