善き人のためのソナタ ★★★
ベルリンの壁が崩壊したとき、僕は小学生でした。
当然、その事件性を理解できたはずはありません。
ただドイツには東と西の二つのドイツがあるのは知っていました。
なんてったって、日向小次郎が、
「くらえ西ドイツ、これがオレのネオタイガーシュートだ!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
って言ってたから。
時代とそれに抗う人の姿に、自分は恵まれていると、つくづく思いました。
ストーリーは、好みですが、ひとつ言わせてもらう、
「ある音楽で、人は必ず悪人になることができない」
というところがうさんくさいです。
そんなことはないと言うのが、今の自分の持論。
悲しい?
冷たい?
あらさがし?
仕方が無いです…。
ひねくれものですね。
話題性を誘うための細工だと思いますが、
僕にはそれがひっかかりました。
二人の日常を観察するだけで、シュタージの心が動くことは説明できるから、
ソナタの存在を強く表現する必要はなかったのではないかと思ってしまうのです。
やはりひねくれものですね。
それにしても、表現の自由が抑制されるのは怖いことです。
その昔、日本にも治安維持法がありました。
歴史で習うより、この映画を観るほうが、身に滲みる恐怖です。
ただ、やはり実際に生きてみないとその恐怖は分からないと思う。
経験するべきではないが、経験してないだけに、現在のありがたみを深く実感することは難しい。
自分が経験したことの無い人の痛みを思いやれる人は、本当に優しい人なんだろうなあ。
メメント ★★★★
面白いが、難しかった。
計算され尽くされてます。
時間が逆行していく特殊なルールを、意識しながら見ないと理解できない。
「私たちが自分で感じていることは、極めてあいまいなものかもしれないですよ」
と言われているような気がする。
そう、考えると、怖い、
記憶→主観的なこと→信じることはできない。
私たちの行動は、環境という相対的なものに縛られていることを、祖母の件とこの映画で実感させられます。
同じテーマのことを、同時期に体験する。
「相対性の絶対さ」を、より意識するようになりました。
あまり書くとネタバレになるので、慎みます。
もう一度観ると、パズルがはまるみたいに気持ちよく観ることができるかも。
