Q.公正証書はどうやって作るのか?
A.公証人に作成してもらうことになる。
公正証書の効力
前回ご説明したとおり,公正証書は,金銭の支払いなどを内容とし,強制執行認諾文言が付けられている場合には,債務名義となります。
通常の契約書等ですと,契約に基づいて債権回収をしようとしても,別途債務名義を取得してからでないと強制執行はできません。例えば,契約に基づく金銭の支払い等請求の訴訟をして勝訴判決をとってからでないと,強制執行はできないということです。
ところが,公正証書で契約書を作成しておけば,それ自体債務名義となるので,別途訴訟などをすることなく,契約に基づく債権回収について強制執行をすることができるというわけです。
公正証書の作成の手順
公正証書は,公証人が作成します。つまり,公正証書を作成しようという場合には,公証人に依頼して作成してもらうということになります。
公証人とは,事実の証明または法律行為の適法性等を証明または認証する公務員です。裁判官や検察官を退官した法律実務経験30年以上の人などが選任されています。
この公証人が勤務する場所は公証役場です。したがって,公正証書を作成しようとする場合,まずは,公証役場に連絡をします。公証役場は全国各地にあります(公証役場をお探しの場合は,公証役場の所在地一覧をご覧ください。)
そして,どのような公正証書を作成したいのかを伝え,公証人と打ち合わせをすることになります。証書の案ができていれば,それを公証人にチェックしてもらうことになります。
ただし,契約書等を公正証書にしてもらう場合などは,あらかじめ相手方との間ですでに話がついていることが前提となります。公証人は,交渉の仲裁等をしてくれるわけではないからです。
公証人が,作成したい公正証書の内容を聴取しまたは証書の案をチェックして,公正証書の内容を決定します。
そして,その上で,当事者が公証役場に出頭し,公証人が作成した公正証書に署名押印等をするなどの手続を経て,公正証書が完成することになります。
具体的な手続の流れ等については,各公証役場によってまたは公証人によって若干異なってきますので,公正証書を作成しようとする場合には,あらかじめ公証役場に問い合わせておいた方がよいでしょう。
なお,公正証書作成を依頼する場合には,公証人に対して作成手数料を支払わなければなりませんので,その点もあらかじめ確認しておく必要があります(公正証書作成の費用については,作成手数料の一覧をご覧ください。)。