目頭切開のあと、傷のラインが気になって検索すると、「ケロイド」「肥厚性瘢痕」といった言葉が並びます。ただ、目頭の傷跡はひとつではありません。盛り上がるもの、逆に凹むもの、白く色が抜けるもの、蒙古ひだが戻ったように見えるもの——見え方によって、経過も対処も変わります。
そこでこの記事では、「原因の説明」から入るのではなく、まずご自身の傷跡がどの型にあたるのかを見分けるところから始めます。型が分かれば、待ってよいのか、診てもらったほうがよいのかの判断がつきます。
当院ではこれまで、目頭切開のあとに起きた変化を型ごとに分けて記録してきました。以下の各型には、その型だけを集めた記録へのリンクを置いています。文章だけで判断がつかないときは、実際の写真と見比べてみてください。
なお、傷の治り方には個人差があり、同じ術式でも経過は一様ではありません。ここに書いた期間はあくまで目安です。
目頭切開の傷跡は、6つの型に分けて考える
型1 盛り上がる(肥厚性瘢痕)
傷のラインが周囲の皮膚より高くなり、触ると硬く感じる型です。赤みをともなうことが多く、1ヶ月から3ヶ月ごろに最もはっきり出ます。皮膚を修復するためのコラーゲンが必要以上に作られることで起こります。
この型がどう見えるのかは盛り上がった傷跡・色素低下・色素沈着を型ごとに分けた記録に、同じ角度の写真をそろえて残しています。
型2 凹む(陥凹した傷跡)
盛り上がりとは逆に、傷のラインが周囲より低くなり、光の当たり方によって影ができる型です。目頭は皮下の組織が薄いため、治癒の途中でこの形になることがあります。正面からは目立たないのに、斜めから見ると分かる、という訴えが多いのが特徴です。
凹んだ傷跡だけを集めた記録は窪んだ傷跡だけを集めて型ごとに分けた記録にまとめています。
この型がいつまで続くのか、どの程度なら待ってよいのかは凹んだ傷跡・白い傷跡がいつまで続くのかを時期ごとに整理した記事で詳しく扱っています。
型3 白く色が抜ける
傷そのものは平らなのに、その部分だけ色が抜けて白く見える型です。赤みが引いたあとに現れることが多く、盛り上がりが落ち着いた先にこの状態になる方もいます。型1の記録に、この色の変化も合わせて載せています。
白さがいつ現れ、どこまで薄くなるのかは白い傷跡が残る理由と、いつまで続くのかをまとめた記事で時期ごとに整理しています。
型4 赤みや色素沈着が続く
平らではあるものの、色が濃く残る型です。紫外線を受けると濃くなりやすく、時間の経過とともに薄くなっていくことが多いとされています。型3とは逆の方向の変化で、どちらも同じ記録の中で扱っています。
型5 蒙古ひだが戻ったように見える
傷跡そのものというより、目頭の形の問題です。切開したはずの蒙古ひだが、治癒の過程で新しくできたように見えることがあります。手術によってできたひだという意味で、医原性蒙古ひだと呼ばれます。「元に戻った」と感じられる方が多い型です。
この型については手術によってできた蒙古ひだ(医原性蒙古ひだ)の記録で、どう見分けるのかを写真とともに整理しています。
型6 涙丘が見えすぎる
目頭の内側にあるピンク色の部分(涙丘)が、以前より広く見えるようになった状態です。切開の範囲が大きかった場合に起こりやすく、目つきの印象そのものが変わって感じられます。傷跡の問題ではないため、対処の方向も他の型とは異なります。
見え方の幅については涙丘の見え方と目頭の形の変化を型ごとに分けた記録に、複数の例を並べています。
型が分かったら、次は時期を見る
抜糸まで(およそ7日)— まだ評価できない時期
糸が入っている間は、腫れと内出血が見え方を決めます。この時期に傷のラインが硬く見えても、それは型1の盛り上がりとは別のものです。ここで最終的な形を判断することはできません。
1ヶ月から3ヶ月 — 型がはっきり出る時期
修復のためのコラーゲンが最も盛んに作られる時期で、盛り上がりも赤みもここでピークを迎えます。逆に言えば、自分がどの型なのかが分かるのもこの時期です。上の6つの型と見比べるのに適しています。
3ヶ月から1年 — 落ち着くか、残るかが分かれる
一般に、赤みは3ヶ月を過ぎたあたりから薄くなり、硬さもやわらいでいきます。傷跡が成熟するまでには半年から1年程度かかると考えられています。この期間を過ぎても変化が見られない場合、経過を待つ段階ではなくなります。
「待ってよい」と「相談したほうがよい」の境目
待ってよい場合
盛り上がりや赤みが傷のライン内にとどまっていて、月ごとに少しずつでも変化している場合は、経過を見る対象です。型3の白い傷跡や型4の色素沈着も、多くは時間とともに目立ちにくくなっていきます。
相談したほうがよい場合
次のいずれかに当てはまるときは、待つより一度診てもらうことが勧められます。盛り上がりが元の傷の範囲を越えて広がっている。3ヶ月を過ぎても赤みと硬さがまったく変わらない。痛みやかゆみが続く。左右で見え方の差が大きい。型5や型6のように、傷跡ではなく形そのものが変わっている。
ケロイドと肥厚性瘢痕の違いは、範囲で見る
どちらも盛り上がった状態ですが、傷のライン内にとどまるものが肥厚性瘢痕、元の傷の範囲を越えて広がるものがケロイドと区別されます。目頭切開のあとに見られるもののほとんどは前者です。見た目だけで判断するのは難しく、範囲が広がっているかどうかを時間をかけて確かめることになります。
修正(復元)を考えるとき、何を見て判断するのか
いつから検討できるのか
傷跡が成熟するのを待ってから判断するのが一般的です。早い時期に重ねて切開すると、同じ修復の過程をもう一度たどることになり、結果として盛り上がりの時期を二度経験することになります。何ヶ月後が適切かは、型と皮膚の余裕によって変わります。
皮膚の余裕と、最初の切開の設計
修正で最初に確認するのは、動かせる皮膚がどれだけ残っているかです。初回の切開範囲が大きいほど余裕は少なくなり、選べる方法も限られます。型2の凹みと型5のひだでは、そもそも扱う組織の層が違うため、同じ「修正」でも設計が変わります。
一度で終わらせるための順序
複数の型が重なっている場合、どれから手をつけるかで結果が変わります。実際に凹んだ傷跡と白い傷跡が重なった状態を整えた例は窪み傷跡と白い傷跡を整えた目頭切開修正の7日目で、術前と術後を同じ条件で並べています。
自分でできること、しないほうがよいこと
触らない・こすらない
傷のラインを指で強くこすったり、かさぶたを無理にはがしたりすると、修復が長引くことがあります。かゆみが出ても掻かずに、冷やすなどで対応します。自己判断で市販の薬やクリームを重ねることも勧められません。
紫外線と、洗顔・メイク
紫外線は型4の色素沈着を濃くする要因になります。外出時は日焼け止めや帽子などで目元を守ります。洗顔はこすらず泡で包むようにし、メイクを再開する時期は経過を診てもらったうえで決めるのが安全です。
記録を残しておく
同じ角度・同じ明るさで月に一度撮っておくと、変化しているのかしていないのかが自分で分かります。相談のときにも、この記録があるかどうかで話の進み方が変わります。
傷跡の盛り上がりについて、よくいただく質問
Q. 盛り上がりは自然に治りますか。
傷のライン内にとどまる肥厚性瘢痕であれば、数ヶ月から1年ほどかけて落ち着いていくことが多いとされています。元の傷の範囲を越えて広がっている場合は、待つだけでは変わりにくいため、診察を受けて判断することになります。
Q. 自分がどの型なのか、写真だけで分かりますか。
盛り上がりと凹みのように見え方がはっきり違う型は、写真で見当がつきます。ただし型5の蒙古ひだと型6の涙丘露出は重なって見えることがあり、この二つは実際に診たほうが確実です。
Q. いつから傷跡として評価できますか。
抜糸の直後はまだ腫れが残っているため、評価には向きません。型を見分けるのは1ヶ月以降、最終的な形を判断するのは半年から1年程度が目安です。
Q. 型が二つ重なっている場合はどうなりますか。
珍しいことではありません。凹みと色素の変化、ひだと涙丘露出などは同時に見られます。その場合は、どれが見た目の印象を最も左右しているかを確かめたうえで、順序を決めることになります。
Q. 他院で受けた手術でも相談できますか。
できます。手術日と術式、経過の写真があると、いまどの型のどの段階にあるのかを判断しやすくなります。
目頭の傷跡は、型と時期の二つが分かれば、いま何をすべきかがはっきりします。まずご自身がどの型に近いかを確かめ、そのうえで手術からどれくらい経っているかを合わせて見てください。判断に迷うときは、記録した写真を持って相談してください。
シウォン整形外科では、手術前の1対1カウンセリングを通して、患者さま一人ひとりに適した手術プランを立て、手術を行っています。
📍
位置:大韓民国ソウル特別市、
江南区(カンナム区)新沙洞(シンサドン)狎鷗亭路(アックジョン路)28ギル19(2階)
(Hanik Building 2nd Floor) 19, Apgujeong-ro 28-gil, Sinsa-dong, Gangnam-gu, Seoul
🕦
お問い合わせ
LINE :@sheone.jp
Twitter : @SheOnePS
Instagram : @sheoneps.jp
回復過程や経過には個人差があり、副作用が生じる可能性もあるため、手術前には医療スタッフとの十分なカウンセリングが必要であることをご案内いたします。
シウォン整形外科