炎は燃える 2018.12.15 フィルムセンター | ギンレイの映画とか

ギンレイの映画とか

 ギンレイ以外も

 説明のないまま見はじめて、内容がつかめないし分かりづらい。あとで解説をみて、当時の状況が少しわかった。

 

 スウェーデン映画ではあるが、スウェーデンの話ではない。ノルウェーを舞台にした第二次世界大戦時の話だ。当時ノルウェーはドイツに占領されていた。

 

 この映画はドイツとノルウェーの話と思って差し支えない。

 

 スウェーデンは第一次世界大戦および第二次世界大戦で中立を宣言していた。よって戦争に関わりを持つことはないはずであったが、ドイツからの要求にいくぶん屈した部分があった。だが戦争に巻き込まれることはほぼなかった。

 

 このことは今まで知らなかった。大戦中の話は映画で知ることが多い。特にナチスドイツ関連の映画は立て続けに公開されている。ドイツ国内のことも、ドイツに侵攻され侵略され占領された国々のことも知るようになった。それでも万全ではなかったことが、この映画でわかった。

 

今までスウェーデンが抜けていたからだ。スウェーデンが占領されてユダヤ人が、ということには無関係だった。もっとも映画からしか事態を把握しない私の姿勢にも問題があった。

 

 自分の勉強不足を棚に上げてしまえば、全ての事柄ものごとに関心を持ちたいが、極めることは不可能だ。かろうじて好きな映画から学ぼう。

 

 占領軍のドイツ人武官レンメリングと女優のハリエットは恋人同士だった。レンメリングは占領国に対して理解があって強権を発動することはない。そんな彼の姿勢はナチスドイツのイメージとかけ離れていて違和感がある。ドイツを全て悪と決め付けるわけではないが、この遠慮感は何だ。

 

 1943年の映画であることは重要な要素だ。スウェーデンはドイツを直接名指しで追及できなかった。映画の中でドイツがノルウェーに侵略した事実を描かずぼやかしたのはどんな事情からだろう。描かなくても、そうとしか思えないから、作者の意図は伝わったと言える。でも70年後の日本人には伝わりにくかった。

 

 このように私の知識不足が原因なのだ。知らないことだらけ。これでも海外の小説は読んでるつもりだが、数多くは読めない。安易に映画に頼る。

 

 いくら個人が抵抗しても、大元の指示は執拗に強硬になってくる。彼は愛をとるか国をとるか、話がここに矮小化したのは仕方ない。

 

監督 グスタヴ・モランデル

出演 インガ・ティードブラード ラーシュ・ハーンソン ヴィクトル・シューストルム

1943年