フィリピンパブ嬢の社会学 2024.2.24 K’s cinema | ギンレイの映画とか

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 ギンレイ以外も

 フィリピンパブは知ってる。行ったことないので、どんなところか知らないけど、どんな感じかは想像できる。客として女性と話をするのは苦手で、行かないのはそのせいだ。席について女性が来て相手をしてくれるサービスはよくあるタイプの店だ。

 

 大学院生中島翔太のフィリピンパブ研究の動機は何か。フィリピン女性と仲良くなることか、パブの仕事のことか、日本におけるフィリピン女性の権利問題か。

 

 最初の思いは好奇心、若い女性と知り合うこと。動機はともかく実行する。ものごとはやってみなければ始まらない。

 

 フィリピンパブに行ってみる。おそるおそる入る。席につく。女性が来る。若い女性を希望する。チェンジに金がかかりそう。ドリンクを頼む。やってきた若いミカもドリンクを頼む。ドリンク代たぶん客持ちだろう。色々とリクエストされれば値が上がっていく。高級クラブだとケタ違いに払わせられそうだが、ここはそうでもなさそう。今日は6600円だった。

 

 女の子一人で一杯飲んで6000円が最低料金ってことか。これでも学生の身には厳しい。電話番号を聞かれてしまう。研究の一環だし、今日知ったばかりのミカは離さないようにしよう。となかなか謙虚な姿勢だ。

 

 しかしバイトで6000円稼ぐのに何時間かかる? 勉強だし研究でもあるし、バイト頑張ろう。次の日、電話があった。誘いの電話がなくても行く気はあった。今日にでも行きたい、でも金がない。バイトして6000円持ってまた行こう。俄然やる気まんまんになった。この先どうなるかはわからないが、行っているうちに何とかなるだろう。

 

 このパブに怪しいあぶないところはあるんだろうか。中島翔太としては問題があれば研究のしがいがある。でも付き合っていこうと思うミカとの関係は続けていきたい。低賃金で借金に縛られていてもしたら、研究ははかどってもミカを失うことになる。

 

 頻繁に行けないので研究も進まない。それより店以外で会えないだろうか。店外デートに成功して有頂天となるが、その先はどうなる?

 

 彼女と親しくなり、じっくりと話を聞いてみると問題百出だった。この後けっきょく彼女と結婚するのは知っていた。ラジオで原作者が話していた。色々とワケありの女性と結婚するのに、彼はどれだけ苦労しただろう。その詳細は原作に譲ろう。そんなわけで映画では大変な部分が省かれていた。最近の映画にしては珍しく、頭を抱えることもなく、二人の成功を見ることができた。

 

監督 白羽弥仁

出演 前田航基 一宮レイゼル 近藤芳正 勝野洋 田中美里 仁科貴 ステファニー・アリアン 津田寛治 飯島珠奈

2023年