デザイナーという仕事をしていると、無償でやってくれと言われることが頻繁にあります。

それがどんなに身近な人でも、私は必ず僅かでもお金をいただき、仕事として行うことにしています。

なぜか?

どんな商品でも企画でも、世の中に出ると様々リスクが生じるます。

どこで何を言われるかわからない世の中、仕事で依頼されたからという言い訳ができることが大切。

そして何より無償で行ったものに対しては責任の取りようが・・・。

それは自分の問題だけど、

そもそもプロに無償で仕事をお願いする人は、技術はお金だと考えてない人が多いようです。

例えば、同じ技術職の美容師さんにただでカットしてくれと言ってるようなものだと理解してほしいです。


技術は長年の勉強と修練の蓄積で身につくものであり、

お金をもらえる域に達するには、いままでに相当な金をつぎ込んでいます。

だから技術者の人件費は高い。


同じ無償でも、ボランティアの場合は少々違います。

社会貢献する意味があるから。

しかしこれも難しいところで、デザイン企画のボランティアを行う場合は寄付に相当する技術をボランティアで行ってるわけですが、私が肉体労働をしてもプロではないわけだから、意味が違ってきます。

そして友人の結婚式など特別な場合も喜んで作業しますが、お祝い金という感じかな。

それ以外の場合の無償というのは技術を冒涜されてると感じます。

「簡単でいいからさ~~」とかそういうことではないのです。

これはデザイナーに限らず、プロに頼む心得ですね。


二年前、大阪市天王寺区役所が無償で広告デザイナーを募集したことがありました。

広報やホームベージで名前を紹介することと交換条件で。

技術の冒涜も甚だしい。

クレームの嵐の末や署名活動により、その計画は、「アマチュアや学生など」に変わったけど、計画は頓挫しました。


日本も「金を払う=商品」だけではいけない感覚を身につけないといけませんね。