1987、ある闘いの真実 2018.9.8 シネマート新宿1 | ギンレイの映画とか

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 ギンレイ以外も

 なかば韓国映画専門館化したシネマート新宿。ここにきて貼られているポスターを見、予告編を見ると韓国映画のエネルギーに満ちた勢いに負けそうになる。韓国映画はイコール韓国人だから、韓国人はエネルギー満帆なのであろう。映画に勢いがある、迫力がある、気構えが違う。ここでやるのにすべて付き合っていたら、素敵な韓国通になることうけあいだ。でも優しいヨン様風ではなく、暗黒街のお兄様風になるだろう。映画館ではテレビのような、みめ麗しい男性の登場が少ない。ヤクザや政治家警官軍隊などの内容からして、 強面の男たちが登場する。でもまあその手のは見てないので内容まで言及できない。この映画には怖い顔がいっぱい出てくる。

 

 韓国の歴代大統領はまともな人は少なかった。一見ちゃんとしてるように見えて、後に逮捕されたり、糾弾されたり自殺したり等、色々と問題のあった人が多いようだ。前の大統領は懲役刑だし、まともなはずの現大統領はなぜか人気がない。誰がなっても正常に仕事を遂行することができない大統領職なのだろう。国内はもちろん、北は無視できない。日本政府は訳なく仲良くしてくれない。もちろんもっとも重要な相手は北朝鮮だ。仲良くすればいいのか、敵対するのがいいのか。最近の状況は流動的だが、良い方向に向かってほしい。

 

 かたちは違うが、日本の首相もまともな人がいなかった。幾分マシな人が少数あった程度。何しろ現在が最悪だから、次に誰がなってもちゃんと思えしまうだろう。

 

 さて1987年のことだ。軍政は良くない。そうでなくても軍隊や警察を盾に政府は強権を発動させてくる。軍が背中についていれば、なおその強さが増す。全斗煥大統領、あの顔に見覚えがある。はげあたまの抜け目のない顔。不思議なことに、悪いと思うと悪人面に見えてしまうものだ。

 

 相手がどの組織の誰であろうと、アカと決めつけるやり方は、特に韓国においては有効であった。何しろ敵がすぐ北方に存在しているのだから。敵と反対のことをする、敵をより敵化することによって、自分を守ろうとする。

 

 日本における治安維持法のような法律があって、それで危険分子をつかまえた。組織を破滅させるため拷問で口を割らせる。やり口は同じだ。ソウル大学の学生が死んだ後、遺体をすぐに火葬しようとする。それを拒んだのはチェ検事だ。こういう時においても法律や決まりがある。それにのっとっていて逆らえない。全て無理強い出来るわけではない。これに懲りて別のこちらに有利な法律に変えるに違いない。

 

 法律を守る人がいた。そしてニュースを伝える新聞社があった。政府の御用機関になりやすい新聞ではあったが、記者にはまだまともな神経があった。真実を伝えること、これが新聞の役割だ。そういうしっかりした方針があり精神があれば、真実の前で嘘はつけない。彼ら新聞社の意気に感じた。

 

 政府にあがらう気持ちがあっても、積極的な行動に出るのははばかられる。だが仲間がいればやってもいいかと思う。本来なら新聞社などのマスコミが先頭に立って政治の監視をしてほしいし、彼らが真実を伝えてくれるなら付いていきたい。

 

 「タクシー運転手」の1980年から7年経っても、変わっていなかった。歴史の流れは教科書からは見えてきにくい。実際の映像を交えての映像の力は大きい。

 

監督 チャン・ジュナン

出演 キム・ユンソク ハ・ジョンウ ユ・へジン キム・テリ ソル・ギョング カン・ドンウォン パク・ヘスン イ・ヒジュン ヨ・ジング

2017年