保険会社の事務の仕事をしていた80年代、
ちょうど、仕事にコンピュータが入り始めた頃だった。
ファックスというのも、出始めた頃だった。
保険の外交のおじいちゃんが、
これファックスで送ってくれと先方から言われたという。
「はい、わかりました」と私が書類をファックスで送ろうとしたら、
「ちょっと、ちょっと、待って、そのまんま送ったら失礼だよ。
封筒かなんかに入れて送ってよ」
そのおじいちゃん、いくら説明しても、ファックスの原理がわからなかった。
電話をかけて、書類が相手に届くということが理解し得なかった。
∞ ∞ ∞
パソコンで原稿を打つようになったのは、もう少し経ってから。
卒業論文の時も、ライターの仕事を始めた時も、
原稿用紙(ケの何番という品番指定あり)に何枚というふうに、
言われるままペンや鉛筆で書きなぐっていた。
その汚い文字を活字にしてくれる仕事の人もいた。
ワープロができて、なんて便利なのでしょう!と思っていたら、
あっというまに、パソコンがひとり一台の時代に〜。
∞ ∞ ∞
携帯電話やテレビ電話が、現実になるなんて信じられなかった。
子供の頃には想像できないほど、世の中が変わっている。
ひーひー言いつつも、よくこの流れについてきたもんだ。
さて、
レコードがCDに、そして今は音声データになっているように、
そして、本は、電子書籍になっていくのだろうか。
本屋さんが好き。
本のにおいが好き。
本を持った時の重さが好き。
ページをめくる感覚が好き。
やっぱり、絶対に紙の本でしょう!
と、頑固に思っていたのだけど、
去年の夏、ふとKindleのリーダーを買ってみた。
意外にも、便利で重宝している。
「今、すぐ読みたい!」(本が届く数日後では間に合わない)という時でも、
電子書籍なら、ポチッと押したら、夜中でも早朝でもすぐダウンロードして読める。
さらに、リーダー(またはスマホでも!)に何冊でも入るので、
ちょっと出かける時でも、重さ関係なく、気まぐれに、
どっさり読みたい本とともに過ごせる。
私は、本を「持っていること」に執着はないので、
どうしてもという本以外は、処分しているので、
そういった意味では、電子書籍は合っているのかもしれない。
唯一の難点は、付箋をペタペタ貼れないこと(付箋機能はあるけれど)。
付箋魔としてはフラストレーションがつのる。
だから、紙の本と電子書籍は、別物と考えれば良いと思った。
自分の中では、なんとなく棲み分けしている。
さて、AmazonのKindle Unlimitedに登録すると、
120万冊以上が読み放題になる。
きれいな雑誌のバックナンバーを眺めて気分転換したり、
お料理レシピを見て夕飯の買い出ししたり、明治の文豪と再会したり。
月980円だったか、高くはないと思う。
それが、いま、6月28日までの登録で、
2ヶ月間99円のキャンペーン中だという。
私の「フォトエッセイ スウェーデン」も
Kindle Unlimited読み放題対象です。