目頭切開の傷跡というと「盛り上がる」ものを思い浮かべる方が多いのですが、実際のご相談で多いのはその逆です。傷のラインが周囲より低く落ち込む「凹み」と、その部分だけ色が抜けて見える「白い傷跡」です。

 

この二つは、鏡の角度や光の向きによって見えたり見えなかったりします。「昨日は気にならなかったのに今日は目立つ」と感じるのはそのためで、傷跡そのものが日によって変わっているわけではありません。

 

この記事では、なぜ凹むのか・なぜ白くなるのかという仕組みと、いつまで続くのかを時期ごとに整理します。検索して最も知りたいのがそこだからです。

 

なお、傷の治り方には個人差があり、同じ術式でも経過は一様ではありません。ここに書いた期間はあくまで目安です。

 

なぜ「盛り上がる」ではなく「凹む」「白くなる」のか

皮膚が足りなくなる場合と、下の組織が痩せる場合

目頭切開後に凹み傷跡が生じやすい位置を示した図

目頭のどこに凹みが生じるのか(赤い点線の部分)

 

凹みには二つの成り立ちがあります。ひとつは皮膚そのものが切除されすぎて足りなくなった場合。もうひとつは皮膚は足りているのに、その下の組織が癒着したり痩せたりして、表面が引き込まれる場合です。

 

見た目はどちらも「凹み」ですが、対処の方向はまったく違います。前者は足りない皮膚をどう補うかの話になり、後者は引き込んでいる原因を外す話になります。

 

白く見えるのは、色素が戻っていないから

皮膚には色をつくる細胞があり、切開を受けた部分ではその働きが一時的に落ちます。周囲の皮膚と比べて色が薄いまま残ると、白い線として見えます。日焼けをしたときに、その部分だけ白く浮いて見えるのはこのためです。

 

白さは、赤みが引いたあとに初めて分かるようになります。つまり手術直後には見えていなかったものが、あとから現れることになります。急に悪化したように感じられますが、赤みに隠れていたものが見えるようになった、というほうが実際に近い見方です。

 

凹みと白さは、同じ場所に重なって出やすい

どちらも「その部分の皮膚が元どおりに戻りきっていない」という同じ背景から来るため、別々に起こるより重なって現れることが多くなります。凹んだところに影ができ、そこが白いと、実際の深さより目立って見えます。

 

この二つが同時に見られた状態をどう整理したのかは窪んだ傷跡と白い傷跡が同時に見られた例の2ヶ月目の記録に、術前と術後を同じ条件で並べています。

 

いつまで続くのか — 時期ごとの見え方

手術直後から1ヶ月 — 赤みが主役の時期

この時期は腫れと赤みが見え方を決めます。凹みがあっても腫れに埋もれて分かりませんし、白さは赤みに隠れています。ここで傷跡を評価することはできません。

 

1ヶ月から3ヶ月 — 赤みが引き、白さが見え始める

腫れが落ち着くと、隠れていた形が表に出てきます。「治ってきたはずなのに、かえって傷が目立つようになった」というご相談が最も多いのがこの時期です。悪化ではなく、見えるようになった段階です。

 

3ヶ月から1年 — 残るか薄れるかが分かれる

皮膚の修復が落ち着いていく期間です。浅い凹みや軽い色の差は、この間に目立たなくなっていくことが多いとされています。逆にこの期間を通してほとんど変わらないものは、その先も大きくは変わりにくいと考えられます。

 

1年を過ぎても凹んだまま・白いままの場合

この段階になると、待つことで変わる余地は小さくなります。ここから先は「時間」ではなく「何をするか」の問題に変わります。逆に言えば、1年を待たずに修正を判断する必要はないということでもあります。

 

自分の凹みがどの程度なのかを見分ける

凹みと一口に言っても、深さも範囲も人によって違います。当院では凹んだ傷跡の例だけを集めて型ごとに分けた記録を残しています。文章だけで判断がつかないときは窪んだ傷跡だけを集めて型ごとに分けた記録の写真と見比べてみてください。

 

光の向きを変えて確かめる

目頭の凹み傷跡 修正前と修正後の比較 正面注視

目頭の凹み傷跡 修正前・修正後

 

凹みは影でできて見えるので、正面からの明るい光では消え、斜め上からの光では強く出ます。判断するときは同じ場所・同じ時間・同じ角度で撮った写真を並べてください。日によって印象が変わるのを防げます。

 

片側だけに出るタイプ

片側に強く出た目頭の凹み傷跡 修正前と修正後の比較

片側に強く出た凹み 修正前・修正後

 

左右のうち片方だけが凹むと、傷跡そのものより左右差として気になります。両目を見比べたときの違和感が主な訴えになる型です。片目だけを整えた例は片目だけに窪みと左右差が出た例の2ヶ月目の記録にあります。

 

広い範囲に出るタイプ

切開の範囲が大きかった場合、凹みが一点ではなく帯のように広がることがあります。この型は光の当たり方に関係なく影が出るため、正面からでも分かります。広い範囲にわたる凹み傷跡を整えた例の3ヶ月目の記録に経過を残しています。

 

消えない場合にできること

待つ・保湿・紫外線対策で足りる場合

浅い凹みと軽い色の差であれば、時間の経過で目立たなくなることが多いとされています。この段階でできるのは、こすらないこと、乾燥させないこと、そして紫外線を避けることです。日焼けは白い部分をより目立たせます。

 

皮膚の下の構造を作り直す必要がある場合

下の組織が癒着して表面を引き込んでいる場合は、表面に何を塗っても変わりません。引き込んでいる原因そのものを外す必要があります。逆にここを外さずに皮膚だけを動かすと、しばらくして同じ凹みが戻ってきます。

 

「凹みを埋める」とは実際に何をするのか

目頭の凹み傷跡を整えた経過 修正前と修正後の比較

凹み傷跡を整えた経過 修正前・修正後

 

埋めるという言葉から何かを詰めることを想像されますが、実際には癒着を外し、周囲の組織を寄せ直して段差をなくす作業です。実際に凹み傷跡と白い傷を整えた例は窪み傷跡と白い傷を整えた目頭切開修正の7日目で、術前と術後を同じ条件で並べています。

 

修正を考える前に決めておきたいこと

完全に消すことを目標にしない

切開した以上、線そのものがなくなることはありません。現実的な目標は、正面から見て気づかれない状態にすることです。ここを最初にそろえておかないと、結果に納得しにくくなります。

 

いつ受けるか

傷跡が落ち着くのを待ってから判断するのが一般的です。早い時期に重ねて切開すると、赤み・腫れ・白さという同じ過程をもう一度たどることになります。何ヶ月後が適切かは、凹みの深さと皮膚の余裕によって変わります。

 

左右差をどこまで合わせるか

もともと左右の目はまったく同じ形ではありません。片側だけを整える場合、どこに合わせるのかを先に決めておく必要があります。深いほうに合わせるのか、浅いほうに寄せるのかで、手術の量が変わります。

 

白い傷跡・凹んだ傷跡について、よくいただく質問

Q. 白い傷跡は消えますか。

色の差が軽いものは、1年ほどかけて目立たなくなっていくことが多いとされています。ただし色をつくる働きが戻らなかった部分は、白いまま残ることがあります。その場合は消すより、周囲との段差を減らして目立たなくする方向で考えます。

 

Q. 凹みはいつまで待てばよいですか。

3ヶ月から1年の間に変化があるかどうかを目安にします。この期間を通してほとんど変わらない場合は、待つことで得られる変化は小さくなります。同じ条件で撮った写真を並べると、変化しているかどうかが自分で判断できます。

 

Q. 化粧で隠せますか。

白さは色を重ねることである程度目立ちにくくなりますが、凹みは影でできているため、色だけでは隠れにくい傾向があります。傷が完全に閉じるまでは、化粧を再開する時期を医師に確認してください。

 

Q. 注入で埋めることはできますか。

目頭は皮膚が薄く動きの多い場所で、注入したものが形として出やすい部位です。また癒着が原因の凹みは、下に入れても引き込む力は残ります。適応があるかどうかは、凹みの成り立ちを確かめたうえでの判断になります。

 

Q. 他院で受けた手術でも相談できますか。

できます。手術日と術式、経過が分かる写真があると、凹みが皮膚不足によるものか癒着によるものかを判断しやすくなります。

 

凹みと白さは、時期によって見え方が大きく変わります。1ヶ月目に見えていなかったものが3ヶ月目に出てくることも、3ヶ月目に気になっていたものが1年後には分からなくなることもあります。まずは同じ条件で写真を残し、変化しているかどうかを確かめてください。

 

シウォン整形外科では、手術前の1対1カウンセリングを通して、患者さま一人ひとりに適した手術プランを立て、手術を行っています。

 

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本記事に掲載している手術前・手術後のすべての写真は、韓国の医療法を遵守し、ご本人から事前に同意を得たうえで、客観的な経過確認を目的として掲載しています。

 

回復過程や経過には個人差があり、副作用が生じる可能性もあるため、手術前には医療スタッフとの十分なカウンセリングが必要であることをご案内いたします。

 

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