やりがいってなんだろ。
大義名分ってなんだろ。
○○のために!!って、なんだろ。
大学受験の時、ぎりぎりまでどこに行きたいかが絞れなくて
それなりに、そこまでではないものの
それなりに、やってみたいことがあったのですが
それは就職が厳しかったりと現実があり
じゃあ何をしようかというときに
卒業後の就職率という条件の良さと
『自分が一番嫌いで苦手なことを克服してみるべき』
ということから大学を選びました。
今思うと、これは苦痛の始まりでしたが(笑)
なかなかない経験を沢山したと思います。
卒業後、新卒で就職した会社は
わかりやすいやりがいがありました。
誰かの役に立つ、誰かの暮らしを支える
お給料はあんまりでしたがボーナスは大きく
都会のオフィスビルのど真ん中。
駅直結の最新ビル。
ハイヒールを履いて。
髪はさらさらの茶髪のロングヘアにして。
香水を振りまいて。
いつも仕事に必要な資格試験が毎月のようにあるので勉強し続け
笑顔で感じよく、コンクリートジャングルの中で
同期の子たちとランチに出かけ
上司に良い顔をしてニコニコして
何かと不調があり、特に顔の皮膚トラブルが多く
帰りにステロイドを買って帰り
長い長い満員電車を行ったりきたりしていました。
私のつないだ仕事が、
新システム立ち上げメンバーに入れてもらい
朝起きてすぐ用意。七時に出る。
満員電車に肋骨が折れそうになりながら一時間。
息ができないような都会のビルできりきり働き。
満員電車で帰り。
夜は資格の詰め込み勉強。
顔の皮膚がだんだんぼろぼろになっていって
同期の子たちも、いい子なんだけどアクが強いというか
キツい子も多かったり
上司は張り付けた笑顔でヨイショしないとダメなの当たり前で
何でこんな普段全く知らんおっさんと、月に一度ランチして、
空虚な気持ちというか。
帰宅するとどっと疲れるというか。
わかりやすいやりがいって、あるんですよ。
誰かの役に立てる!
この仕事で生活できる人たちが毎日沢山居る!
でも、まるで、
頭で考える『やりがい』
言葉で考える『誰かのため』
同じ働くなら『立派』に見える仕事
そう、頭で考えて入った職場。
周りからは、花形の部署だね!と。
周りからは、一流企業だね!と。
しょうむない、それだけのことで、
三年目、ついに辞めました。
自分の魂というか気持ちを犠牲にしすぎているような気がして。
少し休憩して。
次の転職先は、実家から近い京都市内の某大学。
自然が豊かで、大学内はレトロで素敵な建物がいっぱい!!
見ててワクワク。
気が綺麗で、季節が沢山感じられて。
空気も良くて、学生さんたちが生き生きしてる。
ここでは皆、タクシー移動ではなくて走ったり自転車だったり。
ここでは皆、
ここでは皆、
『誰かを救います』
『誰かの暮らしを支えます』
『誰かの為に(切実)』は、ここにはありません。
でも、仕事はどれも同じようなもの。
紙の上での計算だったり、事務的な処理だったり。
そして、
誰かのため、誰かのため、立派な大義名分はない?(笑)ものの
木の下でお弁当にしたり
綺麗な数学科の中庭でお弁当にしたり
銀杏の並木が季節ごとに移ろうことを楽しみ
心から笑える同僚とお茶してしょうむない話を真剣に悩んだり
先生や学生さんと他愛ない話をしたり
生協のアイスが夏の贅沢品だったり
本当に尊敬できる上司ができて(
美しい秘書さんたちに美しさの秘訣を教えて欲しいと聞いてみたり
外国人の研究者主催のわけわからんパーティーに呼ばれてピンク色
(今思えばビーツ)ニシンのパイを食べてみたり
流行のマンガの貸し借りをしたり
のびのび 自由に
ハイヒールなんて脱ぎ捨てて
ぺたんこ靴かスニーカー
香水なんてつけなくて
茶髪から元の黒髪へ
ストレートパーマから天然もじゃもじゃへ
お気に入りの服も
ストロベリーフィールズからピープルツリーへなんなら無印!
貼り付いた笑顔の『おはようございます』ではなくて、
立派な大義名分?やりがいを掲げていた頃よりも
仕事があったのか環境があったのか
心から笑って、吹き出して、食べて、寝て、
仕事中にぎゃあああって叫んだり(笑)
美人秘書さんたちとお茶したり(最高や…)
やりがいもね、あるんです。
私だから話が通る仕事、私だからよりわかりやすい事務を!
皆がやりやすいように、わかりやすいように、ほんの些細なこと。
英語の記入見本を作ってみたり。
仕事要領を作ってみたり。
何を言ってるかさっぱりわからないことを翻訳して伝えたり。
○○さんじゃなくちゃー!
○○さんで良かったー!
と言って貰える。
と言いたくなる。
目の前の人に。
それがやりがいじゃないですか。
プライベートでもやりたいかなということを見つけて
ダブルワークになっても頑張れて
何かを悩んだとき
頭だけで考えた大義名分とか、やりがいとかって
飛びつきやすいんですよね。
克服する!
誰かのため!
○○のために!!
でも、そこで出会った人たちは、
健康そうじゃなかった。
新卒入社した会社の人と連絡もつながりも辞めてからほぼ有りませ
転職後の会社の人とは今も仲良くして貰ってます。
自分が、ここにいたら心地いい風が吹いてきそう。
精神的な意味で背伸びせず、むしろ、
自分を飾らず、偽らずにいられそう。
そんな場所を選んでいけば良かったと思いました。
頭で考えるより、感覚が大事。
誰かのためにって表面的に考えるのではなくて、
耳障りのいいCMのような言葉をどうして信じ込んでしまったのか
今も、時々、大学の頃の夢や新卒で入社した会社の夢を見ますが、
あのころの方が若くてぴちぴちなアラトゥエンティーだったのに!
全然幸せそうじゃなかったな。
わかりやすいやりがいも大事だけど、
頭で考えたことを突き詰めすぎないように。
感覚でもっと生きなくちゃいけないですね。