続

活用能力とは、敵も味方にする力の事だ。
あれはだめ、悪い、外だ、などの否定的な言葉を言う前に、
相手をどうしたら救えるか、高められるかを考えるべきだ。
相手が敵だと思っている間は、こちらはおどおどしていなければならない。
そんな否定的で消極的な気持ちでいるうちは、
心は安定していないし、強い心を持っているとは言えない。

良いところに注目し、すべてを肯定することだ。
自分や他人の端緒ばかり見て否定していては、
人間は伸びない。
事実をありのままに受け入れ、拝む。
雨が降ったら、ただ感謝すれば良い。
そしてそれを活用するのだ。

人間にとって大切なのは、
私はあなたを愛させて頂くだけで結構ですという心
つまり、下座心である。
私はこしてもらいたい為にあなたを愛したのだ。
という心は上座心であり、かららず憎しみ、呪い、怒り、不平、不満が起こりいらいらする。
そういう無駄な葛藤はやめようではないか、と痛感するところから下座心は始まる。
おそらく、最初から下座心が身に付いているだろう人はいないだろう。
しかし、こういう心があり、それを体得すればほんとうの意味で楽に生きることが出来るのだ。

自分の座り方、自分の立ち方、自分の食べ方。
自分の生命が一番喜んでくれる自分の体の使い方、心の養い方、
それを発見するのが、すなわち安定させることがヨガなのだ
--------------1979年 刊