デザイナーという仕事をしていると、無償でやってくれと言われることが頻繁にあります。

それがどんなに身近な人でも、私は必ず僅かでもお金をいただき、仕事として行うことにしています。

なぜか?

どんな商品でも企画でも、世の中に出ると様々リスクが生じるます。

どこで何を言われるかわからない世の中、仕事で依頼されたからという言い訳ができることが大切。

そして何より無償で行ったものに対しては責任の取りようが・・・。

それは自分の問題だけど、

そもそもプロに無償で仕事をお願いする人は、技術はお金だと考えてない人が多いようです。

例えば、同じ技術職の美容師さんにただでカットしてくれと言ってるようなものだと理解してほしいです。


技術は長年の勉強と修練の蓄積で身につくものであり、

お金をもらえる域に達するには、いままでに相当な金をつぎ込んでいます。

だから技術者の人件費は高い。


同じ無償でも、ボランティアの場合は少々違います。

社会貢献する意味があるから。

しかしこれも難しいところで、デザイン企画のボランティアを行う場合は寄付に相当する技術をボランティアで行ってるわけですが、私が肉体労働をしてもプロではないわけだから、意味が違ってきます。

そして友人の結婚式など特別な場合も喜んで作業しますが、お祝い金という感じかな。

それ以外の場合の無償というのは技術を冒涜されてると感じます。

「簡単でいいからさ~~」とかそういうことではないのです。

これはデザイナーに限らず、プロに頼む心得ですね。


二年前、大阪市天王寺区役所が無償で広告デザイナーを募集したことがありました。

広報やホームベージで名前を紹介することと交換条件で。

技術の冒涜も甚だしい。

クレームの嵐の末や署名活動により、その計画は、「アマチュアや学生など」に変わったけど、計画は頓挫しました。


日本も「金を払う=商品」だけではいけない感覚を身につけないといけませんね。
スタジオシフト 深澤竜也です。

印傳博物館の春展が開催されてます。

今回は「小桜革・菖蒲革」と春っぽいテーマです。

今回もポスターや目録などでお手伝いさせていただいております。
ぜひぜひお立ち寄りください。





甲州印傳には植物の模様が多く見られ、中でも小桜模様は年代を問わず親しまれています。

桜は現在、日本の国花にも指定されていますが、桜の趣の潔さが武将に好まれ、

鎌倉時代には鎧の一部に模様として用いられました。

菖蒲模様の菖蒲は根に健胃薬としての効能があることや「菖蒲湯」の風習等から邪気を払い疫病を防ぐいわれがあります。

また、菖蒲の音が「勝負」「尚武」に通ずるところから武具の模様に多用されました。
 
小桜革・菖蒲革の多くは藍染や燻技法によって模様を表しています。

防染剤として模様の部分に糊を置き、革に色付けを施した後、糊を削り取る「かき落とし」という作業を行っています。印傳屋での藍染の技法は昭和前期まで行われ、燻技法は現在の職人にも受け継がれています。


今回は戦国の世に想いを馳せ、小桜と菖蒲の革を用いた様々な資料をご覧下さい。


印傳博物館HP
スタジオシフト深澤竜也です。

デザインインテリジェンス8(^○^)

前投稿にて、デザインは何千何万種類あるけど、

大きくは「モノづくりのデザイン」と「モノを紹介するデザイン」に分かれると書きましたが、

本来はそれ以前の話から書いた方が良かったかもしれません。


それは、「アートとデザインの違い」についてです。

図は、私の母校の学部一覧ですが、油絵や日本画、彫刻などの芸術分野とデザインや映像などの商業分野。そして工業分野の建築も入っています。




ひっくるめて美術大学ですが、同じ学校で学ぶ同士、

アートとデザインを区別する必要は無いと思うのですが、社会に出るとその役割は明確に変わってきます。



その違いについて説明する前に基本的な質問です。

「デザインとは何でしょう?」

服をデザインする、広告をデザインする、車や家をデザインする、

イラストを描く、家をデザインする、

政治家では未来の国や県、市をデザインする、なんて良く聞く言葉です。・・・・・・

デザイナーとはなんらかの絵を描く人というイメージがありますが、

絵を描くという概念から飛び出してる内容のものもあります。

京都大学デザイン学でこのようにデザインを定義しています。

「与えられた環境で、ある目的を達成するために、様々な下で、利用可能な要素を組み合わせて、要求を満足する対象物の仕様を生み出すこと。」


デザイナーは、「ある目的」を達成するためのスペシャリストです。

この「ある目的」というのが様々ありまして、それはまた後々にお話いたしますが、

その前にデザイナーについてのそもそも話をしたいと思います。



「絵を描いたり、写真や映像撮ったり、図面ひいたり、文章作ったりしてるけど、あなたの仕事は何?」とよく聞かれます。

そういえばデザイナーとアーティストの違いってなんだろう?

そういえばプランナーとかクリエイターとかの英語職業。

アートディレクターやクリエイティブディレクター???(^▽^;)w

良く聞く肩書きだけど、いったいどんな違いがあるんだろう?


まずプランナーについてですが、その名の通り「企画する者」をさしています。
ファイナンシャルプランナーは将来設計を企画する人でウェディングプランナーは結婚式披露宴を企画する人。
プランナーの頭に職種を入れれば、その専門職のプランナーになります。

クリエイターは、制作を職業とする人を広く全般的に捉えた場合をさします。
作家や音楽家、芸術家、建築家、ゲームクリエイターやデザイナーも含んだ、制作を職業とする人を幅広く捉えた言葉です。

アートディレクターは商業活動または展覧会などで視覚的表現を監督する職務であり、
クリエイティブディレクターはテレビ番組制作で言うところのプロデューサー的な立場に近いものです。


ではデザイナーとは先ほど話した通りに、
「ある目的」を達成するためのスペシャリストですが、その仕事には必ず制限があります。
それは予算であり、大きさであり、場所や状況であったり、素材やメディアの種類であったり、ターゲット(エンドユーザー)のニーズであったり。
それぞれの環境や制約の中で目的を達成していくスペシャリスト=職人です。



ではアーティストとは何でしょうか?
Artの語源はフランス語のアルチザン。
アルチザンは職人とか技工を意味します。
定義としてですが、アーティストは基本的には職人技を身につけてる人と言うことになります。
現在では、技術を持った者がそれ以上の感性を持ち、新しい世界、自らの道を開いて行くという意味をさしています。

すなわち職人技を持っていない者はアーティストの資格を持たないことになります。


デザインとアートの大きな違いは、その目的と収益結果にあります。
アートは大きな部分で自己表現と研鑽、満足と完結により、自己のファンをつくること。
自動であり主観的、表現者です。

デザインの目的は「売上げを上げる」「集客の拡大」「情報の拡散」など商業よりで、収益結果が求められます。
・・・・もちろん底辺には美しさの追究がありますが。
こちらは他動、客観的で伝道者と言えるでしょう。



この内容はあくまでも定義の話なので、
ノンジャンルで仕事を行うことが理想であると私も考えております。

アーティストも制限が無いわけではなく、パトロン(デザイナーで言うところのクライアントやユーザー)の意向も反映しなければならない。


またデザインの中の「モノづくりのデザイン」は、アートに近い性質を持っています。


そして作品と製品の違いはあるけど、商品を作っているのは同じですね。


違いはあるけど、共通部分もある。

デザインとアートの違いは、その目的であり、デザインには収益結果が不可欠だと言えます。

でもそこだけを追いかけているのは、やはり寂しいものを感じるので、芸術性を追究したくなるのですよね。