【緊急】さよならロシア
2月は逃げる、3月は去ると言い表わされるように、実際の春はうららかホンワリなイメージからは程遠いもの……と、何でも分かったつもりでいると痛い目に合うんですね。今、ウクライナで起きている出来事については、今さら申し述べる必要も無いでしょう。しかし世界中が驚愕と混乱、そして前例のない衝撃と悲しみに陥っているさなかで、何がしか発信する行為は非常に勇気が要るものだとも思い知った次第です。本ブログは、あらゆる美意識の探求がメインテーマで、そこは変わりません。なので今回は引き続きフィギュアスケートのお題となる予定だったんですが、事がこうなった以上は肚を決めねば……実を言うと私、先の北京五輪フィギュアスケートから今に至っても、まだロシアのやり方に対する怒りと呆れ、その他どうにも整理のつかない感情を持て余しております。そしてまさに今、世界中が非難するロシアのウクライナへの侵攻は、フィギュアスケートはじめスポーツ振興に対する国の姿勢と、そのまま太い一本線でばっちりつながっている……!年少のフィギュアスケート女子選手の“使い捨て”問題がやっと明るみになったのは、まだしも前進なのかも知れません。関連して、ヘッドコーチであるエテリ・トゥトベリーゼのスパルタ指導も話題ですが、その是非だけを議論するのはさすがに内政干渉でしょう。記録を残せば後の生活は保証されて人生安泰、それでみんな納得満足なら、外野がクチバシ入れる筋合いはない。よそはよそ、ウチはウチ! ってやつですね。ただ、人はそんなとき、手段を選ばなくなることもあり得る、そこが問題なのです。ところで北京五輪の女子フィギュア、観ました? ドーピング疑惑の揺さぶりに潰れたあの人はさておき、メダルを獲得した他2選手の演技内容にしても、かの国の質が高く美しいスケートからはまるで程遠い代物に成り下がっていた、私はそう思います。ジャンプ以外はただのつなぎ、と言わんばかりの乱暴な滑りにも呆れましたが、砂漠の枯れ枝みたいなあの身体……どんなに技術が完璧だろうが、普通の感覚としては痛々しくて見てられません。ファッション業界でさえ、モデルのヤセ過ぎを規制すると言い出した時代に、あれはないわ。五輪のロシア3選手はいずれも、図抜けた素質を持つ逸材だったからこそ頭角を現わしたのでしょう。しかし、トレーニングにおける何らかの不自然な手段や指導の関与は、結局不幸しか生まない、と考えるのは変でしょうか。フィギュアスケートは採点競技なので、加点の多い構成ほど有利ですが、加点が狙えるジャンプ偏重の指導方針が様々な弊害を引き起こしていることは、すでに指摘されています。ロシアのフィギュアスケートには、かつて世界中が憧れ、賞賛と尊敬のまなざしを送っていたものです。昨今、表彰台を独占するスポ根指導が、あの美しい伝統を損ねたことの原因かどうか断言はできないまでも、無関係ではないのでは……私はそのように考えます。ともあれ、フィギュアスケートの指導者も、国の為政者も、いま何かを見失っているのは確かなようですね。歴史的にも地理的にも、遠いような、でも意外に近い、不思議の国ロシア。領土問題とか色気のない議論はどれも詰むのが常だったし、言語習慣、気候風土も全く違う。ですが、同時に私たちは長らくロシアから様々な夢や憧れのかけらを贈られてもきた、そこを忘れたくはないのです。世界に誇る文学者や芸術家など、それこそ他人が絶対に奪えない宝を、ロシアという国はたくさん持っています。他国の目からはそれがどれほど羨ましいことか、彼ら自身は知らないんだろうなあ。自分のことほど、見えないものだから。何だかクチビルが寒くなってきたので、停戦へのせめてもの祈りを込めてイラストを。あのチャイコフスキーの3大バレエ音楽無しに、現代のバレエの地位は絶っっっ、対に無い。そう確信する私から、『眠れる森の美女』の主人公、オーロラ姫のイメージで、イラスト担当Serafinaに急ぎ注文しました。ちなみに『眠れる森の美女』第1幕〈ばらのアダージョ〉は、3大バレエ音楽中で最も格調高いと個人的に推す楽曲ですが、意外に知られていないのが残念でなりません……さらに言えば、ロシアは世界一、脚の美しいダンサーを擁する国でもあります。バレエにフィギュアスケート、新体操、みんなみんな犯罪級に脚が美しすぎる!何で? 何で? 何でなのぉ~~~~!?ほんと、悔しいけれどかなわない、あの人たちには。本当は、誰より美しいものを感じ取り、生み出す力を持っている。私はそれを知っているし、なんなら何度だって言ってあげるから。あなた方にはそのことをぜひ思い出してほしい、とだけ今は言っておきます。ささやかなる祈りとともに、届けこの想い。SheilaIllustrated by Serafina★画像およびイラストの無断転載を禁じます★不要不急応援ブログ『塩キャラメルをひと粒』https://sheilacat.blog/