老人ホームをテストする/岡田耕一郎、岡田浩子 | ブログ

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みなさん、おはようございます。





以前、

「だから職員が辞めていく」  

を紹介させてもらいました。



その際、

著者の岡田耕一郎さんと

コメントやメッセージ等で

いろいろなやり取りができました。


ありがとうございます。





あのときのやりとりの

著者の考えが


今回の書籍に詰まっていると

読みながら感じていました。





日本の福祉現場では・・・

いえ、政策として重視されているのは

ハード面。



北欧の建物ばかり模倣していても

肝心の中身が改善されなければ

何も意味がない。


そして、

北欧の建物や福祉が

絶賛されているけれど、

現実として、

スウェーデンでも

介護職が給料安い等で

愚痴をこぼしている。



何十年も前の

古い施設よりかは

そりゃあ、新しい施設の方が

見栄えはいいです。


だからと言って

新しい施設=良いケア

というわけでもない。



大切なのは

ケアをする「人」



で、どこを見ればいいのか?


スタッフの身だしなみや挨拶


お客様である高齢者に対しての

言葉遣い、態度、表情



施設内の清潔さ・・・


掃除ができているか?


トイレは綺麗か?



こんなところでしょう。





この書籍を読んでいて

考えていたことがあります。



僕らデイサービスで・・・

自分のデイサービスで

実際にうまく経営して

給料はどれくらい貰えるのか?



定員20名で月300名利用。


週5日稼動(月22日)で計算します。


15名を超えると介護職が2人

必要になるので

一日13、14名におさえて・・・

(22日稼動で月300名だと

すると、一日平均13,6名)。



ここでは仮にうまくやって

13,14名でいき

300名ちょうどとしましょう。



最低ライン

要支援1・・・月額2226+53(アクティビティ)

日額計算すると(月4回利用)


569,75



要支援1の人ばかりだと



月170925円


お客様は1割負担なので、

事業所収入は

1709250円

(要支援1の場合、通所は週1回が

基本なので300名分利用することは

まずないでしょうが。)


最高ライン

要介護5・・・日額1320+50(入浴)+個別機能訓練Ⅰ(27)


1397円×300


事業所収入は

月4191000円




こんなに極端になることはないので

平均要介護2

入浴と訓練加算あり

とすると

922円+50+27


999円×300人


2997000円


おおよそ300万円。



規模によって

あらかたの収入が決まっているのが

福祉施設なのです。

(保育施設も確か同じですね?)。




給料の3倍働かないと

施設は運営できないと

考えるならば


人件費に使えるのは

100万円。

(車両代や建物の維持費など

経費がかかるので)。


スタッフが

生活相談員(兼管理者)

看護師

介護職



の3人のみで

すべてやると

考えたときに


一人33万円払っても

大丈夫となる。


しかも、昇給なし。

(基本的にこれ以上

収入は増えないから)。



福祉業界で働くということは

収入に限界があるということ。


給料を上げたければ

自分で別の収入源を持つこと


昼はデイサービス

夜はレストラン


みたいなやり方?

(夜間は場所を貸す?

賃貸収入。)



それか

デイサービスのスタッフ兼

ヘルパー2級の講師や

社会福祉士、介護支援専門員等の講師

になるなど。

(通信教育みたくすれば可能なのか?)。


または、

今回の事例で言えば

残り2日の部分で

介護支援専門員をやって

認定調査やケアプラン作成で

収入を作るのか。



もっとありますか?



さて、

本書の内容に戻って

大切なのは・・・


大部屋か個室か?

オムツ使用かトイレで排泄か?


選べること。



大部屋・・・×

個室・・・〇


オムツ・・・×

トイレ・・・〇



ではなくて

その人、その人の状態等に

合わせて選べること。



僕が福祉を学んでいたときは


大部屋=悪

オムツ着用=悪


のイメージがありました。


でも本当は違う。


大部屋で・・・

豚小屋みたく

お客様をおしこんで

ほこりだらけの汚い空間に

していたら×であって


大部屋だって

お客様が安心感をもって

清潔に、自分らしい生活が

できるのであれば

いいんだと。




この書籍は

福祉業界の収入、

仕事について

様々なことを

問わせてもらいました。


ありがとうございます。





岡田 耕一郎,岡田 浩子
暮しの手帖社
発売日:2007-05


チェック項目35箇所。介護を福祉としてではなくサービス業としてとらえる。北欧の建物だけ模倣しても現場は改善されない。スウェーデンでも介護員が愚痴をこぼしている現実を知らせていない。本書を通じて明るい未来につながる新たな改善策を探る。知識を活用して実際に老人ホームをテストすること。個室か多人数部屋か?どっちが正しいではなく選択肢。大人数だから、少人数だから・・・大きさではなく大切なのはケアの中身。マニュアルがなければ働き始めはうまくいかない。介護現場の現状・・・誰が夜勤かを気にするお客様。おむつが完全悪ではない。おむつをする必要がない利用者にさせるのが悪。充分な教育を受けられないですぐに現場に入る。介護現場の3k・・・きつい、汚い、給料が低い。3s・・・専門性が低い、ストレスがたまる、すぐやめる。専門性とは気付き。働くには人間への深い理解が必要。建物よりそこで働く「人」に目を向ける。スウェーデンでユニットケアを実現するには日本の介護現場の2,3倍のスタッフが雇用され毎年1ヶ月は夏期休暇をとってリフレッシュしている現状がある。介護職員と看護職員がもめていないところ。寝たきりはよくないが座らせっぱなしもよくない。ユニットケアは単なる手法。スタッフの利用者様への態度、言葉遣い、身だしなみ。職種間の連携。