Q.債務名義とは?
A.強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在,範囲,債権者,債務者を表示した公文書のことをいう。確定判決や執行証書などがある。
債務名義
強制的に債権を回収するためには,「債務名義」が必要となります。
債務名義とは,強制執行によって実現されることが予定される請求権(債権 )の存在,範囲,債権者,債務者を表示した公文書のことをいいます。
強制執行は,裁判所の書記官や執行官などの執行機関によって行われますが,どの請求権について執行するのか,どの範囲で執行すればよいのか,債権者は誰なのか,債務者は誰なのかなどが分からなければ,不必要な範囲まで執行してしまい債務者の財産を無用に侵害してしまうおそれがあります。
そのため,強制執行に際しては,どこまで執行すべきかを明示した債務名義が必要となってくるのです。
債務名義の種類
民事執行法22条によれば,債務名義には以下のような文書が挙げられています。
- 確定判決
- 仮執行宣言付きの判決
- 抗告によらなければ不服申立てできない裁判
- 仮執行宣言付きの損害賠償命令
- 仮執行宣言付きの支払督促
- 訴訟費用・和解負担の負担を定める裁判所書記官の処分等
- 金銭給付等の執行証書
- 確定した執行判決のある外国裁判所の判決
- 確定した執行決定のある仲裁判断
- 確定判決と同一の効力を有するもの