化け猫あんずちゃん 2024.7.20 TOHOシネマズ日比谷10 | ギンレイの映画とか

ギンレイの映画とか

 ギンレイ以外も

 新聞の紹介記事で俳優が実際に演じた画像を元にアニメにしたという。それに興味を持った。どんな具合になってるか楽しみ。

 

 映画では人の動きを取り入れてCGにしたりはよくあった。アニメにするということは、人物の動作仕草などを逐一動画化されたのかと思ってしまった。これが大間違いだった。というか私の勝手な思い違いだった。

 

 実写のおおまかな動きをアニメにしたようで、そこからは例えばあんずちゃんから森山未來が透けて見えない。二つの映像が頭の中で重なることはない。かけた労力の割には結果が伴っているように思えなかった。

 

 人が演じる実写とアニメあるいは漫画の違いはある。でも実写に近いアニメもあるし、この映画のようないわゆる漫画の絵の場合、実写からは一番離れている。それなのに実写からアニメにしたのが分からない。そういう痕跡が見えない。逆からみると、和尚の漫画顔そのままの人物はいない。猫は架空すぎて語れない。完璧にアニメなのに実写を介した理由を知りたい。

 

 気になった部分はさておきアニメに入ろう。夏休みの海のある田舎のたたずまいは懐かしさと思い出を連れてきてくれる。私の田舎は海辺でも山でもない、田んぼが広がる平凡なところだが、ここでは田舎と言えばこれ、という感じの典型で描かれている。

 

 そこにいま人気の猫を出す。しかし猫が言葉を話すとして、こんな感じかな。歳は30を超えて37歳の化け猫、化けて人間になった。猫が人間に取り憑いて化け猫になったのではない、猫のまま化け猫に変身した。化け猫の定義はこう変わったらしい。

 

 しかしこの化け猫は怖くもないし可愛くもない。憎たらしい兄ちゃんだ。猫が人間になるんだったら、本当に化けてほしい。可愛らしく化けるのは反則だ。

 

 せっかくこれだけ豪華な俳優を揃えたのだから実写版を作っても良かったんじゃないか。あんずちゃんをどうするかが問題だが、ここは思い切ってアニメのままにする。どうせ違和感のある役だから違和感満載にしましょう。

 

監督 山下敦弘 久野遥子

出演 森山未來 五島希愛 青木崇高 市川実和子 鈴木慶一 水澤紳吾 吉岡睦雄 澤部渡 宇野祥平

2024年