どんなに世界から非難されても意にも介さず、ガザやヨルダン川西岸で恐ろしい戦争犯罪を続けているイスラエルについてですが、またまた彼らの酷い戦争犯罪行為が世界の人々に目撃されました。

 

ガザに入る国連や支援団体からの食料支援のトラックを列に並んで待っていたパレスチナ人たちにイスラエル軍が無差別に発砲し、100人以上の市民を殺害したのです。

早速そのニュースをご紹介します。MEE(Middle East Eye)というメディアからの2/29付記事です。

 

War on Gaza: Israeli 'massacre' kills over 100 Palestinians seeking food in Gaza City

 

(和訳開始)

 

ガザでの戦争:イスラエルの虐殺により、ガザ市内で食料を探していた100人以上のパレスチナ人を殺害

目撃者はMEE(この記事を報じているメディア)に対し、救援車の周りに集まっていたところを無差別に攻撃されたと証言している

 

(上の写真:アル・シファ病院で、襲撃後に遺体を包む覆いの上から見守る男性(モハメド・アル・ハジャール/MEE))

 

パレスチナ保健省 は、木曜日にガザ市のアル・ラシード通りで支援車列にいた人々にイスラエル軍が発砲し、少なくとも104人のパレスチナ人が死亡、さらに数百人が負傷したと 発表し、この事件を「虐殺」と呼んだ。

ガザ市ではイスラエル軍の援助が完全に遮断されており、住民は食料を求めて集まっていた。NGOや国連の専門家はガザ北部での飢餓への懸念を表明しており、乳児を含む人々が餓死しているとの報告もある。

ガザのカマル・アドワン病院の救急車サービス責任者、ファレス・アファナ氏は、医師らが現場に到着すると「数十、または数百の」遺体が地面に横たわっているのを発見したと述べた。同氏は、死者と負傷者全員を搬送するのに十分な救急車がなかったため、一部の負傷者はロバの荷車で病院に運ばれなければならなかったと述べた。

 

(上の写真:援助を待つガザ人に対するイスラエルの攻撃後、アル・シファ病院の床に敷かれたマットレスで休む負傷した男性(モハメド・アル・ハジャール/MEE))

 

ガザ北部の病院は度重なるイスラエルの攻撃によりそのほとんどが機能停止しており、大量の患者流入に対応できていないと伝えられている。

ファーストネームのみを明かした31歳のアフマドさんはミドル・イースト・アイに対し、支援トラックが午前4時に通りに到着し、イスラエル軍が車列に近づこうとする人々に向けて発砲したと語った。アフマドさんは腕と足を撃たれた。

「銃撃は無差別で、人々は頭、足、腹を撃った」と彼は語った。「一人の男が殉教し、その後戦車に轢かれた。」

スラエル軍は、大規模な鎮圧の責任はパレスチナ人にあると非難し、「住民はトラックを取り囲み、配達中の物資を略奪した。押したり、踏みつけたり、トラックにひかれたりした結果、数十人のガザ人が死亡し、怪我した。」トラックの周りに集まってくる絶望的なパレスチナ人たちの様子を映した空撮映像を公開した 。

しかし、目撃者の証言と並んで、 ビデオ映像には事件中の激しい銃撃がはっきりと映っている。イスラエル関係者がAFPに語ったところによると、軍隊はパレスチナ人に発砲しており、兵士らは群衆が「脅威をもたらしている」と信じていたとのことだ。

 

(上の写真:攻撃から数時間後、アル・シファのベッドで眠る負傷した少年(モハメド・アル・ハッジャル/MEE))

 

トラックに足をひかれたカメル・アブ・ナヘルさんは、「そのような援助を送りたいなら、送らないほうがいい」と語った。

「私たちは子供たちに小麦粉を手に入れたくてたまらないのです」と彼は付け加えた。

パレスチナ保健省によると、この攻撃は、戦争によるパレスチナ人の死者数が3万人を超えた中で行われた。

この攻撃を受けてオックスファムは、報道に「愕然とした」と述べた。

国際援助団体は「イスラエルが民間人を飢えさせた上で意図的に標的にすることは、国際人道法と我々の人道に対する重大な違反である」と述べた。「大量虐殺の危険は現実にあります。」

攻撃から生き残った30歳のパレスチナ人アンマル・ヘロさんは、命の危険があるにもかかわらず、援助トラックが到着するたびにそこへ行くだろうとMEEに語った。

私たちにはパンも小麦粉もありません。私たちは動物性食品を食べています」と彼は言いました。生存者らはMEEに対し、北部では動物の餌さえも不足していると語った。

「誓います、ガザ全土は破壊されます。神が地震を起こした方が良かったと誓います。」

 

(和訳終了)

 

ハマスとイスラエルの戦闘が開始された昨年10/7以前は ガザへは援助のトラックが1日500台入っていたそうです。

それが、今はイスラエルから1日89台のみの通行へと1/5以下にまで制限されていて、この状態では 援助のトラックが入ってくるラファ検問所に近い南部の人々でさえ飢えている状態なのに、ガザ北部のほうは ほとんど食料が届かない状態にまで追い込まれています。下の過去記事でご紹介しましたが、ガザ北部の人たちは パンを作る小麦粉は手に入らないので動物用の飼料からパンを作ったり、雑草を取ってスープにして食べています。

 

 

そのような中、支援物資を積んだトラックを待っている人たちにまで発砲するとは

イスラエル軍の兵士たちは 本当に人間の心や良心、罪悪感等の普通の感覚を持っているのでしょうか?

 

そして、もう1つ衝撃のニュースとして、アメリカのワシントンDCのイスラエル大使館前で25歳の米空軍パイロットの方がイスラエルと米国がやっているガザでの虐殺に抗議して、SNSでライブ配信しながら焼身自殺を行って亡くなられた という大変ショッキングで痛ましい事件が発生しました。この事件についてもニュース記事でご紹介します。

アルジャジーラからの記事です。

 

US airman dies after setting himself on fire outside Israeli embassy

 

(和訳開始)

 

米空軍兵士、イスラエル大使館の外で自分自身に火をつけ死亡

アーロン・ブッシュネルは「パレスチナを解放せよ!」と叫んだ。その後、ワシントンDCのイスラエル大使館近くで焼身自殺した

 

(上の写真:イスラエル大使館前へと歩く米空軍のアーロン・ブッシュネル氏。注:上の写真からはビデオは再生できません。見たい方は上に掲載している元記事のアルジャジーラへのリンクでご確認下さい。ショッキングな映像ですので、苦手な方はけっして見ないで下さい。

 

ガザでのイスラエルの戦争に対する明らかな抗議として、ワシントンのイスラエル大使館前で焼身自殺を図った米国空軍隊員が死亡した、と国防総省が発表した。

ワシントンDC警視庁は月曜、テキサス州サンアントニオ在住の25歳の空軍士アーロン・ブシュネル氏が負傷により死亡したと発表した。

米メディアの報道によると、ブッシュネル氏は日曜日に液体を浴びる前に、ソーシャルメディアプラットフォーム「Twitch 」で、軍服を着て「大量虐殺に加担しない」と宣言した自身をライブ配信した。

 

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アーロン・ブシュネル氏の焼身自殺
パレスチナ人へのジェノサイドに抗議していると言っている米軍兵士のアーロン・ブシュネル氏はワシントンDC のイスラエル大使館の前で自分自身に火を付けた。

アーロン・ブシュネル氏の最後の言葉
「私は米空軍の現役隊員であり、今後、大量虐殺に加担するつもりはありません。
私はこれから、過激な抗議活動を起こそうとしていますが、人々がが植民地支配者の手によってパレスチナで経験していることに比べれば、全く過激なことではありません。」


これが私達の支配者層がノーマルだと判断したものです。
ブシュネル氏は”Free Palestine! (パレスチナを解放せよ!)”と叫び、自らに火を付けた。

■ブシュネル氏はテキサスのサン・アントニオ出身。
■彼は2020年5月から米国空軍でキャリアをスタートした。
■彼はテキサス州でUASFDevOpsエンジニアとして働き、ソフトウェアエンジニアリングの学士号の取得を目指していた・
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アーロン・ブシュネル氏についてですが、独立ジャーナリストでイスラエルとパレスチナの問題を長年取材されているマックス・ブルメンタール氏によれば、彼には米軍の軍事行動への招集命令が昨年出ていた とのことです。

表向きはイスラエルには米軍はいないことになっていますが、予備役が中心で市街地での戦闘経験のほとんどないイスラエル軍を米軍が軍事教練していた ということを数ヶ月前にイギリスの独立メディアがスクープしていたので、ブシュネル氏にもイスラエルに直接ではなくても、周辺の湾岸諸国への派遣命令が出ていたということかもしれません。

 

本当に二度と起こってはならない痛ましい自殺ですし、まだ25歳の心優しき青年にそのような決意をさせた原因となっているイスラエルの極悪非道な戦争犯罪行為を 国際社会が連携して早く終わらせるべきだと思います。

 

私の個人的な意見としては 昨年、サウジアラビアにイスラム教国が集まってイスラエルとハマスの戦争にどう対処するかの会議が開かれましたが、その際に参加国の1つであるイランが強く主張していた「イスラエルへの石油輸出の禁止」をやるべきだった と思っています。この案にはいくつかの関係国が反対したので、結果的に実行できませんでしたが、イスラム教国とそこに住むイスラム教徒全ての連携で、もしこの案が本当に実行できていたならば、イスラエルは石油を手に入れるのに かなり窮していたはずです。下の記事でご紹介しましたが、イスラエルが使っている石油の3/4(75%)は シリアとイラクのクルド人が支配しているエリアから運ばれています。

 

 

 

そして、イスラエルがクルド人の石油会社から格安価格で購入しているのは 本来米軍の駐留を政府が認めていないシリアやイラクから違法に盗まれている石油です。

 

ですから、同じイスラム教徒であるパレスチナ人がガザで無差別爆撃に遭い大量に死亡し、今は餓死させられそうにもなっているこの現状を 盗んだ石油をイスラエルに売っているクルド人たちが「イスラエルに石油を売らない」と宣言すれば、イスラエルは窮地に陥るのです。

 

もしくは フーシ派が紅海を封鎖してイスラエルに行くタンカーが通れないようにしていますが、その代わりに陸路で石油が輸送され、親米国で米軍基地もあるヨルダンの国内を必ず通っているはずなので(ヨルダン政府はそのことを否定はしていますが)、ヨルダンがイスラエルへの石油を運ぶ車列を通行禁止にすればよいのです。

 

また、イスラエルが購入している石油の残りの25%ほどは中央アジアのアゼルバイジャンとカザフスタンからトルコ経由で船で運ばれています。これもこれらのイスラム教国3カ国が協力して全面ストップすればよいと思います。

 

どの国も 表向きはパレスチナ人への連帯を表明してイスラエルを非難しながらも 未だに「商売第一」という感じで石油の輸出や輸出ルートになることをやめていませんので、昨年のイランが強く主張した「石油の輸出禁止」こそがイスラエルへの正しい圧力のかけ方ではなかっただろうか と私は思います。

 

イスラム教国やイスラム教徒が全て行動を共にして、その石油の輸出禁止を実行していたならば、もし代替として、アメリカ等から石油を買うにしても輸送コストが高くつきますし、イスラエルの戦争継続能力に大きな影響が出ていただろうに・・・という気がしてなりません。