「松任谷由実」の97年12月発表、29th「スユアの波」を聴きました。

僕が聴いたのは、サブスク配信音源、18年リマスター。

松任谷由実29-1

松任谷由実29-2

松任谷由実の全アルバム・全シングルがサブスクで配信でされているので、順に聴いています。

過去にレンタル等で手に入れた音源も持っているのですが、サブスク配信は全てGOH HOTODAによる最新リマスター。
オリジナル・アルバムだけで39作もあるので、大変な長丁場ですが、頑張って聴いています。

このアルバムは、28th「Cowgirl Dreamin'」から10ヶ月振りに発表された29作目(オリコン2位)。
プロデューサーは、松任谷正隆。
前作が同年2月にずれ込んだため、83年の14th「REINCARNATION」と15th「VOYAGER」以来、久し振りに年2作のオリジナル・アルバムが発表されました。
また、81年12th「昨晩お会いしましょう」から前作まで17年間続いた売上げチャート1位の記録(17枚連続)が途絶え、以降、19年38th「宇宙図書館」までオリジナル・アルバムの1位獲得は実現しない事となります。
ジャケットのイラストは、イラストレーターの下條ユリによるサーフボード。サーフィンがこのアルバム・コンセプトになっています。
アルバム・タイトルの「スユア」は、古代マヤ人の言葉で、時空を超えることの出来る波の事らしいです。

1曲目「セイレーン」は、流れるような曲調とユーミンのコーラスが特徴的な曲。アルバム・コンセプトのサーフィンをテーマにしており、ノースショアという歌詞からハワイのオアフ島北西地区を舞台にしているのが分かります。曲名はギリシャ神話の海の怪物。
2曲目「Sunny day Holiday」は、31thシングル(オリコン10位)。アルバム・ヴァージョン。フジテレビ系ドラマ「成田離婚」主題歌。フィル・スペクター風サウンド。「だって ぼくの人生のサイドシートには きみの笑顔を乗せたいから」という歌詞が好きです。
3曲目「夢の中で~We are not alone, forever」は、2曲目のシングル・カップリング。一部歌詞が変わったアルバム・ヴァージョン。97年映画「時をかける少女」主題歌。同じフレーズを繰り返すピアノ(シンセかな?)が印象的です。
4曲目「きみなき世界」は、レゲエのリズム。ファルセットを多用して歌っています。哀愁を帯びたアコースティック・ギターが良いです。
5曲目「パーティーへ行こう」は、ポップ・ナンバー。97年苗場プリンスホテルCMソング。この曲のコーラスは、安部恭弘、村田和人、伊豆田洋之という、そうそうたるメンバー。
6曲目「人生ほど素敵なショーはない」は、心臓の鼓動のようなイントロで始まるダンス・ナンバー。冒頭の歌詞も、「口から出そうな 心臓の音」です。途中で、歌声が変声します。
7曲目「結婚式をブッ飛ばせ」は、アップテンポのロック・ナンバー。歌詞は、結婚式当日に後ろ向きになってしまい、式を滅茶苦茶にしてしまう花嫁の話。
8曲目「時のカンツォーネ」は、原田知世に提供し、セルフカバーも行った「時をかける少女」(「VOYAGER」収録)の歌詞を一部改変し、さらにまったく異なるメロディを付けた曲。97年映画「時をかける少女」主題歌。手回しオルガンのようなアレンジが曲調に合っていますね。
9曲目「Woman」は、AOR風のロック・ナンバー。
10曲目「Saint of Love」は、イントロや間奏でモンゴルの喉歌(のどうた)のホーミーが流れます。96年に、NHKで「松任谷由実 モンゴルをゆく ~神秘の歌声 ホーミーへの旅~」という番組が放映されたので、その流れで作られた曲だと思います。また、終盤はゴスペル・コーラスが加わります。

Youtubeで「Sunny day Holiday」のMV映像とライヴ映像を見つけたので、ご紹介しましょう。