枯れ葉 2024.1.13 シネマイクスピアリ1 | ギンレイの映画とか

ギンレイの映画とか

 ギンレイ以外も

 これ恋愛映画というのだろうか。恋愛には違いない。結婚するかはわからないけど、相当いい仲になった。デートは質素なもので映画に誘ったり、ディナーに行ったり。特別ぜいたくすることもない。もっとも最近の、それに外国のデートがどんな具合なのかわからない。なんか映画だとすごく高級なレストランで食事なんてのをよく見る。日本食のこともある。だけどこの映画の二人は無理せず付き合っている、いい感じだ。ただアンサはホラッパが隠れて酒を飲むのが嫌だ。けっきょく酒で仕事を失うことになるし。

 

 恋愛におけるすれ違いや思い違いがあって、出会いから恋愛、更に結婚に至る道が真っ直ぐに続くとは限らない。また親の干渉や反対があることもあるし、恋愛の成就は難しい。そんな例はいくらでもあって、小説にも映画にもなっている。

 

 その新しい一つがここにある。深刻ぶることはないし、家族の反対もない。恋愛の前に人と人の付き合いの段階での失敗が彼らの恋愛の原点となる。何も問題なしで仕事も順調は理想だけど、そうも行かないのが普通だ。それどころか無職になっても焦って探すでもなかったり、酒に溺れたりする。そんなでも恋愛はあってもいい。あった方がいい。

 

 またフィンランドなのに仕事がうまくいかないことが不思議な感じがする。社会保障がしっかりしていて、生活面は完璧というのは誤解?  理想的な社会はない。でもその他の、例えば日本と比べれば天国?かもしれない。実態はそこの人に尋ねないとわからないものだ。

 

 スーパーマーケットで働くアンサは他人への優しさから、工場で働くホラッパは仕事中の飲酒を注意され辞めさせられた。会社の対応はもっともだが、国の政策に合致していない。またまたイメージだけで考えるのはやめよう。

 

 失職したらどうなるかは決まってる。よりハードな仕事に就くしかない。楽な仕事は他人にとられている。職業に貴賎はないと言われても、実際はこうだ。ここで言う貴賎は、軽蔑されるとか馬鹿にされることだ。体にきついか汚い仕事も含まれる。とにかく静かな室内での事務職、9時5時で夜業はなし。

 

 でも夜電気が使えるのは誰かが働いているからだし、全員が同時に休んだら社会が止まる。北欧だから、税金は高いけど社会保障があるからなんて、勝手に良いように思っているけど、どうなんだろうな。映画で私の国には問題は全くなくて全員が満足してます、あんてのはみたことがない。それはそうだ。そんなとこがあったら引っ越して、そこで暮らしたい。

 

監督 アキ・カウリスマキ

出演 アルマ・ポウスティ ユッシ・バタネン ヤンネ・フーティアイネン ヌップ・コイブ アンナ・カルヤライネン カイサ・カルヤライネン

2023年