源氏の君の先生 | こじょるのおこじょなえぶりでい

こじょるのおこじょなえぶりでい

ClassicalHomeopathy柊舎の個人的なBlogです。
基本的に、自分自身の忘備録を兼ねた呟きと
茶話会参加者さん、クライアントさんに向けたBlogです☆
好きなカフェ、趣味、本、手作りのもの等
プライベイトについても時々書いてます☆

高校生の時、先生は私の事を「ムラサキ」と呼んでいました。




高校2年生が始まったある春の日。


兵庫県の地味な公立高校で育った私は


平和に新しいクラスになじみ、窓辺にいました。


見下ろす駐車場には、櫻が散ってふぶいていました。



そこへ、大型バイクで派手に初出勤された「先生」が


まさか今後、現国・古典の先生になろうとは思ってもおらず


窓から、あれは誰かしらとみんなのぞいていました。


「先生」は、アラサーの先生で、クラスは大人の雰囲気にそわそわし


厳しく涼やかな目元と不敵な微笑みに、なんだか気圧されて。



授業になると「先生」は厳しく、試験でもいつも腕試しをされているようで


答えがいがあり、それは良い授業でした。


夏目漱石の「こころ」1冊丸々の中から漢字も全て出すという範囲は


その当時心躍りました。



授業では昨今の若者らしく、当てられても


「分かりませ~ん」


が続くことがあります。


「先生」はよく私の事を当てられて、間違っているかもしれないけれど…と


自分の考えを伝えると、どんな時も満足そうにされてました。




「ムラサキは、欲しいものがあるの?」


本ですね、もっぱら。


「何が良いかなぁ?」


最近は英国文学です。


「指輪物語だね、今度試験で1番とったら買ってあげる」


ということで、シリーズすべて揃えて頂きました。


今考えると、贔屓っぷりによく問題にならなかったなと(笑)




授業でも、廊下でも、どこででも


ムラサキ、ムラサキと可愛がっていただきました。


何故ムラサキ?と思っていましたが、卒業の時に分かりました。


前の学校に「アカシ」が。



先生、まさかとは思いますが源氏物語からとりはったんですか?


「そう、明石と、末摘花、葵も今のところあだ名で付けてる子がいるよ」


紫って、紫の上やないですか。


「君、職員室で有名なんだよ。ムラサキを当てたら、


 授業は形になるから安心してって、初日に先生方から言われたんだから。
 
 打てば響いて、なんでも口にするから」



この先生、今日も教師のお勤めをされています。


何年も沢山の学生さんを可愛がりはった中で


色んな人が「明石」や「桐壺」が代替わりする中


今も「紫」と呼んでくれることは気恥ずかしく、嬉しく。


…因みにこの先生は、女性です(笑)


今も現役プレイボーイで女生徒からも大人気(宝塚出身。笑)




こういう先生がいらしたら、成績も授業も面白いと思う事も


多いのかもしれませんね(笑)