大介護時代を生きる/樋口 恵子 | ブログ

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こんにちは。岡本大輔です。
昼の紹介はこちらです。
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著者 : 樋口恵子
中央法規出版
発売日 : 2012-12-11









【出会い】
帯広図書館の新刊コーナーで出会いました。介護の専門職として改めて介護について考えます。

【本書紹介のねらい】
介護問題を考える上でまず数字をしっかり読み解こう。
あなたは超高齢社会を理解していますか?

【響いた抜粋と学び】
「スウェーデンでは65歳以上の在宅の要介護者のうち81%が家族からの介護を受けており公的な在宅サービスのみは15%」とある、この記述では受け止めようによっては、スウェーデンの在宅介護はほとんど家族によって担われているかのようだ。

数字というのは恐ろしいもので、読み手のあなたを錯覚させます。たしかに記述を読むと、8割が家族介護なのだからそれが一般的に読み取れますね。
数字というのは知っておくと、意外な事実を知らせてくれるものです。例えば、高齢化率です。北海道では25.2%(2011年)、帯広市は23.2%です。
現代は超高齢社会となり、介護が必要な高齢者が多いと認識されがちです。僕たちのような介護の専門職は特にお客様が介護を必要とする方々ばかりなのでなおさらそう感じます。
先日もスタッフとそのような話をしました。
しかし、です。実際はどうでしょうか? 北海道の人口の548万5952人のうちの25.2%です。138万人が65歳以上の高齢者と呼ばれます。
その中で介護保険をとっているのはどれくらいでしょうか?
北海道のデータがなかったので、日本全国のデータで話します。総人口1億2千万人のうち65歳以上人口が23.3%です。つまり2796万人が65歳以上です。介護保険は40歳から使えます。
40歳以上を含めても要介護認定者数は506万人です。
65歳以上人口の2割程度しか介護保険を使っていないのです。
この数字だけ見れば8割の人は介護を受けずに生活できているのです。

国民も変わらなければ、いつまでも、「男は外で働き女が家を守る。これが日本の伝統」といっているようでは、未来は拓けない。

僕はこの一節を読んでピンときました。著者プロフィールを見て、やっぱり、と思いました。
東大卒です。
大東亜戦争のときに共産党や社会党の教師たちは罷免されてしまい、戦争終結後に教師として復職したため、過去の日本を批判する傾向が強い、特に東大がそうだ、と読んだことがありました。
日本マクドナルドの創設者、藤田田さんもそうでした。


【他の東大卒者の書籍は?】
ユダヤの商法―世界経済を動かす (ワニの本 197) [単行本]
勝てば官軍―成功の法則 [単行本]

「孫子の兵法」がわかる本―世界最高の「人生戦略の書」をどう読むか! [単行本]
「孫子の兵法」がわかる本/守屋洋 (書評)

(家族頼みだった介護の歴史)……介護保険導入直前の特別養護老人ホームの1人月額費用上限は24万円であった、入所者本人と扶養義務者で応能負担した、これでは給与生活者は2の足を踏み、結果として10万円前後で住む老人病院に吸収されていく。

これは介護支援専門員の試験に出ていましたね。今も出るのかな?
医療費圧迫、医療を必要とする人が病院に入れなくなるために介護保険制度ができて、社会的入院の方が施設入所になった、ということです。試験を受けた頃が懐かしいなぁ。

(スウェーデンのケア付き賃貸住宅とは、どんなもの?)……
仕切りのついた台所にワンルームだがベッドと
居間の間には十分な空間がある一室約40平方メートル机上にパソコン、家賃はサイズによるが市場価格で5000~6000クローナ(日本円で約6万~7万2000円)、他のサービス利用料は年金額などによる応能負担、年金のうち最低1600クローナ(約2万円ほど)は手許に残さねばならない。

(遠くの親戚より近くの他人とは)……終末期の深刻な状態にある家族、それに準ずる人が介護のために有給休暇を取る権利を定めたものである、受給できる人は一定の親族範囲に限られない、要介護者がその人の介護を受けることについて同意していること、2010年には1万1300人が受給した。

こちらはスウェーデンの実践です。なるほど。高齢者もパソコンを活用しているそうです(そうじゃないとさー0ビスの活用ができないんだとか)。パソコンが活用できるようにパソコンを教えるボランティアがいてくれるのでパソコンなんてやりたくない、と文句を言う人はいないらしいです。
家族介護が難しくても家族以外が支援できるような体系を作り上げています。これも数字を見ると、いっぱいいるようにも見えますし、どうなんでしょうか? この制度が実際どうなのかまでは記載されていませんでした。

【福祉関係の書評(まずはお試し)】
ひとりも殺させない: それでも生活保護を否定しますか/藤田孝典
新・私が決める尊厳死「不治かつ末期」の具体的提案/中日新聞社
日本に殺されず幸せに生きる方法/谷本真由美 (介護問題に言及しています)
ケースワークの原則―援助関係を形成する技法/フェリックス・P.バイステック
人間の発見と形成/リッチモンド


【関連書籍(即購入の方におすすめ)】
ひとりも殺させない: それでも生活保護を否定しますか [単行本]
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著者 : 樋口恵子
中央法規出版
発売日 : 2012-12-11