植物科学者ロバート・キャンベルは若き科学者レイ・クレインとアマゾン奥地で極秘の研究に励んでいた。ロバート・キャンベルは秘密主義者のように研究内容をレイ・クレインにも内緒にしていた。これでは一緒に研究しようがない。何か深いわけがあるようなないような変な具合なのだ。
アマゾンに分け入って何かをしようとするのは、なにも木を必要とする人たちだけではないようだ。ロバート・キャンベルは深いジャングルの中でゴルフをしている。そのためにそこにいるわけでもないのだが、そんなのんびりとした研究のようだ。そんな様子を見たレイ・クレインが驚くのももっともな話だ。このいっぷう変わった男はいったい何を研究しているのだろう。
そこが、この映画の鍵になるところで、大したことはない、ということでもないのだけれど、何か現実味がないので、切羽詰った感じがしない。癌の特効薬が植物から見つかったら、それは良いことだろう、すばらしい仕事に違いない。それを阻むのが森林を破壊する者たちと同一なのだから、相当な悪人に仕立て上げられたものだ。全ての人間の福音になるものを見つけたのに、それが「悪人たち」によって消滅させられようとしている。それを救うのは、悪人と同じ人間であった、なんていう話、アップルゲイトは承知しないだろう。森をちょっと見て、全てが分かったつもりで、頭で考え出したお話のようだね。解決をサスペンスに持ち込もうなんて、相当おかしい。
監督 ジョン・マクティアナン
出演 ショーン・コネリー ロレイン・ブラッコ モンテイロ・ダ・シルヴァ ホセ・ウィルケル
1992年