アメリカ映画でよくある警察もの、デ・ニーロ、ユマ・サーマン、ビル・マーレイ、これだけスターが勢揃いして、ちょっと冴えないのはなぜなのか。
ドラッグの売人の殺人事件から、強盗事件までのいきさつはテンポがあって、なかなか見せるものがあるな、と思わせて期待させられた。だが、そのあとがグジュグジュになってしまう。ビル・マーレーの親分みたいな人物がよく分からない。彼が刑事にあてがった女性がそもそも弟の借金のかたに働かせられているようなのも、ずいぶん時代がかっているし、彼女がそんな自分の境遇をどう思っているのか、又どうしようとしているのか、ただただ受動的な彼女を面映ゆく見ているだけだ。彼女に恋してしまった刑事にしても、良い手があるものでもない。
どこか良いところを見つけようとしているのだけれど、ない。きっと役者を集めた時点で良いものを作ろうという気持ちを放棄してしまったのだろう。もったいないことだ。脚本を練って作ってほしかった。
監督 ジョン・マクノートン
出演 ロバート・デ・ニーロ ユマ・サーマン ビル・マーレイ デイヴィッド・カルーン マイク・スター、トム・トールズ キャシー・ベイカー
1992年