猛獣珍の恋愛小説

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第三十三章 本当の真相❗️


長谷川が絵里ちゃんから聞いた真相は


こうだった。


絵里 「実は、この前私達がべーやん達の

    応援行ってたのを、うちのサッカー部

    の男の子が気付いてて、最初の頃は

    良かったんだけど、星光が決勝まで

    残って私達がはしゃいでのが、目に

    ついちゃったらしくて」


長谷川「それで、サッカー部の奴が!」


絵里 「違って、そのサッカー部員の

    彼女がそれを聞いて、怒っちゃって

    静奈と咲に言いがかりをつけて

    来たのが最初だったの。彼氏は

    試合に負けちゃってたから余計に

    怒ってたみたい。

    でも、咲がちょっと強気に出たみたい

    で、話が余計にコジれちゃったの」


長谷川 「咲ちゃんらしいわ」


絵里 「そんな悠長な話じゃないんだって

    その彼女がまた、先輩の女の子に

    言いつけて、また、それがわるいこと

    に静奈の彼氏が星光に居るのが

    バレて、部室に連れ込まれたことが

    あって。その時は、静奈も大丈夫

    だからって言ってたんだけど、

    私達の知らないとこでも、だいぶ

    ちょっかいかけられてたらしいの。

    咲も自分のせいだからって、

    その先輩のとこに、文句言いに

    言ったりしてたんだけど、反対に

    脅されたりして。静奈だんだん

    学校に来ない日が多くなって来て

    心配して家にも何回も行ったんだけど

    会ってくれなくて。咲も酷く

    落ち込んじゃってて」


長谷川「何だよそれ。ひがみも酷い話やんか!

    で、入院までいったの?」


絵里 「少し経った頃、静奈学校に呼びだされ

    たみたいで。それは、たまたま

    私の友達が見かけたみたいで、

    後から聞いた話なんだけど、

    部室に入って行ったらしいんだけど

    その入り口を男子サッカー部員が

    取り囲んで、何か雰囲気が違った

    みたいだったって」


長谷川「それ、ヤバい話じゃないの?」


絵里 「その日から、静奈入院したみたい」


長谷川「マジかよ。咲ちゃんは大丈夫なの?」


絵里 「咲もそのこと聞いて、病院まで        会いに行ったんだけど、ご両親に

    止められたみたいで。その後、

    先生に相談したみたいだけど

    関わりたくないからか、相手にして

    もらえなかったらしいよ」


長谷川「だいたいのことは、分かったよ」


絵里 「山部君も知ってるの?」


長谷川「いや、連絡取れなくて心配はしてる。

    それは、言えないわ」


長谷川「絵里ちゃん達も何か進展あったら

    連絡して。困ったことでも構わない

    から。ちょっとかわちんとかの話

    してみて考えるわ。ありがと。また」


長谷川は電話を切った。


この電話は、俺と居た時ではなく、


俺に気づかれない様に、別れてから絵里ちゃん


に折り返し電話した時の話だった。


俺には、風邪をこじらせて肺炎の疑いがあった


から、入院してると言っていた。


これが、連絡が取れなくなった真相だった。






    

    



第三十二章 俺らの過去


長谷川は、絵里ちゃんから真相を聞かされて


俺に言うべきか悩んでた。


長谷川が俺に教えなかったのには理由が


あった。


高校入学当時に戻る。


俺は、まこちゃんと同じ中学から星光工業


に入学する。長谷川、やま、かわちんとは


高校から知り合うこととなる。


長谷川とは、サッカー部で知り合い同じ


クラスと言うことで、早くから仲良くなった。


そんな時、かわちんはやまと仲良くなってた。


入学して間もないころだった。


やまとかわちんが、学校の帰り道に隣の高校


の生徒に絡まれたのだ。やまは、ハッキリ


いって、ドが付くほどのドヤンキーやった。


かわちんは、可愛らしい大人しそうな感じ


でこの2人がツルんでるのも俺らは不思議に


思ってた。まあ、子分的なもんで一緒に


居るんだと思ってた。そんな入学間もないころ


事件が起こった。やまとかわちんはいつもの


様に下校していた。前から来る二人組の奴らと


目が合ったとか言う些細なことが、引き金


となったようで。


ヤバかったのは、ヤマが本当にヤバい奴やった


ってこと。相手は、あっという間に地べたに


ねっ転がることに。相手も2人連れだった


がやまの相手ではなかった。かわちんは、


その後のあっけらかんとしたやまの態度に、


驚いたらしい。何事もなかったかの様に


会話をし、コンビニでアイスを食うやまを


みた時、かわちんはコイツはヤバい奴やと


知ったそうだ。そんなことが、入学して3ヶ月


もしないうちに何回も起こっていたと言うから


驚いた。かわちんは若干慣れてきてたらしい。


そんなやまでも友達には、


怖さ強さをひけびらかすことは無かったから


案外、俺らとも打ち解けるのに時間は


掛からなかった。


そんなある日、やまとかわちんが


いつものようにコンビニでアイス食ってると


以前ボコった相手が大勢で近づいて来た


かわちんは、ヤバいと感じたが、


やまは、もう臨戦態勢にはいってた。


相手「おう、お前この前のやつやなぁ!」


やま「おいおい、人数多いから強気やん!」


かわちん「やま、ヤバいで人数多いって」


やまはかわちんを腕で押さえ込んで前へ出た。


相手「はぁ!関係あるかいや!ちょっと裏

   こいや!タイマンでやったるから!」


やま「しんどい事言うなや。何で行かな

   あかんの?あっち行けや!」


そんな言い合いが、暫く続いた。そのうち


相手の後ろの方にいた奴が、


急にカワちんの胸ぐらを掴み、顔を殴った!


「何ヘラヘラしとんねん!お前、ムカつくわ」


かわちんは、避ける事もできず、転がった。


ここで、ヤマが切れた! かわちんも


やまの喧嘩は何回か見て少しは慣れてたが


この時のやまは、恐ろしい顔だったらしい。


やま「お前何してくれてんの。関係ないやつ

   に手出すなや!」


やま「お前ら、全員いてもうたるぞ!コラァ!

   裏行けや!」


かわちんは、やまを止めたがもう時すでに


遅しだった。相手は、八人ほどいた。


やまがブチ切れ、タイマンだとほざいたやつ


をボコボコに。かわちんを殴った奴に行きかけ


た時に、周りの奴がやまを取り囲みやまは


羽交い締めにあいボコられた。かわちんも


助けに入るがそこは多勢に無勢でボコボコに


された。かわちんが気付いたときは、2人


ボロボロになって相手はもう居なかった。


かわちん「やま?いけるか?動ける?」


やま「おう、いけんで。かわちん、ごめんな

   俺、こんなんやからすぐ友達巻き込んで

   もうて、いつもこうなるねん」


かわちん「ええよ。俺弱いから助けてあげ

     れんかったし。あかんなぁー」


やま「そんな事ないで。かわちん逃げんかった

   やん。中学の奴なんて皆、先に逃げて

   もうてたで」


かわちん「そうなん、そう言うことは先に

     言うといて(笑)俺も逃げたのに。

     まあ、そんなんできんけど」



やま「逃げても良かったんで。痛い目あうの

   俺だけでよかったやん。明日なったら

   普通に話かけてくれても、俺、

   気にしてないんやから」


かわちん「・・・・・・・。そんなん

     無理やわ。 もう、話かけれん

     ようになってるわ」


やま「なんでなん? 今までのツレやったら、

   普通に話かけてきよったで。俺も普通に

   してたし」


かわちん「そんなんツレちゃうやろ。今でも

     仲ええか?そんな奴」


やま「まあ、今は付き合いないけど」


かわちん「そうやろ。そんな奴とまだツルん

     でるようなやまだったら

     俺嫌いやで。さいならするわ」


やま「さいならって。かわちん・・・・・

          ええ奴やなー」


かわちん「今頃ですか?はよー気付いて」


やま「まあ、かわちんに手出したやつらは

   しっかりまた、やっちゃるけん」


かわちん「そんなんええて!それより顔腫れて

     ない?痛ぁなってきたんやけど」


やま「ちょっと、腫れてきとるなー

   そんな顔やったら、べーやんやに

   笑われんで」


かわちん「明日、休むわ」


2人で、何故か爆笑したらしい。それから


2日2人は学校を休んだ。ここで話は終わらない


のだ。この話をかわちんから聞いたとき


俺と長谷川は、ブチ切れてしまったのだ。


いつもニコニコしてるかわちんが、泣いていた


からだ。かわちんは、やまが今まで友達に


恵まれなかったことと、自分が弱かったから


助けにならなかったこと、かわちんの親に


やまは、自分のせいだと頭を下げあやまって


くれた事がうれしかったらしい。


その涙をみたら、何故か俺らは熱くなって


しまったのだ。やまは、俺らには笑って話


してくれてた。カッコ良かった。


やま「べーやんらが、切れてどうするん?

   俺がまた、見つけてやったるし。

   学校にバレたらえらい事になんで」


長谷川「ツレヤられて、タコ殴りされて

    ニコニコは出来んやろ」


いつも冷静な長谷川にしては、珍しく


怒ってた。


俺 「・・・・・・・・。今日行くで!」


俺らは、昼に早退し奴らの学校に乗りこんだ。


校門で待ち伏せし、ひとりを捕まえその時居た


奴ら全員呼び出させた。やまはとかわちんは


俺らを巻き込んでしまったことに、


後悔してるようだった。


やま「俺が、やるから皆んな手え出さんで。

   八人おるんで、4人でやったらまた、

   ヤられるだけやから」


長谷川「関係あるか!ツレヤられて黙っとけ

    るか!」


俺は長谷川のこんな一面があるのに驚いた。



かわちん「やまの言う通りやで、やめとこ」


相手「また、人連れてお前ら、まだ懲りてない?

   やったろか?こらぁ!」


誰かが言った。


ボコッ!ボコッ!


俺は、完全に切れてた。相手2人がうずく


まってた。どうやったか、自分でも覚えてない


気づいたときには、五人ひっくり


かえってた。寝てる相手の腹を蹴りまくってた。


そんな俺をやまがとめてくれた。


やま「べーやん、もうええって!」


長谷川、かわちんも俺を止めてた。


他の三人は逃げ出してもう、姿は無かった。


長谷川「はよ、ここさろうや。また、誰か

    連れてこられんで」


やま「そやな。いこか。

   お前ら、覚えとけや!次、まだ

   因縁つけてきよったら、また、

   いてまうぞ」


俺らは、その場を去った。


俺の家に帰り、部屋で一息つくことになった。


やま「べーやん、ヤバい奴やったんやな。

   めっちゃ強いやん」


かわちん「マジでな。やまより手早いし」


長谷川「ヤバかったな。アイツら、かなり

    ビビってたで」


俺 「何か、スイッチ入ったらあかんねん。

   友達とかチームメイトとかやられたら

   スイッチ入ってまうねんなぁ。」


やま「すまんかったな。何か迷惑かけて

   もうたなぁ」


俺「ええよ。勝ってに俺らがいってもうたん

  やから、なぁ?長谷川」


長谷川「イヤイヤ、俺何もして無いですけど

    先、いかれてもうて出番なしで

    カッコ悪いんですけど」


やま「お前ら、アホやなぁ。最高やん」


四人大爆笑だった。


まこちゃんは、この出来事を後で知り


俺なら、八人全員いったったのにとホラを


ふいていた。




長谷川は、こんなことがあったから


俺が静奈にあったことを知ったら


スイッチが入ることを恐れ


俺には、取り敢えず隠しておこうとしたの


だった。










第三十一章 隠された真実


静奈と連絡が取れなくなって5日が経った


最初は、たまたま忙しくて出れなかった


のかな?とか寝ちゃったかな?なんて


深くは考えなかった。LINEも既読すら


つかなくなったから、さすがに心配になって


いた。


静奈の友達の咲ちゃん達にも、最初はLINE


で聞いてみたりしたが、最近、風邪気味で


寝込んでみたい。って返信があったが、それ


以降いくらLINEしても返信はなかった。


5日が経って、居てもいられず、咲ちゃんに


電話してみた。


呼び出し音「トゥルトゥルトゥル・・・」 


咲 「もしもし」


俺 「あっ咲ちゃん。久しぶり」


咲 「うん。久しぶりやね」


少し歯切れの悪い感じがした


俺 「あのさ、静奈の調子どうなんかなー

   って思って。アイツ電話もLINEの返事も

   なくてさぁ。何か、知ってる?」


咲 「えっ、あぁぁ、だいぶ悪くて入院した

   って聞いたけど・・・・・」


俺 「えっマジで!どこの病院か分かる?」


咲 「静奈、心配かけたくないからお見舞いは

   やめてって私達にも知らせてくれてない

   んだよね・・・・」


俺 「ほんとに?それは無いよなー」


俺は少しイラついた。辛い時こそ側にいて

あげたかったからだ。


咲 「疲れた顔見られるの女の子は、恥ず

   かしいから。特に、彼氏には。

   だから、静奈のこと怒らないで

   あげて。元気になったら、連絡して

   来ると思うから」


俺 「あぁ、ごめんね。大丈夫怒ったりして

   ないから。また、何か分かったら

   連絡ちょうだいね」


咲 「うん・・・・・。じぁ、また」


咲ちゃんのいつもの明るい感じがないのに


俺は違和感を覚えたが、それ以上は聞け


なかった。


連絡がなくたなって、6日目。


練習後、長谷川に相談した。何回か話はして


たが、長谷川もそこまで深刻には、とらえて


なくビックリしてた。


長谷川「風邪で、肺炎でもこじらしたとか?

    入院するぐらいやからさぁ」


俺  「そうかもなぁ。でもさぁ、咲ちゃんと

    電話した時、何か変な感じだったんが

    気になってさぁ」


長谷川「何よ?変な感じって?」


俺  「わかんないけど、なんか隠してる

    ような」


長谷川「ふーん。そうかぁー。絵里ちゃん

    加奈ちゃんとか聞いてないんやろ?

    俺からちょっと電話して聞いて

    みよっか」


俺  「ああ、頼むわ。今、してみてよ!」


少し、焦ってる俺をみて、長谷川も了解して


くれた。絵里ちゃんに電話してみた。


呼び出し音「トゥルトゥルトゥルトゥル」


長谷川「あっ、絵里ちゃん。久しぶりです。

    この前は祝勝会ありがとうね。

    きちんとお礼言えてなかったから

    さぁ」


絵里 「あっうん。全然いいよ。今度は

    全国大会行くんでしょ。頑張ってね」


長谷川「ありがとね!また、応援きてよ!

    今度は少し遠くなるから無理かな。

    でさぁ、最近、静奈ちゃん入院した

    って聞いたんだけど」


絵里 「えっ、誰に聞いたの?咲?加奈?」


長谷川「あっあぁ、それがさぁ坂高の中学の

    時のダチとたまたま、電話しててさぁ

    俺のチームメイトが坂高のテニス部の

    同級生と付き合ってるんだなんて、

    話したら、誰ってことなって、

    そしたら、そんな話耳にしたから

    さあ、でも、べーやんには

    まだ、言ってないんだけどね」


絵里 「どこまで聞いてるの?」


長谷川の表情が変わった気がしたから、


声を殺して、合図をおくったが、ちょっと待て


のジェスチャーが帰ってきた。


長谷川「あぁ、そこまで詳しく聞けなかった

    から、もしかしたら絵里ちゃん知って

    るかもなーって。

    静奈ちゃん大丈夫なん?」


長谷川は、この時に本当は風邪じゃないんだと

察したらしい。


絵里 「それが・・・・・。実は・・・・」



この時初めて、真実をしることになるのだが


長谷川は、俺には本当のことを、告げなかった