私はフィギュアスケート鑑賞に加えてバレエ鑑賞も大好きで、特に今年は3年に一度のバレエの祭典「世界バレエフェスティバル」があるので、とてもワクワクする夏です
東京文化会館内のパネル
フィギュアスケートファンとバレエファンを兼ねている方もけっこういらっしゃるような気がします(バレエ会場に行ってフィギュアスケートの話を耳にすることはちょくちょくあります)。
フィギュアスケートを観る上でバレエ演目はある程度知っておいて損はないと思うので、当ブログにパフォーマンス鑑賞の記録としてアップしておきます(専門知識はなく、ただただ「バレエを観ることが好き」での鑑賞メモです)。
世界バレエフェスティバルは8月12日まで全10公演です。フィギュアスケートでもおなじみの曲で踊る演目もいろいろあります。当日券も販売されています。
なお、8月15日にはガラ公演がありますが、こちらの前売り券は売り切れてしまっているようです。
今回のバレエフェスには、現役ダンサーでは個人的に世界最高と思っているアレクサンドル・リアブコ(ハンブルク・バレエ、関連記事はこちら)とマチアス・エイマン(パリ・オペラ座バレエ)の二人がそろいました。そしてリアブコはABプロで2演目踊ることになり、私的には大興奮
NBS:第15回世界バレエフェスティバル
https://www.nbs.or.jp/stages/2018/wbf/index.html
第15回Aプログラム初日(2018年8月1日)東京文化会館
https://www.nbs.or.jp/publish/news/2018/08/15-81.html
計4部で、各部がそれぞれ約1時間。部と部の間の休憩は10~15分で、4時間あまりの長丁場。バレエ鑑賞マラソンと言ってもいいかもしれませんが、ハマると抜け出せなくなります。
― 第1部 ―
「ディアナとアクテオン」
振付:アグリッピーナ・ワガノワ
音楽:チェーザレ・プーニ
エリサ・バデネス
ダニエル・カマルゴ
フェストップバッターらしい若々しさにあふれて会場の空気をしょっぱなから盛り上げることに成功。安心して観ていられる。
「ソナタ」
振付:ウヴェ・ショルツ
音楽:セルゲイ・ラフマニノフ
マリア・アイシュヴァルト
アレクサンドル・リアブコ
マライン・ラドメーカーのケガで思いがけなく前回のフェスに続き再度、アイシュヴァルト&リアブコ(愛称サーシャ)が実現!3年前の椿姫の感動パ・ド・ドゥはもう至福。
今回もこの二人、準備時間はそれほどなかっただろうに素晴らしいパフォーマンス。ただただ見とれる。私にとっては美の極致
サーシャの舞台を観るたび、本当になんて稀有なダンサーなんだろうという思いでいっぱいになる。絶対にまたサーシャのニジンスキーを生で観る!とあらたに心に誓った。
「ジゼル」より 第2幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ、ジュール・ペロー
音楽:アドルフ・アダン
マリア・コチェトコワ
ダニール・シムキン
二人のテクニックを堪能する演目。この二人はBプロトリのドンキPDDのほうが本領発揮だと思うので、そちらに期待。
「アポロ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:イーゴリ・ストラヴィンスキー
オレシア・ノヴィコワ
デヴィッド・ホールバーグ
ノヴィコワもホールバーグも生で観るのは久しぶり。オレシアの深みのあるダンスとホールバーグの美しい動きはさすが。
「コッペリア」
振付:アルチュール・サン=レオン
音楽:レオ・ドリーブ
サラ・ラム
フェデリコ・ボネッリ
小顔ぞろいの女性ダンサーの中でも、サラはとびきり小顔だと思う。そしてなんとかわいらしい~。最近好きな女性ダンサーの一人。
― 第2部 ―
「瀕死の白鳥」
振付:ミハイル・フォーキン
音楽:カミーユ・サン=サーンス
ヤーナ・サレンコ
本来ならスティーブン・マックレーとのPDDだったことを思うと残念だが、ヤーナの瀕死を観るのは実は初めて。手の動きはかなり大振りだったような記憶があるが、とても意思のある瀕死に感じた。
「カラヴァッジオ」
振付:マウロ・ビゴンゼッティ
音楽:ブルーノ・モレッティ(クラウディオ・モンテヴェルディより)
メリッサ・ハミルトン
ロベルト・ボッレ
ポワントを履いてのコンテ。二人とも凄い身体能力。特にボッレ、ホント良い身体~。画家カラヴァッジオの絵画がモチーフだそうなので、再見に備えてちょっと勉強せねば。
「くるみ割り人形」
振付:ルドルフ・ヌレエフ(マリウス・プティパ、レフ・イワーノフに基づく)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
レオノール・ボラック
ジェルマン・ルーヴェ
キラキラ度ではAプロ一番!ボラックのかわいいこと!ルーヴェもいつもながら端正。眼福~。ヌレエフ振り付けのくるみはいかにも難度が高そう。
「・・・アンド・キャロライン」
振付:アラン・ルシアン・オイエン
音楽:トーマス・ニューマン
オレリー・デュポン
ダニエル・プロイエット
映画『アメリカン・ビューティー』に想を得ているというコンテ。オレリーは靴下のようなものを履いて踊る(ポワントなし)。いまひとつよくわからないまま終わった…かも。
「ファラオの娘」
振付:ピエール・ラコット(マリウス・プティパに基づく)
音楽:チェーザレ・プーニ
マリーヤ・アレクサンドロワ
ウラディスラフ・ラントラートフ
登場からぱーっと輝くような二人。やっぱりマーシャは華があるなあ。ラントラートフは今回の髪型や素晴らしいアントルシャにかつてのフィーリンを思い起こさせられた。そういえば昔、若いマーシャがフィーリンと組んでいたなあ~。今回のフェス、欲を言えばもっとロシア組が出てほしかった。
― 第3部 ―
「カルメン」
振付:アルベルト・アロンソ
音楽:ジョルジュ・ビゼー、ロディオン・シチェドリン
タマラ・ロホ
イサック・エルナンデス
前回のフェスでは正直いまひとつだったロホだったが、このカルメンは良かった!いかにも「姐さん」という感じ。
「ルナ」
振付:モーリス・ベジャール
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ
エリザベット・ロス
昨年のベジャール・バレエ来日公演で観たボレロは彼女の踊り。長身の彼女の全身をおおう白い衣装。タイトルどおり「月」を描いた作品だそう。
「アンナ・カレーニナ」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
アンナ・ラウデール
エドウィン・レヴァツォフ
美男美女ご夫婦カップルの現代的なアンナ・カレーニナ。ノイマイヤーは大好きだけれど、個人的にはこの演目は、うーん、微妙。二人はBプロの椿姫・黒のPDDのほうを観られるのが楽しみ。今年のハンブルク・バレエ来日公演でも良かった。
「タランテラ」
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ルイス・モロー・ゴットシャルク
アシュレイ・ボーダー
レオニード・サラファーノフ
良かったーー!日本ではなかなか観られないバランシンをテクニシャンの二人がスーパーテクニックを炸裂させて、でも音楽性も失わずに見事に踊ってくれて感動!素晴らしかった。
「アフター・ザ・レイン」
振付:クリストファー・ウィールドン
音楽:アルヴォ・ペルト
アレッサンドラ・フェリ
マルセロ・ゴメス
ゴメス、元気そうで良かった。今の時代にまたこの二人が観られるなんて何だか不思議。味わい深いダンスだった。
― 第4部 ―
「ドン・ジュアン」
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:クリストフ・ウィリバルド・グルック、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア、トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア
シルヴィア・アッツォーニ
アレクサンドル・リアブコ
サーシャとシルヴィアの鉄壁のカップル。サーシャが最初に立ち姿で現れるが、このポーズだけで惚れる。この二人の演技はもう本当にいつまでも観ていたい。ただただ美しい。
「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」【世界初演】
振付:リアム・スカーレット
音楽:リムスキー・コルサコフ
アリーナ・コジョカル
ヨハン・コボー
久しぶりに見たコボーがスキンヘッドになっていてびっくり。リアム・スカーレットが二人のために振り付けた新作だそう。おなじみのシェヘラザードから第3楽章を使用したPDD。タイトルどおりの「シェエラザード・パ・ド・ドゥ」だった。
しかしシェヘラザード、特にこの第3楽章を聴くと、ノイマイヤーのニジンスキーがどうしても思い出されて仕方がない…。
コジョカルは今年2月のハンブルク・バレエ来日公演のときより身体が絞れていて、ダンスも良かった。
「ヘルマン・シュメルマン」
振付:ウィリアム・フォーサイス
音楽:トム・ウィレムス
ポリーナ・セミオノワ
フリーデマン・フォーゲル
セミオノワもお久しぶり。フォーゲルは何だかすっかりベテランの風格も。身体能力の高い二人が躍るフォーサイスで見ごたえがあった。場内も盛り上がる。
「マノン」より 第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン
音楽:ジュール・マスネ
ドロテ・ジルベール
マチュー・ガニオ
美しいふたり、盤石のテクニックでものすごく安心感がある。舞台からオーラが出ていた。
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ
音楽:レオン・ミンクス
ミリアム・ウルド=ブラーム
マチアス・エイマン
バレエフェスの大トリは必ずドンキPDD。
7月27日にこの二人の「ドン・キホーテ」(世界バレエフェス全幕特別プロ)を観られたことは幸せ。このAプロでは振り付けや衣装は全幕特別プロとは異なった。ミリアムは黒のチュチュ。キトリで黒のチュチュは初めて見たかも(赤が多く、またこれまでに白もたびたび見ている)。
マチアスは相変わらず素晴らしいが、もしかしたらややお疲れ?6月にケガをしたそうで、ひょっとしたらまだその影響はある?もちろん今日の演技も素晴らしく、一般的にはじゅうぶんに高難度なダンスを披露してくれている。
私見だが、最近見たマチアスは5月に来日したバーミンガム・ロイヤルバレエで客演した「リーズの結婚」のコーラスが絶品だった。
カーテンコールの様子(NBSさんツイッターより)
第15回世界バレエフェスティバル、Aプログラムの初日がさきほど終演しました!カーテンコールの写真を速報でお届けします!熱い熱いフェスティバル、いよいよ開幕です!クラシックの名作から本日世界初演をむかえた最新作まで多彩な作品でお贈りするAプログラムはあと4回です! #バレエフェス pic.twitter.com/X8k5l6kWMr
— NBSバレエ(日本舞台芸術振興会) (@NBS_ballet) 2018年8月1日
サーシャとマチアスは好きすぎるので、それ以外のダンサー出演の演目であえて個人的に特に良かったものをあげるなら、
・くるみ割り人形(レオノール・ボラック&ジェルマン・ルーヴェ)
キラキラ度一番!
・タランテラ(アシュレイ・ボーダー&レオニード・サラファーノフ)
身体からあふれる音楽
・コッペリア(サラ・ラム&フェデリコ・ボネッリ)
キュート!
・カラヴァッジオ(メリッサ・ハミルトン&ロベルト・ボッレ)
何だか凄い
ダニール・シムキンがインスタグラムにアップしてくれたカーテンコール時の舞台裏映像
シムキンはインスタストーリーに舞台袖から撮った他ダンサーの演技映像もアップしてくれています。
シムキン出演しているからというわけでもないのですが、町田樹さんも世界バレエフェス観にきているとよいな~と思ったりもするのでした。
![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/088.png)
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