紀元前の話、中国の歴史は永遠のように長い。私はこういう歴史物はまったく苦手。主人公の二人の名前さえ知らなかった。そしたら、家に漫画だけど、彼らのことを書いたものがあった。つまりうちの子どもは知っているのだろう。まあ、彼は日頃から三国志だの、清だのと、中国には詳しいから当然の知識なのだろう。
中国人ならみんながわかっている話のはず。だけど、私のようなまるで知らない人間が見ても、概要が分かるくらいで、それ以上のものが見えてこない。情けない、とは思うものの、これから勉強するつもりもない。歴史は一連なりのものだから、興味を持てば次から次へと知りたくなるだろうし、又知る努力をするだろう。だが、その始めの一歩が踏み出せないから、だめだ。興味がないわけではないが、特に中国は歴史が長すぎる。私の手に負えない。と、やる前からお手上げ。
とはいえ、映画から感じたことは、今も昔も戦いの担い手である兵士たちはむざむざと殺されてしまうだけだ。歴史に名が残るのは大将である項羽や劉邦であり、殺された兵士ではない。いったい、なぜ戦争が起こるのか。まず、陣地取りだろう。自分の土地を増やすこと、だが土地は限られているし、誰かの所有になっている。とすると、その誰かから奪わなくてはならない。平和的にくれることはないから、力づくで暴力に訴えることになる。これが戦争だ。だが、欲望というものに限りがないことは歴史が語っている。そういうわけで、いまだに戦争はやむことがない。
こういう話を映画に限らず見たり読んだりしても、私はどうしても中に入りきれない。領地がどうの、敵をどうやっつけよう、お涙も少し、どうも気持ちが入らないのだ。特に、こんな私の狭い歴史領域から離れた話だと余計だ。項羽がどう思おうと、どう行動しようと、どうでもいいとさえ思ってしまう。これは私の勉強不足が悪いのか、たぶんそうだろう。
監督 冼杞然
出演 巩俐 张丰毅 呂良偉 關之琳 劉洵 徐錦江 杜少津 于海 金仕傑
1994年