内田洋子さんが、約20年前に書いた本。
ふと、図書館で目に留まって借りました。
イタリアの素晴らしいところと、カオス!
愛情をこめて、とても真っ正直に書かれているので
好感の持てる1冊でした。
遠くから日本を見ているので、日本とイタリアの比較なんかもあって
「ああ、確かになぁ」「なるほどなぁ」と感じさせてくれます。
日本は、絶対に郵便は届くし、時刻通り交通機関が動く。
みんなきっちりしていて、真面目。
休みよりも仕事、すべてが仕事中心。
新しいもののためには景観を壊す。みんな一緒、流行がある。
イタリア人はいい加減?というイメージを払拭させられる1冊です。
イタリア人は6歳児でも美意識があり、自分の意志で何事も決めます。
自分の考えはあるが、人の考えを否定したり、他人と同じじゃないとおかしいなんてことはない。
周辺が敵国だらけという歴史から、家族の絆は強く、
家庭料理はかなりレベルが高く、家族一緒の食卓を大切にする。
イタリアの交通機関の遅れは、中世の街並みを保存するために、日本のように
バンバン何でもつぶして駐車場にするということがないからだそう。
(なので、道幅が狭かったり、ちょっとした駐車で車が進まなくなる)
イタリア人は食べることに対してとても真剣なので、マクドナルドが入ることをなかなか許さず
(冷凍したものをあげただけ、ガサガサ袋をめくってほおばる姿が下品、色も許しがたいそうで)
10年以上申請をしても、なかなか店舗を置かせてくれないそうです。
珈琲もピッツァもパスタも、それぞれびっくりするくらい研究熱心で真剣(笑)
京都の職人さんみたいです(笑)
作家さんが、ズバッと書く文章も好感が持てます~
「イタリアの真っ青な空、白い雲、緑の木立。
そこに真っ赤なフェラーリが本当に似合うけれど
日本のごみごみした灰色の街中を走る外車はなんだかおかしい。
それなりの役者には、ふさわしい舞台が必要」
というセリフに、内心、わたくし大喜びしました。
これ、庵野モヨコさんも同じようなこと書いてましたねー
「全身完璧なヴィヴィアン・ウエストウッドのコーディネートの二人組がいて
その姿がすごく決まっていればいるほど、ごみごみした原宿の日本の町から浮いていて
すごくおっかしかった」
というようなことだったと思います。
確か、「美人画方」でだったかな?
その人のセンス、TPOって本当に大事やと思います。
さて、本の話に戻りますが、
勿論、イタリアの就職率の低さや、治安が悪い所の注意情報もきっちり書かれていて
いいところも悪い所も、ひっくるめて、生きた喜びにあふれるイタリアを
一緒に歩いているような気持ちになれる一冊でした。
須賀敦子さん以来かな?イタリアの本を読んだの。
明るくて、軽やかで、気晴らしにとてもいい本でした☆
**追記**----------------------------
この本を読んだせいか、晩御飯は…
ズッキーニのピクルスと、ニンジンドレッシングのサラダ、
2種類のパスタになっちゃいました☆( ;∀;)
影響されやすすぎるぞ~~~