ウクライナでの戦争について客観的な立場から情報を分析されている方々、例えば トランプ政権時代に軍事顧問をされていたダグラス・マクレガー氏、元国連大量破壊兵器査察官だったスコット・リッター氏、アフガニスタンとイラクで司令官をされていた経験のある軍事評論家のダニエル・デイビス氏、スイス情報局の元参謀本部大佐、ジャック・ボー氏など、多くのまともな軍事アナリストの皆さん方は バイデン米大統領、ブリンケン国務長官、NATOのストルテンベルグ事務総長などが言及しているような「ウクライナは”ロシアの弱体化”に貢献している」というのは あからさまな嘘だと言っています。

 

今回、そのようなまともな情報分析を提供してくださっている軍事アナリストの1人であるスコット・リッター氏の発言から、西側リーダーやメディアの言う、ウクライナによる「ロシア弱体化」というのが 如何に大失敗に終わったのかをご紹介したいと思います。

 

スコット・リッター氏が下のリンク先のビデオで語られていることなのですが、ロシア軍が「弱体化」ではなくて、いかに強くなったか、要点部分だけをご紹介します。

 

 

1.兵士数

まず、ロシア軍の兵士数についてですが、戦前は90万人となっていた。

それが 今は210万人にまで膨れ上がっている。(そのうち、60万人のみがウクライナでの”特別軍事作戦”に配備されているので、150万人はまだウクライナには配備されておらず、余裕がある

 

2.戦車製造能力

今現在ロシアは150~200台(おそらく200台近く)の戦車を毎月製造している。これが300台/月へと増強される予定。

それに対して、米国は33台/月の戦車しか作れない。

ドイツが年間150台のみ、フランスとイギリスは年間各50台のみしか作れない。

 

3.砲弾製造能力

米国が作れる砲弾数は年間で300万発のみ。

それに対してロシアは年間2400万発を作っている。

(だから前線でのロシア軍とウクライナ軍の砲弾使用比率は10:1になっている とゼレンスキー宇大統領が認めています。↓)

 

  ↓(日本語に変換したもの)

 

 

 

そして、米軍については ロシア軍と違って、「弱くなっている」傾向が 

マンパワーの点で見られます。

 

スコット・リッター氏の話によれば、米軍(陸軍)は2022年時点で、425,000人の兵士数となっています。現在の強さを維持しようとすれば、6,000人新たにリクルートする必要がありましたが、彼らがリクルートできたのは4,500人のみだそうです。

だから米軍は陸軍を縮小しなければならなくなった とのことです。

 

この話で私が思い出したのが 今年の1月、米軍発表によれば「ヨルダンの米軍基地」に対してドローン攻撃があり、米兵3名が死亡した という事件です。

 

私の下の過去記事でこの話題をご紹介していますが、これはおそらくヨルダンではなくて、米軍が不法に占拠しているシリアでの米軍基地で起こった可能性が高い事件なのですが、この時に死亡した「米軍兵士」3名というのは いずれも「州兵」だったと

報道されています。(死亡した3名がいずれも州兵だったと分かるのは米国国防総省のアナウンスにもあるからです)

 

 

 

 

 

 

この事件から知り得るのは 本来、海外の米軍基地に配属されるのは アメリカ合衆国連邦軍なのですが、本来州政府の下で米国内での治安維持活動を行うのが仕事の州兵の皆さんが マンパワー不足から、海外の基地に配備されている ということです。

 

もちろん、州兵に指揮する権限を持つのは州知事のほかに合衆国大統領もあります。

ですから、「戦争時・国家的緊急事態において、 州兵は大統領の命令により補充戦力として動員され、 連邦政府の指揮下で各種任務にあたる。」という規定はあるのですけど、アメリカは世界に750か所にも基地を持っていて、基地の拡張しすぎが原因で、陸軍は総勢425,000人ほどしかいないのに、基地が多すぎる という明らかなマンパワー不足なのだ ということがうかがえます。

 

そして、戦車をどんなに西側の反ロシア連合で作ってウクライナに供給しても、前線に持ち込んだら簡単に破壊されてしまい、補充のほうが間に合っていない状況ですから、そのような状況で「ウクライナ軍がロシア軍を弱体化している」と言うことが出来るでしょうか?

それは明らかな嘘八百です。

 

下のニュースは「最強の戦車」との呼び声の高かったアメリカのエイブラムス戦車が ウクライナの戦線では 役に立たないことが分かって、最前線ではなく、もう後方でしか使わない と言っているAP通信を引用しているウクライナメディアの記事です。

 

 ↓

AP通信:ウクライナはロシアのドローンの脅威の中、米国のエイブラムス戦車を戦場から引いた。

米国軍の上級役人によれば、ロシアの偵察ドローンと攻撃ドローンは検知のリスクを高め、地上での状況を変えてしまった。

 

もちろん、「ドローンの脅威」というのは 逆パターンのロシア軍の戦車に対してのウクライナ軍使用のドローンの脅威 というのもあります。

 

ロシア軍も少なくとも ウクライナのドローン攻撃には悩まされているのであって、

だから、下のようなユニークな亀のような戦車まで登場しています。

 

 

戦車の周りをすっぽりと鉄製のカバーで覆ったものですが、屋根に乗っている四角い箱のようなものはGPS信号をジャミングする機器です。この戦車が前線に登場したとき、多くの親ウクライナの応援団の人々はこのロシア軍の亀戦車を嘲笑していました。しかし、この戦車が先頭でGPS信号をジャミングし、時には地雷除去作業も行いながら、その後方から普通の戦車が走行する という方法で実際にウクライナの防衛線を突破したところもありますので、ドローン攻撃からどうやって兵士を守るか ということを真剣に考えて実行しているロシア軍のほうが 局所的に機器によるGPS信号妨害以外はほとんど何もやっていないウクライナ軍よりは 兵士の命を大切に考えている という証拠でもあると思います。

 

とにかく、現代のドローンをフル活用した戦争では どんなに西側で「優れている」とみなされている戦車でも ドローン攻撃を受けたらすぐに壊れたり故障する”消耗品”にしかならないのであって、その消耗する戦車や装甲車を 大量に作れていないという時点で、NATOに依存しているウクライナ軍は マンパワーだけではなく、工業生産力という点でロシアに負けているのです。

 

これは ロシアを挑発してわざと戦争へと追い込んだNATOにとっては 大きな”誤算”だったのだろうと想像できます。

 

なにせ、ロシアが国際決済システムの”SWIFT”から追い出された時点で「ロシアという国は10日でなくなる」と言っていた大手メディア御用達知識人も日本にはいた位ですから・・・。

 

実に愚かすぎる、”知識人”とも言えないようなお粗末なアナリスト達ばかりがテレビに出演して、偽情報を流して 日本の政治家や民衆を ますますアメリカの奴隷にしようと、洗脳しようとしていた ということです。

 

そして彼らの分析が大間違いだったことが今となっては はっきりしたということですが、それでも 何も悪びれすにテレビに出続けているのですから、本当に呆れかえります。